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「 徳川家光お手植えの桜」が今も元気に育つ川越大師喜多院
全国各地に春の訪れを知らせる桜の中には、歴史的な人物が植えたと伝わる樹もあります。埼玉県川越市の川越大師喜多院には江戸幕府第3代将軍の徳川家光が手植えした桜が今でも元気に育っています。寺院の境内も桜が取り囲み、例年3月下旬から4月上旬かけて季節の彩りで包まれます。2019年は3月29日(金)前後が見頃となりましたが、2021年は気候の影響から3月の4週目から月末が見頃となりそうです。
喜多院の客殿に残る家光誕生の間、春日局化粧の間
喜多院は平安時代の初期の830年に、淳和天皇の命によって慈覚大師円仁が天台宗を東国に広めるために、無量寿寺として開創したと伝わります。時を経て江戸時代には徳川家康が訪れ、第27世の法灯となっていた天海僧正と接見しています。1638年1月に発生した川越大火によって当時の堂宇は山門を除き全て焼失しました。そこで第3代将軍徳川家光がすぐに復興にかかり、江戸城紅葉山の別殿を移築して、客殿、書院としました。現在でも客殿には、家光誕生の間、春日局化粧の間が残され大切に保存されています。
細長い枝が薄紅色の花で覆われる「徳川家光お手植えの桜」
喜多院の客殿には紅葉山庭園が整備されています。庭園の一画には、「徳川家光お手植えの桜」が残されています。現在見ることができる枝垂れ桜は2代目ですが、2019年は3月29日には細長い枝が薄紅色の花で覆われていました。この枝垂れ桜はソメイヨシノより数日早く開花します。
堂宇の隙間を埋める約100本のソメイヨシノ
「徳川家光お手植えの桜」からは季節感とともに歴史感が漂いますが、平安時代に開創された寺院の境内にも早春の彩りが広がります。堂宇の隙間を埋めるかのように約100本のソメイヨシノが植栽されています。
数々の堂宇を構える境内は例年、桜の花の見頃時期には露店も並び、レジャーシートを敷いて花見を楽しむ人々で溢れます。
埼玉県川越市の喜多院には徳川家光が、江戸城紅葉山の別殿を移築し、客殿、書院としました。客殿を囲む紅葉山庭園の一画には、「徳川家光お手植えの桜」が今でも元気に育っています。例年3月下旬から4月上旬には薄紅色の花を咲かせます。境内にも約100本のソメイヨシノが植栽され、数々の堂宇を装飾します。