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「御田植祭」全国で行われる豊作神事|観光経済新聞

2021/12/13
2022/1/28
「御田植祭」全国で行われる豊作神事|観光経済新聞

2019年からスタートした、観光経済新聞のオマツリジャパンコラム記事連載!2021年も「お祭り」をフックに、旅に出たくなる記事の連載をして参ります!奇祭好き、ケンカ祭り好き、お神輿好き…等、様々なライターさんに記事を執筆いただく予定ですので、ぜひご覧ください♪(オマツリジャパン編集部)

全国で行われる豊作神事

毎年、全国各地で、田植えの時期(5~6月)に行われる「御田植祭」がある。今回は広島県、岡山県、島根県とそれぞれ見てきた、御田植祭を紹介したい。

御田植祭の一番の見どころは、田植えをする女性「早乙女」さんと、その周囲で太鼓を叩いて盛り上げる男性「さげ」たちとの田植作業だ。

5月の第2日曜日に広島県北広島町大朝で行われる「新庄のはやし田」が祭り巡りのスタートとなる。

山間部の新緑まぶしい中、田植歌が響き渡り、代掻(しろかき)を花装束で着飾った黒毛の牛たちが、時折大きな声で鳴き、「サンバイ」と呼ばれる男たちが太鼓を叩く。バチを回転させ、身体を大きくくねらせながら踊り打ちをする姿、そして早乙女たちの所作を見ているとタイムスリップをしたかのような気分になり、心の底にある懐かしさを呼び起こしてくれる。

中国地方の御田植祭は、西部の「花田植」と東部の「供養田植」に分類され、ルーツもそれぞれ異なる。4年ごとに行われるものもあれば、5月第4日曜日に島根県雲南市掛合町入間の御田植祭は、早乙女さん体験ができたり、収穫米の予約ができたりする場所もある。数カ所ある御田植祭を巡り、異なるルーツを体感するのが面白い。

6月第1日曜日には、中国地方で一番大きい「壬生の花田植」がある。大太鼓、小太鼓、笛、手打鉦(かね)による囃(はや)し、田植歌、飾り牛の数どれをとっても中国地方一番、これを見れば御田植祭の全てが分かるお祭りだ。

6月第2日曜日に岡山県後楽園で行われる「太鼓田植」は、午前と午後で違う地域のお田植祭を見ることができ、早乙女さんたちの衣装を見比べるのも楽しい。

小さな御田植祭や、地域の新しい御田植祭など、いろいろ巡って印象に残るのが、休憩時に見に来た人たちにふるまってくれる「おむすび」のおいしいこと。御田植祭は、笑い声や笑顔であふれる幸せいっぱいのお祭りだ。このような幸せをもらえる祭りの再開が待ち遠しい。

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