朱色の風船がぶら下がったような姿になる夏の「ほおづき」
ほおづきは果実が実ると、萼が朱色の風船がぶら下がったような姿となります。東京の浅草寺で江戸時代から四万六千日に行われてきた「ほおずき市」は、薬として売られたことに始まると伝わります。千葉市花見川区に社殿を構える検見川神社でも例年、夏の風物詩として「ほおづき市」が開催されています。2020年は新型コロナ感染拡大防止のため規模は縮小されましたが、8月1日~3日の境内は「ほおづき」で彩られました。
果実を包む萼が赤色のちょうちんがぶら下がる「ほおづき」
検見川神社の側道に建てられた「検見川神社ほおづき市」の幟
検見川神社の鳥居
検見川神社鳥居の下の「検見川神社ほおづき市」の開催案内
平安時代に全国的に流行した疫病を鎮めるために建立された検見川神社
検見川神社は、869年に全国的に流行した疫病を鎮めるため、素盞嗚尊(すさのおのみこと)を祀ったことに始まると伝えられています。現在では、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)とともに、三柱の神としています。
検見川神社の本殿
検見川神社の境内
朱色の風船で囲まれる本殿や狛犬
「検見川神社ほおづき市」の開催日には、本殿の左右を「ほおづき」の鉢植えが埋め尽くします。真夏の猛暑に包まれる本殿に、涼しさと安らぎを送り届けているかのようです。
左右を「ほおづき」の鉢植えが埋め尽くす本殿
本殿の左右に並ぶ「ほおづき」
本殿の左右に並ぶ「ほおづき」
本殿の前に座る狛犬も、朱色の化粧をつけます。検見川神社の狛犬は子どもを連れていることが特徴的です。
本殿の前で朱色の化粧をつける狛犬
子どもを連れていることが特徴的な検見川神社の狛犬
狛犬の視線の先に建つ授与所も「ほおづき」の朱色で包まれます。
「ほおづき」の朱色で包まれる検見川神社の授与所
ご利益が期待できる検見川神社の授与品
神社の授与所に並ぶ「ちまき守り」には、「蘇民将来之子孫也」と記した護符がついており、門口または玄関にかけて一年の疫病、災難除の印とします。検見川神社は八方除、鬼門除、方位除、厄除の守護神を祀っており、「八方除方位門戸木札」も販売されています。他にもカラフルな朱印帳にも目を引かれます。
検見川神社の「ちまき守り」
検見川神社の「八方除方位門戸木札」
検見川神社で販売されるカラフルな朱印帳
境内の一画で営業する「うたせ茶屋」でも、ほおづき鉢が販売されるばかりでなく、抹茶、甘酒、かき氷、軽食を味わうことができます。
検見川神社境内の「うたせ茶屋」
「うたせ茶屋」でも販売されるほおづき鉢
千葉市花見川区の検見川神社では例年、8月上旬に「ほおづき市」が開催されています。本殿や狛犬が朱色の風船で囲まれ、猛暑の中でも涼しさや安らぎを感じることができます。