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例年11月に甲州街道沿いで開催される「八王子いちょう祭り」
日本の歴史を支えてきた歴代の天皇は、全国に点在する陵に埋葬されています。昭和、大正の天皇が眠るのは、東京都八王子市の武蔵陵墓地です。1927年に大正天皇陵の造営後、約2年間にわたって陵の南を走る甲州街道にイチョウが植樹されました。追分町交差点から高尾駅北口前までの約4キロには、770本前後のイチョウが並木を作っています。例年11月には一斉に葉が黄色に彩りを変え延々と秋の色彩が繋がり、「八王子いちょう祭り」が開催されています。2021年には11月20日、21日に行われました。
露店がひしめき合う陵南公園や陵南いちょう会館広場
「八王子いちょう祭り」の開催日には、武蔵陵墓地の南に隣接する陵南公園には、露店がひしめき合います。陵に最も近い本園ではイチョウの黄葉の下で様々なグルメの食べ歩きをすることができます。本園の南を流れる南浅川沿いはイチョウ並木の黄葉のラインが繋がり、園の西のじゃぶじゃぶ池は紅葉で彩られます。
陵南公園の本園の南東端に架かる南浅川橋を渡った分園では、普段は子ども達が遊ぶ遊具を露店が取り囲みます。
陵南公園の本園と分園を繋ぐ南浅川橋から甲州街道に向かう通りは、多摩御陵参道と呼ばれています。例年「八王子いちょう祭り」の開催日にはパレードの行進が行われますが、2021年は新型コロナウイルス感染防止のため中止となってしまいました。
多摩御陵参道と甲州街道の交差点の南には、かつて皇室だけが利用できる大正天皇の大喪列車の乗降施設として、東浅川駅が設けられていました。現在は陵南いちょう会館が建ち、広場は「八王子いちょう祭り」の開催日には露店がぎっしりと取り囲みます。
甲州街道の約5.5キロを巡る関所オリエンテーリング
陵南いちょう会館の広場には、関所オリエンテーリングの案内が掲示されています。「八王子いちょう祭り」では、甲州街道の追分関所から小仏関所までの約5.5キロを歩いて巡るイベントが行われているのです。10の関所にスタンプが準備されています。通行手形を手に、6個以上のスタンプを集めると、豪華な景品が当たる福引にチャレンジすることができます。
関所オリエンテーリングの全長を歩くと8000歩前後となるため、体力配分を考える必要があるでしょう。甲州街道のイチョウ並木沿いに、東から追分関所、千人一関所、千人二関所、千人三・四関所、並木一・並木二関所、並木二関所、新地関所、原宿関所、原関所、小名路関所、小仏関所、川原之宿関所が設置されます。なお関所は15:30に閉じられるため、ペース配分も重要な要素となりそうです。
民家の軒下に模擬店まで現れる甲州街道のイチョウ並木
関所オリエンテーリングの完歩には恐らく1時間以上の時間が必要となることでしょう。ただ、延々とイチョウの黄葉が繋がっているので、秋の深まりを全身で感じることができます。甲州街道沿いの民家の軒下には模擬店も現れ、市民が積極的参加している様子を感じとることもできるのです。
東京都八王子市の武蔵陵墓地の南を走る甲州街道には、約5.5キロにわたってイチョウが植樹されています。例年11月には黄葉のラインが延々と繋がり、「八王子いちょう祭り」が開催されています。御陵参道を中心とする陵南公園や陵南いちょう会館広場には露店が隙間なく並びます。関所オリエンテーリングのイベントも企画され、甲州街道沿いの10の関所を巡れば、豪華な景品をゲットすることができます。