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和菓子が厄除けにもなる!?「和菓子の日」は特別な菓子をいただこう

2023/6/16
2023/6/14
和菓子が厄除けにもなる!?「和菓子の日」は特別な菓子をいただこう

日本古来の菓子である和菓子はお好きですか?
6月16日は和菓子の日です。平安時代から6月16日には、和菓子を食べて疾病をはらう嘉祥という行事があるのです。

この記事では和菓子の日や嘉祥、和菓子の日限定のお菓子についてもご紹介します。

和菓子の日に深くかかわる「嘉祥」とは?

嘉祥とは元々は元号の名前です。今から1200年以上も前、848年にまで話はさかのぼります。第54代天皇である仁明天皇がご神託を受けられ、1や6にまつわるお菓子を6月16日にお供えしました。その際に疾病をはらうご祈祷をされ、その年に元号が承和から嘉祥に変更され、6月16日に和菓子を食べると健康になる「嘉祥」が行われるようになったのです。

和菓子の日とは?嘉祥の歴史について

鎌倉時代、6月16日に宋の嘉定銭16文で食べ物を買いお供えをしていたという記録が、室町時代には嘉祥の日に公家たちが食べ物を贈りあうこともあったようです。また、江戸時代には大名や旗本に菓子が贈られることを「嘉祥頂戴」と呼び、重要なイベントとされていたという絵も描かれています。

しかし、明治に入ると嘉祥のイベントは自然と消滅していきました。ところが昭和に設立された全国和菓子協会が6月16日を和菓子の日に制定。令和になった現在も、6月16日には和菓子を食べて健康を願おうとする試みがなされています。

和菓子の日の由来は「山王祭」にあった

赤坂日枝神社で6月16日に開催される、江戸三大祭りの一つである山王祭。山王祭では山王嘉祥祭として嘉祥を行います。


山王嘉祥祭は、江戸幕府の重要な催しのひとつでしたが、明治以降途絶えていました。この山王嘉祥祭を神社の主要な祭りとして、赤坂日枝神社が昭和54年6月16日に復活させました。この時期は全国和菓子協会が6月16日を和菓子の日とした時期と同じです。6月16日が和菓子の日と制定された背景には、山王嘉祥祭があり、この和菓子のお祭りが根拠となっているのです。

お祭りの日は、東京和菓子協会の職人が手作りした和菓子を神に献上することで、「疫難退散」と「健康招福」を祈ります。その後、お菓子を贈る過去の嘉祥に倣って、見学者には和菓子がふるまわれることもあるそうです。

見つけた!老舗和菓子屋の「和菓子の日」限定お菓子3選

和菓子の日には、それにあやかって時期限定のお菓子を出す和菓子屋もあります。その名のとおり「嘉祥」と名がついたものから、6月限定のお菓子まで、その種類は多彩です。ここからは嘉祥にちなんだお菓子を3つ紹介します。

1+6で7つのお菓子「嘉祥菓子」


16日の1と6を足した7にかけて、7つのお菓子を嘉祥菓子として販売するお店があります。和菓子の内容に決まりはなく、各店特有の和菓子を7つ売り出します。16の名を冠した一六本舗でも嘉祥菓子を販売。6月16日の一日限定で上生菓子が売り出されます。

老舗のとらやで販売「嘉祥饅頭」

とらや 和菓子

とらやでは嘉祥饅頭という3色のおまんじゅうを和菓子の日より少し前から販売します。おまんじゅうはつくね芋を使った黄色の薯蕷饅頭、小麦粉生地で小倉案を包んだ紅色の新饅、そして白下糖入の生地を使った茶色の利休饅の3種です。ほかにも「嘉祥蒸羊羹」や7つの「嘉祥菓子」なども6月から販売。2023年は6月10日に販売を開始します。

6月限定のお菓子「水無月」


和菓子の日限定ではありませんが、6月限定のお菓子に水無月があります。一年の折り返しである6月30日に、今後半年の無病息災を祈る「夏越の祓」という行事が行われます。その際に食べるのが水無月なのです。水無月は外郎の生地に小豆を乗せたお菓子で、昔まだ氷が一般に出回っていないとき、平民が氷を模して水無月を作り、暑気払いをしたといわれています。

まとめ

この記事では古来より伝わる和菓子の行事「嘉祥」と、それを由来とした和菓子の日について紹介しました。今年の夏は山王祭に赴いたり、和菓子を贈ったり食べたりして、健康を祈願してみるのはいかがでしょうか。

この機会にぜひおいしい和菓子に親しんでみてください。

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