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高台寺「時雨亭」珍しい二階建ての茶室!特別茶席をレポート

2021/8/13
2021/8/13
高台寺「時雨亭」珍しい二階建ての茶室!特別茶席をレポート

臨済宗建仁寺派 鷲峰山 高台寺

京都祇園で有名な東山エリアに佇む高台寺。高台寺は豊臣秀吉の菩提を弔うため、秀吉公の正室「北政所(きたのまんどころ・ねね様)」が慶長11年(1606)に開創したお寺です。

北政所ねね様四百年遠忌記念事業

2024年は北政所ねね様没後400年。その四百年遠忌を記念して4年間にわたり、フォトコンテストなど色々なイベントが開催されます。

今回、この記事で紹介する時雨亭の茶席も「北政所ねね様四百年遠忌事業」の一環で、初めて「時雨亭」で茶席が行われました。

重要文化財建築物「時雨亭」

高台の上に珍しい二階建ての建物が見えてきます。この茶室「時雨亭(しぐれてい)」は桃山時代に伏見城に建設され、高台寺創建の際にねね様のご意向により移築されました。

一階は水屋。茶席の予約時間までは待合室として中に入れます。普段、この中には入れないので、こんな風にしっかり撮影するのもはじめて。特別感満載でワクワクします。

一度も一般に茶席として公開したことがない二階建ての茶室…。一段一段、ゆっくりと階段をのぼります。

待望の二階の茶席は小上がり席になっており、さらに少し高いお座席にそっと移動。
桃山時代からの建物…と思うと、おのずと足取りも慎重になります。

大きく開いた窓の向こうに見えるのは霊山観音の後ろ姿。
ねね様がいらっしゃったころには大阪城も見えたという景色が目の前に広がります。

席につくと「大名気分でどうぞ」と、高台寺蒔絵の高台に乗ったお菓子が運ばれてきました。
瓢箪の形というのが太閤秀吉らしい。

本来、この数寄屋造りの茶室は中で湯を沸かし、火を焚くことで屋根がいぶされて虫が出ません。しかし現在は重要文化財に指定された建物のため、火を使うことはできない。

そのため、目の前でお茶をたてず、「点出し(たてだし)」という水屋でたてたお茶をいただきます。

茶席には花が生けられ、火は使えなくてもせめて、しつらえだけでも…という心意気が随所に見られます。

普段であれば高台寺は大勢の参拝者が来る大きなお寺。
ぐっと人数を制限される時雨亭でのお茶席は、普段はできません。
緊急事態宣言ならではの人数が少ないときにしかできない特別なお茶席。
大工さんが掃除したというお席はとても居心地の良い空間でした。

重要文化財 傘亭

時雨亭の隣には「傘亭」。唐傘を開いたような屋根の形からその名がついています。

時雨亭と傘亭は伏見城からの移築後に茶人であり作庭家の小堀遠州が高土間廊下で繋げました。

もともと傘亭が伏見城にあったときは、豊臣秀吉が船遊びをする際に使った建物。そのため入口は「舟入口」という名前が残っています。

中を見ると立派な作りの天井。
傘亭の化粧屋根裏の骨組みは、扇垂木状に丸太と竹が組まれています。

おくどさんには優しい光が差し込んでいる。
普段は外からしか見られない、室内を見ることができました。

夏の高台寺「百鬼夜行展」と夜間特別拝観

高台寺では夏になると百鬼夜行展(年度により内容に変更あり)が開催。
新旧2本の百鬼夜行絵巻や河鍋暁斎の地獄太夫の掛軸がみどころです。
また夏の夜間特別拝観ではライトアップが行われます。

ねねの道や境内にもオバケの絵が入ったユーモラスな提灯があちこちに飾られます。

高台寺の特別茶席まとめ

1月上旬~3月上旬 金・土・日開催「夜咄の茶会
年間を通して趣のあるお茶会が行われます。初心者でも大丈夫。気軽に参加できるお茶会です。

6月1日〜7日の毎日一席のみ(一席:1〜3名、要予約) 遺芳庵朝茶席
吉野太夫ゆかりの丸窓がみどころの一畳台目向板・向切逆勝手という小さなお茶席です。

七夕茶会 7月上旬 短冊所願祈祷つき。

浴衣茶会 8月1日〜15日の金・土・日開催

10月6日 北政所茶会
舞妓さんより稀少!嶋原太夫のお点前と太夫道中
高台寺の四つの茶席を巡るお茶会です。

季節にかかわらず「雲居庵(うんごあん・うんごうあん)」でお茶をいただくこともできます。(雲居庵は高台寺ができる以前に「雲居寺」というお寺がありましたので、そのお名前を継承しているようです。)

Kodaiji 臨済宗 建仁寺派 鷲峰山 高台寺

バス「祇園・東山安井」下車 徒歩7分
京都市東山区高台寺下河原町526番地 map
075-561-9966
拝観時間:9:00~17:00 受付終了 17:30 閉門 ライトアップは日没~21:30まで
URL:高台寺
拝観料:600円

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