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華やかな花笠がずらり!2023年「山形花笠まつり」大パレードの様子をお届け!

2023/8/23
2024/3/5
華やかな花笠がずらり!2023年「山形花笠まつり」大パレードの様子をお届け!

色とりどりの花笠、そして一糸乱れぬ踊りの華やかさ。この印象的な練り歩きは総勢1万人を超える。山形の底力のようなものを感じさせるお祭りだ。

実際に8月6日(日)に現地に伺い、パレードの様子を取材してきた。なぜこのような賑わいあるお祭りが生まれたのかを考えながら、現地の熱狂に浸っていただきたい。

山形花笠まつりとは?

毎年8月6日から8日までの日程で開催される山形花笠まつり。
内容はシンプルで、18:10にパレードがスタートして、さまざまな衣装を身にまとい踊る団体がずらりと並び、21:45まで十日町・本町・七日町通り~文翔館前を歩く。これが3日間行われる。
踊り手数は例年100団体以上、人数にして1万人を超える大規模な祭りである。

華やかな行列が大通りを練り歩く

それでは、8月6日に訪れた実際の現地の様子をお伝えしよう。

18:10に先頭集団の練り歩きが開始!山形駅から徒歩10分ほどの目抜き通りに沿って進んでいった。色とりどりの花笠と衣装、乱れぬ踊りに「ああ、花笠まつりに来たな!」と実感した。

先頭集団は、花笠を手に、オレンジと青色を基調とした華やかな衣装を身にまとい、花笠音頭のリズムに合わせて踊り歩いた。「ヤッショ、マカショ」の囃しことばがとても印象的な花笠音頭。一人一人の踊り手がとても輝いていた。

花笠の後に続くのが、棒を振る男性たち!

華やかな花笠の後ろで、力強い所作も見られた。

その後ろに続くのが、大きな提灯を掲げる青年たち。大きな山形花笠まつりの文字が、このお祭りに来たことを改めて実感させる。

おお、これはなんだ…?三つ目の怖い怪物のようなものが、トラックに乗せられている。
車に乗せられた立て札を見たところ、どうやら平和を招来する象徴の蔵王権現さんのようだ。

そこからは元気な踊り手たちの笑顔、粋な所作が見られて本当に清々しい気持ちになった。夏の暑さも忘れて、花笠の踊りに夢中になっていく。

花笠にはその名前の通り、県の花でもある「紅花」をかたどった花飾りがついている。笠は踊り手たちの必需品だ。笠を3つも持ちながら踊っている踊り手さんもいた。

赤い傘をパッと開いて和服に身を包んだ踊り手たちは、とっても華やかだ。

花笠太鼓の伴奏は非常に力強い!

さあ、ゴールの文翔館が見えてきた。本当に立派な建物だ。「県会議事堂」を修復・利活用している施設で、現在は山形郷土館として、博物館として営業しているようだ。

そして、それに向かう沿道の道にはお客さんがいっぱいだ!ライトアップされたアーチ状の「山形花笠まつり」の文字はどこか違う世界に来たような感覚を覚える。

さあ、最後の直線に、先頭集団がきた!

山形花笠まつりの中でも一番の盛り上がりを見せている、このラストの踊り。堂々と練り歩く姿にはどこか誇らしさや自信が満ち溢れていた。

それに続く人々も、笑顔があふれていた。この場所は遠くまで見渡せるから、山形の人々のお祭り魂のような迫力を強く感じた。

文翔館までの練り歩きは1時間弱。そこまで長い時間ではなかったが、山形花笠まつりの華やかさを十分に感じることができ、東北の中でも有数のお祭りだということを改めて実感した。その様子を思い出しながらも、夜道の帰路に着いた。

山形花笠まつりの歴史

ところで、山形花笠まつりの始まりにはどのような経緯があったのだろうか。時は1963年8月8日、蔵王開山1,250年を記念した「蔵王夏まつり」が開かれる。その行事の1つとして、花笠音頭パレードが行われ花笠がフィナーレを飾る行事となった。

高度経済成長の真っただ中でレジャー産業の振興が重要視され、東北では仙台七夕まつり、秋田竿燈まつり、青森ねぶた祭が東北三大祭りとして先行する中で、多くの観光客を集めることとなった。

当時の花笠は緑色のプラスチックの水切りざるに鈴と紙の造花をつけたものだったため、今より手作り感が色濃かった。それから本物のカヤで作った笠にすべきだという声があがり、現在のような笠になった。花笠音頭パレードも、第3回から単独で行う現在の山形花笠まつりのかたちに発展。認知度も上がり、東北四大祭りの仲間入りを果たしたのだ。

山形花笠まつりの「花笠音頭」とは?

このお祭りで皆が踊る「ヤッショ、マカショ」の囃しことばが印象的な花笠音頭。発祥には諸説あるが、従来から歌われている花笠音頭は明治から大正の頃、山形県村山地方で歌われていた「土突き唄(どんつきうた)」が元になっているという。土突き唄は家を建築する際に、土台を固める作業時などに歌われるもの。

大正8年頃、山形の尾花沢郊外でかんがい用の溜池工事が行われ、全国から労働者が集まってきた。この時、土突き唄に当時流行っていた船方節や八木節がミックスされて、新しく生まれたのが花笠音頭である。現在のように三味線、尺八、太鼓など賑やかな伴奏を取り入れたのは昭和初期以降の話だそうだ。

祭りの背景を考えると、比較的新しい祭りだということがうかがえる。その分、楽しみを取り入れ、新しい発想で工夫しながら進化してきているような躍動感も感じる。これからのこのお祭りの展開も楽しみだ。

山形花笠まつりは、毎年8月5日~7日の3日間開催されているので、ぜひ現地を訪れていただき、祭りの雰囲気を思いっきり感じていただきたい。

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