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祭り関係者必見!?花火ライブ配信の舞台裏

更新日:2020/8/27 野村 景至
祭り関係者必見!?花火ライブ配信の舞台裏

軽いノリで始まったライブ配信企画

人は集めないけど盛り上がりたい!よしライブ配信だ!と最近よく目にするアレ。実際やったらどうなのか?今回はその舞台裏。お祭り関係の皆さんにも参考になれば幸いである。

舞台は愛知県蒲郡(がまごおり)市。ここで花火の製造打ち上げを行う加藤さんに、こんな話を教えてもらった。「蒲郡応援団の企画で市内14か所の花火一斉打ちをやる。」そう、先日レポートしたオール蒲郡花火のことだ。まだ読んでない人はそちらもどうぞ!

みんなでやろまい!オール蒲郡花火!現地レポート

加藤さん「それで公式カメラマンが必要・・・」

即座にハイハイハイハイと手を上げそうになったが、こんなイカレた花火(褒め言葉)は撮影した事がない。ちゅうちょしているとたたみかけるように加藤さんが内部情報をチラ見せするのである。私の心は決まった。

打ち上げ場所当時の資料。内部情報をもとに撮影候補地や画角を割り出している。

蒲郡応援団としては花火が見えない人も参加できるよう直前の告知を含めてライブ配信をするつもりだった。いや、この時点でそこまで考えていたか怪しいが・・・。もしかすると「今どきみんなやってるから」というノリかもしれない。何を隠そう、私はそうだった。

地元愛と私利私欲がタッグを組む

参加が決まったら加藤さん以外のメンバーと顔合わせを兼ねてオンライン会議。そこで決まったのは、蒲郡応援団がライブ配信の目的や意義、見せる内容を整理すること、私はライブ配信のしくみを構築することだった。

オンライン会議中当時のオンライン会議の様子。右上にメンバーが映っている。

この分担は重要で、企画に入魂できるのはやっぱり相応の想いがある当事者なのだ。オラ花火が見てぇという私利私欲にまみれた個人(=私)では難しい。一方でその気持ちを多忙なメンバーに代わって具現化することは私にもできる。よおし、やってやるぜ!

花火見たい欲に取りつかれている私は、ライブ配信に余計な予算が割かれるのは避けたかった。そこで、私や蒲郡応援団メンバーの所有機材をかき集め、無料アプリを組み合わせ、最低限のお買い物で可能な配信システムを設計したのだが、ひとつだけ凝った事をした。メインスタジオから遠く離れた遠隔カメラの映像をライブ配信にミックスするのだ。しかも画質で妥協したくなかったので独自に中継ツールを作った(ドヤ顔)。

システムの設計図当時の資料。連結する機材の担当者や足りないものを書き出していく(左)。司会者の交渉中だった成瀬さんには音声ミキサー(右)を提供いただいただけでなく、ライブ中の操作まで引き受けていただいた。

だんだん形になってきた!

ライブ配信システムの準備作業では蒲郡応援団の小池さんがメイン担当者に立ち、私は遠く県外からテレワーク(?)した。他にも鈴木さん、菅沼さんといったメンバーにより魂のこもった番組内容の立案、出演者との交渉、事前に用意する動画の撮影が着々と進んでいた。

蒲郡応援団の母体は蒲郡青年会議所で、つまりその主力は地元企業の経営者だ。組織運営のプロであり、フットワークが軽く、何より地元に対する熱量が高い。出演者に蒲郡市長を引っ張り出してきたり、消防署の屋上使用許可をサクッと取ってきたりと、やることがすごいのである。

放送の様子実際のライブ配信中の様子。右から、蒲郡青年会議所の酒井理事長、蒲郡市の鈴木市長、司会の成瀬さん、成瀬さんが操る音声ミキサー。

打ち合わせだけでなく、先に説明した中継ツールのテストもオンラインで実施した。一度も行った事がない現場の眺めが中継ツールで届いたときは興奮した。それをまたYouTubeライブでテスト配信して蒲郡側の人に見てもらい、やりたい事とできる事をすり合わせていった。

中継ツールのテスト自作した中継ツールの実施テストに成功した時の喜びの声。

中継先に配置される人材もスカウトされた。蒲郡青年会議所の伊藤さんと、映像制作会社オレンジボックスの清田さんである。加藤さんから「清田さんは映像のプロです。花火も撮り慣れてます!」と教えられた私の戸惑いがお分かりいただけるだろうか。ガチのプロに入ってもらうにはお恥ずかしいシステムだったが、優しくお付き合いいただいて感謝である。

花火シミュレーション本番は一発勝負のため、テスト撮影した映像から打ち上げ予想図を起こし、当日のカメラ配置を決めていった。

人事を尽くして天命を待った結果

そんなこんなで準備がほぼ整い、あとは天気だけだね!と話していたらまさかの豪雨予報。直前会議の結論は延期。各所の調整もやり直しでお金もかかる。ネット越しにも重苦しさが伝わってきた。打ち上げ花火は雨でも打てる。しかし雲が低く垂れこめてしまうと、そもそもの「みんなに見てもらう」が達成できないというのが決定打になった。

前日の空会議前に送られてきた写真。「天の丸」から遠隔カメラ中継を予定していたが、全く見えない。

延期開催を待っている3週間は、別の主催によるライブ配信や似たような一斉打ち企画もあり落ち着かない日々だった。そして開催当日のもようは既報の通りである。

みんなでやろまい!オール蒲郡花火!現地レポート

肝腎のライブ配信はどうだったか。手前みそながら、大成功とは言わないまでも成功と言っていいのではなかろうか。2カ所用意した中継場所は、なまじロケーションがいいばっかりに密集とは言わないまでもそこそこ人がいたらしく、通信速度が低下。それはまだ想定の範囲内だが、人が集まってもいないメインスタジオの通信までもが途切れ途切れになるトラブルに見舞われた。

それでも後半持ち直し、なんと同時視聴者2966人(!)に花火の様子を伝えられたし、一瞬だったが遠隔カメラの映像もライブに乗ったのである。

YouTubeライブ視聴者数誰にも言ってなかったが私の予想は200人だった。嬉しいやら恐縮するやらである。

遠隔カメラの映像言われなければ気付かないかもしれないが、遠隔カメラの映像がライブで流れた瞬間。

当日のライブ配信はアーカイブで見る事ができる。また、通信不調で途切れた部分を補完し、ドローン映像も追加した確定版(小池さんのディレクターズカット版)もあるのでぜひ見て欲しい。

★アーカイブはこちら

★確定版はこちら

反省と希望

花火は最高だった。加藤さんもこれには満足したようでどこかのTV取材に「倍ぐらい打てばよかった」と答えていた。

ライブ配信の技術面での反省点は多々あり、私の力不足を本当に申し訳なく思う。にもかかわらずギャラまでいただいて蒲郡青年会議所の皆さまには頭が上がらない。ありがとうございました。次はもっと頑張ります!(次ないの?)

野村 景至
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
美しい花火、楽しい花火大会が大好きです。親しみやすく、面白くてよくわかるレポートを心掛けています。

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