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花火屋さんが語る!花火大会の今後と花火を見る方法

花火屋さんが語る!花火大会の今後と花火を見る方法

コロナの夏、花火大会が消失

2020年の夏、花火大会はどこを見ても中止中止のオンパレード。一部で打ち上げのニュースを目にするが、「大会」規模のものは壊滅状態。例えば私の地元、神奈川県横浜市。とくに花火が盛んというわけではないがそれでも例年なら『横浜開港祭』『横浜スパークリングトワイライト』『新横浜花火大会』『金沢まつり花火大会』といった花火大会が何十万人を楽しませてくれるはずが、すべて今年は見る事ができない。

横浜スパークリングトワイライトの花火横浜のベイエリアの花火は多くの人でにぎわう

我々観客としては実に残念だが、それを仕事にしている花火屋さんはそれどころではないはずだ。そこで、この事態をどう受け止めているのかお話を伺うことにした。

『横浜 山田の花火』にインタビュー

今回インタビューに応じていただいたのは『横浜 山田の花火』の山田洋右さん。屋号の通り横浜市に拠点を置く。花火屋さんは一部の大手を除けば基本的には地域密着型の会社が多い。逆に言えばエリアごとに花火屋さんがある程度分かれている。先ほど挙げた横浜市の花火大会は実はすべて山田さんの手によるものだ(一部、他社との協業)。インタビュー当日、静かな横浜スタジアムの脇を通過し、ドアをくぐるとマスク姿の山田さんが笑顔で迎えてくれた。

横浜 山田の花火の様子横浜市南区の「横浜 山田の花火」は関内駅から徒歩12分

花火業界の危機

野村「本日はよろしくお願いします。早速ですが、今年の状況はいかがですか。」

山田さん「お越しいただいてありがとうございます。そもそも2020年はオリンピックイヤーだったので、花火大会のスケジュールも例年と違ったんですよ。」

そうだった。すっかり忘れられているが、今年の花火大会は真夏を避けて5月と秋がピークになるはずだったのだ。

山田さん「それから、オリンピック期間中は火薬の輸送も制限されるかもしれないということで、打ち上げる玉も早めに発注して、今年2月~3月の時点ですでに自社の倉庫に搬入済みでした。そうしたらコロナが広まって打ち上げる場がすべてなくなってしまいました。」

野村「ええっ!仕入れだけ完了ですか!?」

補足すると花火屋さんにはいくつか業態があり、玉の製造と打ち上げを両方やる会社もあれば仕入れた玉を打ち上げる会社もある。『横浜 山田の花火』は後者。この近所に花火工場が建設できる場所は無いだろう。それにしても玉を購入した直後とはなんともやりきれない。

横浜開港祭の花火全国各地の花火屋さんのさまざまなデザインが見られるのはメリットでもある

野村「こちらでは家庭で遊ぶ玩具花火も販売していますね、そちらに変化はありましたか?」

山田さん「お客様の数は増えていますが、全体の売り上げは…。町内会のお祭りなどで大口の発注が例年はあるのですが、そうしたお祭り自体が無くなってしまったので、その影響が大きいですね。ウチは家族経営みたいなものですが、従業員を抱えているところは本当に厳しいと思います。」

どの玩具花火を買うか迷ったら山田さんがコンサルティングしてくれる

花火屋さんの考えるこれからと新しい動き

山田さん「6/1に『Cheer UP!花火プロジェクト』があり、その後いくつか問い合わせがありました。悪疫退散というコンセプトが良かったんだと思います。」

『Cheer UP!花火プロジェクト』とは、全国で一斉に花火を打ち上げるというプロジェクトで、オマツリジャパンでも詳しくレポートされている。山田さんもこのプロジェクトに(自腹で)参加している。だがこれ以降1度も打ち上げていないとのこと。厳しい現実。

野村「そういえばあの日はいつものベイエリアとは違う場所(横浜市旭区の若葉台公園)でした。」

山田さん「プロジェクトの噂は知っていましたが実際に声がかかったのはゴールデンウイーク明けでした。その時点で港湾使用の許認可手続きが間に合わないんです。そこで以前から地域のお祭りでお付き合いのある町内会の方と連絡を取り合ってあの場所に決まりました。」

火薬を爆発させる花火打ち上げ(煙火消費)には行政への手続きが必要だ。加えて港湾地区には関係者が多く、ちょっとやそっとで調整をつけるのは困難とのこと。その点、若葉台公園は地元町内会が住民説明や警備の問題を解決してくれた。ちょっと意外な場所で打ち上がったのはそういうワケだったのだ。

私たちが花火を見る方法

野村「私たちが花火を見る方法って、ありますか?」

山田さん「既存の花火大会については場所も知れ渡っているし、人が集まっちゃいますよね。このご時世では積極営業という雰囲気でもないけれど、新規のシークレット花火のようなニーズがどこかにあれば、いろいろと提案はできます。」

このくらいのサイズ(4号玉)までなら行政手続きも比較的簡素にできる

野村「個人でプライベート花火を上げる方法もあるんですか?」

山田さん「打ち上げ場所の確保がひとつ大きなネックになります。特に都市部はそもそもの広場が少ないし、町内会、自治会が動くと関係者に話が通しやすいというのはあると思います。」

確かに自分が住む町内会の役員連絡先なら私も知っている。まずはそちらに相談すると道が開けるかもしれない。他にも、商業施設が場所を提供してくれれば可能性はあるそうだ。ちなみに、そういう動きはすでにあるのだろうか。山田さんいわく、言ったらシークレットにならないので言えない(笑)とのこと。ただ、スケジュールは空いているからじゃんじゃん連絡してほしいそうだ。

野村「本日はどうもありがとうございました。ああ、花火見たい!」

山田さん「花火、打ちたい!(笑)」

山田さん。とっても親しみやすい方なので打ち上げ企画があればぜひ相談してみてください。

written by
野村 景至

野村 景至

美しい花火、楽しい花火大会が大好きです。親しみやすく、面白くてよくわかるレポートを心掛けています。
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