富山・井波の祭り
富山県南砺市で砺波平野の南端に位置する井波地区。南北朝時代の1390年に建立された、瑞泉寺の門前町として発展してきた土地です。また井波は古くから木彫りの里として知られ、ノミと彫刻刀で作られる見事な木彫りは”井波彫刻”と呼ばれ伝統が受け継がれてきています。
この井波を舞台に毎年5月3日に開催されているお祭りがあります。「よいやさ祭り」です!
よいやさ祭りは井波八幡宮の春季大祭として開催されているお祭りで、1833年(天保4年)に当時の井波の方々が商売繁盛と家内安全を祈念し神輿渡御がはじまりました。お祭り当日は門前町を勇壮に練り歩くお神輿の姿や獅子舞を楽しめ、見る者は惹きつけられます!
また今年は、4年ぶりに女性だけで担ぐ”華みこし“も出るとのこと。それではここからは、今年のよいやさ祭りの様子をお伝えしていきます!
神輿行列が門前町を進む
5月3日の朝9時からお神輿で渡御をスタートしたよいやさ祭り。その祭り名にもなっている「よいやさ!」の掛け声が井波の街中に響き渡っています。よいやさ祭りのお神輿は大の輿3基と子の輿3基の計6基があり、今年は5基が練り歩いていました。そのお神輿行列の先頭を行くのがこちら。猿田彦の面や四神(青龍、朱雀、白虎、玄武)を乗せた飾り、各町の笠鉾等が進みます。
お神輿もやってきました!こちらは四角形の壱ノ輿です。1831年(天保2年)の建造と伝わり、重厚感があります。
威風堂々とした佇まい!かなり重量もありそうです。
続いては、4年ぶりに復活した女性だけで担ぐ”華みこし”。華やかに、そして威勢良く渡御しています!
井波よいやさ祭り名物、女性だけで担ぐ華みこしが4年ぶりに渡御してます!気合いが入っていていいですね!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/wmGK9wfT44
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) May 3, 2023
子ども達で担ぐ華みこしもありました!
壱ノ輿に続いて進んでいく場面も。子ども達ならではの活気があり、場が華やぎます!
男の子だけで担ぐ子ども神輿もありますよ!
子ども神輿が連なり家々の間を進んでいきます。
お神輿同士が交差するような地点も!
壱ノ輿はこれだけたくさんの人で担いでいますが、やはりどっしりしています。
後方からは弐ノ輿がやってきました!こちらの姿は八角形。建造年は1841年(天保12年)になります。
弐ノ輿もかなりの大きさですね!
村落をよいやさの声と共に進むお神輿。絵になります!
八日町通りでは何度も勇壮に
瑞泉寺門前に真っ直ぐと伸びる八日町通り。木彫りのお店が立ち並ぶこの通りへお神輿が入ってきました!
八日町通りの中腹にある御旅所を目指して歩みを進めていきます。
この時の渡御の仕方がすごいんです!八日町通りは結構な急坂なのですが、御旅所と瑞泉寺門前との間を何度も行ったり来たりするのです。
100m以上あるこの順路。その様子を見る沿道の方々からは、切り返しの度に拍手が起こっていました。
井波八幡宮の大神輿が、よいやさの声と共に渡御しています。井波よいやさ祭りの由来は、掛け声だったのですね!
大きくて重そうなお神輿。御旅所へ到着する前には、急坂の八日町通りを上へ下へ何度も行ったり来たりでものすごいです!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/eiIcxPvOxy— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) May 3, 2023
弐ノ輿も続きます!
上って下っての繰り返し。これは迫力がありますね!
無事、御旅所に到着したお神輿。右側には、今年は御旅所でお留守番となっていた参ノ輿も並びます。こちらは六角形なんですよ!3基全て形状が違うというのはユニークですね。
横には「子の輿」2基と「華の輿(華みこし)」も並びます。一足先にお供えがされていました。井波の地酒「若駒」も添えられます。
もう日も暮れかかり、夕日が差し込むようになってきたこの時間。御旅所での神事が執り行われます。
祝詞が読まれ、お祓い等がされていきました。
ここで中入りとなりましたが、よいやさ祭りはまだまだ続きます。この後は街中をもう少し渡御し、井波八幡宮での宮入へと向かっていく流れです。
獅子舞が露払い
お神輿と合わせてよいやさ祭りの魅力の一つとして知られるのが、獅子舞。お神輿の渡御に先行し、各所を露払いしている存在です。
井波の獅子舞は、軽やかなお囃子に合わせて飛び跳ねるのが特徴的。地元の小学生が務める童子との相性も抜群です!
童子二人と掛け合う瞬間もありました!
井波よいやさ祭りの獅子舞がすごすぎ!カラフルな獅子の佇まいもさることながら、童子の舞との相性が抜群です!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/GBeK08oIrg
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) May 3, 2023
また女子児童による日舞の披露も行われるんです!
今年は4名が日舞を披露し、屋体上で華やかな舞を見せてくれました。
屋体は随時移動し、各所で演舞が行われておりました。
周辺情報・アクセス
井波彫刻の凄さを体感できる場所は、やはり瑞泉寺です。1785年(天明5年)に建造がはじまった山門には、その技が至る所に散りばめられています。ぜひお祭りと合わせて見てみてください。
また木彫りの町井波の威勢は、旧井波駅舎からも感じられます。かつての井波の玄関口を飾っていた、国の登録有形文化財にも指定されている木造建築です。
お祭りの後は、地元の味も楽しみたいですよね。そんな時は八日町通りにある若駒酒造馬がおすすめです!地酒を購入して帰ることができますよ。
■井波へのアクセス
高岡駅、新高岡駅、砺波駅、福野駅、福光駅、城端駅、また県外からは金沢駅より直通の路線バスが出ています。発地に合わせてバス会社情報等を調べてみてください。