埼玉県行田市では月の半分ほどの期間、街に花手水を飾る行田「花手水week」を開催しています。可愛らしい花手水がSNSを賑わす人気イベントですが、期間中に一日だけ、ライトアップイベント「希望の光」を開催する特別な夜があります。
今回は、2022年4月2日に開催された「希望の光」のレポートをお届けします!
目次
一夜の「希望の光」が行田の街を優しく照らす
埼玉県行田市で開催されている行田「花手水week」は、毎月1日~14日(1月・11月は15日~末日、8月は休み)に、行田の街なかに花手水を飾るイベント。神社や城址、店舗や住宅の前にたくさんの花手水が飾られます。
その期間中の最初の土曜日の夜に開催されるのが、ライトアップイベント「希望の光」。
街のあちこちの花手水が優しく光ります。花手水には水の中からも光を当てるので、繊細な光と影が浮かび上がり、美しいだけでなくどこか妖しく艶やか。昼間とは全く違った印象に。
でも「希望の光」は、単なる花手水のライトアップだけではないんです。
4月2日の「希望の光」では、行田八幡神社、忍城(おしじょう)址、前玉(さきたま)神社の3つをメイン会場に、多彩なディスプレイで幻想的な光景を創り出していました。
ライトアップのクライマックスはここ!
メインスポットの1つ、行田八幡神社は、秩父鉄道行田市駅から徒歩10分ほどの、厄難封じで知られる神社です。
境内にはいくつもの花手水が飾られています。花手水の美しさはもちろん、お社や燈籠、庭の植栽や苔など、季節ごとの風情も相まって、とても人気のあるスポット。
行田八幡神社を目当てに訪れる人も多いですが、神社の面する八幡通りにも素敵な花手水がたくさん。固定観念にとらわれない個性的なものも見られますよ。
行田八幡神社周辺のライトアップを楽しんだら、忍城址の方に向かってみましょう。行田八幡神社からは徒歩10分ほどです。2つのスポットの間でも、お店や個人宅の前の花手水を楽しめます。
忍城址に続く遊歩道「浮き城の径」も、異世界に迷い込んでしまいそうな雰囲気に!
戦国時代、石田三成による水攻めでも落城しなかったことで知られる忍城は、行田市のシンボル的スポットです。
お堀の向こうの建物は、天守閣ではなく復元された御三階櫓ですが、お堀や柳と相まって独特の風情があります。
忍城址の中に入ってみると…
高麗門の内側には、ずらりと並ぶランタン! 透かし模様が作り出すシルエットが美しく、思わず声が上がります。
庭ではカラフルな和傘のディスプレイ。この日はちょうど桜が満開で、さらに華やかな色を添えてくれました。
庭の池の中にも花手水、その周囲には色鮮やかな和傘がいくつも重ねられ、角度によっては水面にリフレクションも。
城址内には行田市郷土博物館があるのですが、その裏側にも庭があります。そちらに回ってみると…
竹林と芝生を活かしたディスプレイに、思わずため息がもれました。
もう1つのメイン会場・前玉神社は創建以来千年超の歴史を誇る古社。4匹の猫がいて猫御朱印でも知られ、猫好きにも大人気の神社です。
こちらは通常、手水舎の他に小さ目の手水鉢と水鉢の3つの花手水があります。下の写真は小さ目の手水鉢。
花が少な目なのですが、その分ライトに照らされて花が浮き上がっているように見え、なんとも不思議な眺め。
とにかくどこを見ても幻想的で美しく、写真を撮ってSNSにアップせずにはいられない! そんな気持ちになる光景が広がっていました。
そもそも行田「花手水week」とは?
行田市の花手水は行田八幡神社が始まりです。コロナ禍でも参拝に来られる方にせめてものおもてなしを、という気持ちから2020年4月に始められました。
芸術的とさえ言いたくなる美しい花手水が評判となり、多くの人が花手水を楽しみに訪れるようになりました。
そして、神社のみならず、行田の街中でお客様を花手水でおもてなししようと、2020年10月より始まったのが行田「花手水week」です。お店などでは、お店と関連するものや、行田にちなんだものを置いたりと、それぞれ個性的な花手水で見る人を楽しませてくれます。
昼と夜、2つの顔を比べてみると?
そして2021年4月から、ライトアップイベント「希望の光」が始まりました。
では、昼と夜ではどんなふうに違うのでしょう? できるだけ近いアングルで昼と夜の写真を撮ってみたので、見比べてみてください。
毎回凝った花手水が楽しめる、八幡通り「理容 パリーシャン」。
花の彩りがライトで一層引き立ちますね。ライトアップには時間とともに色が変化していくものも多く、見ていて飽きません。
同じく八幡通りの「カネマル酒店」。夜になるとろうそくも灯り、お酒が飾られてお洒落なバーのような雰囲気に。
こちらは行田八幡神社。拝殿前の大きな花手水です。
こちらは前玉神社の手水舎。右手前の猫型はにわ、猫好きの心をくすぐりますね。
そして忍城址の和傘のディスプレイ。
いかがですか?
昼間は華やかで可愛らしく、夜は一気に幽玄で妖艶な印象に。どちらも素敵なので、夕方早めの明るいうちに訪問して、2つの違いを楽しむのがおすすめです。
行田「花手水week 希望の光」開催予定・アクセス
花手水やディスプレイは毎月変わります。月に一度だけの幻想的な夜、ぜひカメラやスマホ片手に訪れてみてください!
■開催予定
行田「花手水week」:8月を除く毎月1日~14日(1月・11月は15日~末日)
「希望の光」2022年の開催日時:5/7・6/4・7/2・9/3・10/1・11/19・12/3、10月~3月は日没~20時、4月~9月は日没~20時30分
※8月は行田「花手水week」「希望の光」ともにお休みです。また、天候等の事情により開催されないことがあります。
■メイン会場へのアクセス
行田八幡神社:秩父鉄道行田市駅から徒歩約10分
忍城址:秩父鉄道行田市駅から徒歩約15分
前玉神社:JR行田駅から市内循環バスにて約25分