2022年も暮れようとしています。いいことがあった人もそうでない人も、新年はぜひとも良い年にしたいもの。2023年、開運招福のスタートダッシュを決めるには「初市(はついち)」がおすすめです。バラエティ豊かなお祭りフードや、かわいい縁起物を売る露店が並ぶ初市へと、エネルギーをもらいに出かけましょう。
この記事では北関東のおすすめ初市を三つご紹介します。
「初市」とは?
「初市」とは、その名の通り、新年に初めて開かれる市のことです。一年の無病息災を願って、縁起物を求める人々で賑わいます。
会津若松市・十日町の初市/写真出典:極上の会津プロジェクト
「初市」と呼ばれる祭りは、地域によって開催時期が1〜3月と幅があります。1月に行われるものとしては、毎年20万人近い人が訪れる山形市の初市や、文化遺産に指定されている会津の初市などが有名ですが、全国には他にも面白い名前の初市が開かれています。
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例えば、新潟県十日町市「節季市」、別名「チンコロ市」です。農家の副業で作られた生活用品や民芸品を持ち寄って始めた市場が起源といわれています。「チンコロ」の由来は、犬や十二支をかたどった小さなしんこ(米粉)細工。地域の人々は、豊作や家内安全、安産の願いを込めてチンコロを玄関や居間に飾るそうです。
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福岡県朝倉市の甘木安長寺で例年1月上旬に開催されるのが「甘木バタバタ市」。こちらの初市の名前の由来は、「豆太鼓バタバタ」という玩具。いわゆる「でんでん太鼓」に子どもの顔が描かれていて、疱瘡除けのおまじないのほか、産室に置くと胎児の発育が良くなり、床の間に飾ると家に幸運が訪れるといわれる縁起物です。
全国に面白い初市はありますが、北関東一帯にも新春の寒さを吹き飛ばす熱い初市がたくさん開かれています。
◎群馬 いせさき初市!「福まん神事」!
群馬県伊勢崎市では毎年鏡開きの日である1月11日にいせさき初市が開催されています。会場となる伊勢崎市の本町通りには、家内安全や商売繁盛などを祈願しただるまの露店など、100店舗ほど立ち並びます。
いせさき初市は、だるまの一大産地である群馬県の初市なので、高崎だるまを売る店がたくさん並ぶのも特徴です。そしてもう一つの目玉が、伊勢崎神社で行われる「上州焼き饅祭」!直径55センチの群馬名産「焼きまんじゅう」を焼き上げます。焼き上がったまんじゅうは、「福わけ」として参拝客に振る舞われます。
2023(令和5)年は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、新春演奏、猿まわし、新春みこし出初めのイベントは中止となりますが、例年通り1月11日(水)に開催されます。「上州焼き饅祭」については2023年は残念ながら中止が決まっています。
◎群馬 前橋初市祭り!大迫力「だるまのお焚き上げ」!
同じく群馬の県都・前橋市では、400年もの歴史をもつ「前橋初市まつり」が、毎年1月9日に開かれています。お祭り熱の高い前橋市が誇る、「七夕まつり」「前橋まつり」と並ぶ、前橋三大まつりの一つです。
祭りの中心となる前橋八幡宮では、お焚き上げが行われます。こちらもだるまの産地らしく前橋市中から前年のだるまが集められ、お祓いの後に焚き上げられます。
神輿渡御が行われるのも見所。だるま市や露店の間をお神輿が練り歩きます。
前橋初市まつり/写真出典:ググっとぐんま写真館
2023(令和5)年は通常開催予定で、1月9日(月・祝)に開催されます。
◎埼玉 熊谷初市祭!星川の端をだるまが埋め尽くす
埼玉県北部の熊谷市では、毎年1月の第3日曜日に「熊谷初市祭」が行われます。江戸時代、宿場町であった熊谷の繁栄を願ったものとして始まった祭ですが、地元では星川だるま市とも呼ばれています。
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会場となる星川お祭り広場では、午前中から神事が行われるほか、周辺にはたくさんのだるま露店が並びます。
2023(令和5)年は1月15日(日)10時から16時まで開催予定です。