GWに新調お披露目があると聞いて
2020年、2021年と2年連続で中止となっている新居浜太鼓祭り。新居浜に住む人々の心から太鼓の音が遠のいてはや2年半が経とうとしています。
水面下で進められていた太鼓台の新調お披露目も全て延期に。未だに自粛ムードが漂うこの世の中で、本祭の開催も含め各太鼓台運営部・委員会の皆さんは難しい舵取りを行なっているようです。
そんな中、ふるさと祭り東京2020でも大活躍だった岸之下太鼓台がついに新調お披露目の準備を始めたということで取材に行ってきました!
#ふるさと祭り東京2020 夜の演技は今回がラストですが、明日の12時より最後の出演!#新居浜太鼓祭り をお見逃しなく!動画は岸之下太鼓台による「爆走☆岸之下」からの差し上げ! pic.twitter.com/3Iwuk0VNtD
— オマツリジャパン (@omatsurijapan) January 12, 2020
準備の様子
2022年4月某日、この日は指揮と太鼓の練習が行われていました。
ふるさと祭り東京2020出場前に取材に伺った2年前とは顔ぶれが少し変わった様子。しかし皆さんの眼差しにはコロナ禍以前と変わらぬものがありました。
当然太鼓台の全貌は新調お披露目までトップシークレット。そんな中筆者が目にすることができたのは新しくなったこの太鼓です。
新居浜の太鼓台の中にはだいたい打面の直径2尺(約60cm)以上の太鼓が納められています。市民の感覚的には2尺3寸(69cm)あたりから「大きい」と言われる太鼓ですが、胴の長さや形状、また太鼓を納めている台場のサイズが太鼓台ごとに違うので、よほどの太鼓台好きでない限りその違いを見極めるのは難しいです。
が!!!新しい岸之下太鼓台の太鼓、明らかに大きい。
聞いてみるとなんと2尺5寸(約75cm)もあるんだとか。今の時期、夜に太鼓をドンドン叩いているのは岸之下だけだと思うのですが次の日、船木地区(岸之下自治会館から東へおよそ8km)に住んでいる友人が「太鼓の音が聴こえた」と言っていました。恐るべし・・・
練習は19時半から21時まで休むことなく続けられ、まだ冷たい夜風が吹く中、皆さん汗をかきながら一生懸命に取り組んでいました。
岸之下の皆さんにインタビュー!
この日の練習終了後、新調お披露目を控えた岸之下の皆さんにお話を伺うことができました!
地域の反応・声
新調は7年前から計画が進められていました。ふるさと祭り東京2020でも紹介されていましたが、本来は2020年に新調を予定していたとのこと。新型コロナウイルス感染拡大の影響をもろに受ける形となってしまいましたが、ついに新調お披露目式典を執り行う運びとなりました。
話が出た当初は既存の太鼓台を補修する計画もあったそうですが、補修にも多額の費用がかかるため「それならば!」と新調に向け舵を切ったそうです。
地域の方からも多くの理解を得ることができ、岸之下自治会340世帯の協力のもと新調に漕ぎ着けました。
新調の苦労話
今回の新調計画で「飾り幕の構成」を決めるのには大変苦労したそうです。これまで新居浜の太鼓台の飾り幕は日本や中国の歴史・伝説、著名な人物・建造物をなぞらえたものが多かったのですが、近年は地域にまつわる歴史や言い伝えをモチーフにしたものが増えてきています。
先代や先々代の図柄を踏襲したいという意見も多くあった中、若い人たちの「地域の歴史を飾り幕に取り入れたい」という意見が汲まれ、製作会社である金鱗の提案を自治会内で揉みに揉んで構成を決めていったそうです。
岸之下の自治会員でもある金鱗の合田さんには大変手をかけていただいたということで、新調委員会の委員長である近藤さんは「お披露目が待ち遠しい」とおっしゃっていました。
新岸之下太鼓台が目指すもの
新しい岸之下太鼓台が目指すのは「若い人が新居浜に残って守っていきたい」そして「年配の方が歩けなくなるまで舁きたい」と思える太鼓台だそうです。地域の象徴として、そして地元を離れた人との年に一度の集いの場として次の世代に引き継いでいきたいと皆さんおっしゃっていました。
ちなみに先代太鼓台の新たな旅先もすでに決まっているとのこと。一式での売却が予定されているそうなので、秋空を華麗に舞う先代岸之下太鼓台が大好きだった方もひと安心です!
お披露目式典の予定
新調お披露目式典は2022年5月5日(木)開催予定!
式典では新しい太鼓台はもちろん、先代・先々代太鼓台の展示、子供太鼓台の展示も行われるそうです。詳細は青年部の公式アカウントで随時発信されているので「足を運んでみよう」と考えている方はチェックしてみましょう!
青年部長のイチオシポイント
青年部長の伊藤裕貴さんイチオシのポイントは「自治会員の想いが詰まった差し鱗」だそうです。
なんでも龍の差し鱗の裏側に自治会員の皆さんが直筆で名前や想いを記しているとのこと。地域の皆さんの太鼓台への想い入れがより一層強くなりそうな取り組みです。
また新しい岸之下太鼓台は飾り幕の縫い糸に本金糸を使用しているんだとか。春の日差しに照らされて輝く姿を早く見てみたいですね!
これからの新調ラッシュも楽しみ!
この2年お祭りができなかった分、今年は延期されていたお披露目や各太鼓台の周年記念行事がたくさんあるといいな・・・岸之下太鼓台の新調お披露目をきっかけに新居浜市の新型コロナウイルスに対する空気感がガラッと変わってくれればと願う筆者なのでした。
岸之下自治会の皆さん、準備でお忙しい中取材に応じていただきありがとうございました!