こんにちは!「和」をテーマに世界47ヵ国を旅した結果、今では四六時中どこへ行くにも私服が“法被”、カバンが“風呂桶と提灯”になった和製宮川大輔こと桶の旅人です。
今回ご紹介するのは埼玉の城下町こと川越で開催された小江戸川越まつり。「あれ?川越まつりってたしか毎年10月の第3土曜・日曜に行われる秋の名物じゃないの?!」…そう思ったそこのあなた!実は違うんです。今回は、この時期だからこそ楽しめる“もうひとつの小江戸川越まつり”を徹底レポートしてきます。
江戸の妙技!『梯子乗り』
小江戸川越に春を告げる「小江戸川越春まつり」。期間中(3月30日~5月5日) は様々な催しが市内各地で行われます。お祭り初日の今日はオープニングイベントということで町のいたるところで楽しげなムードが漂っています。
すると早速、蔵造りの街並みを歩く粋な集団を発見。
桶(筆者);「お忙しいところすいません!この粋な団体はもしかして…“参勤交代”か何かでしょうか ?」
粋なお兄さん;「これは『梯子乗り』と言って川越の鳶職人による伝統和芸のひとつさ。」
桶;「はしご乗り?!」
粋なお兄さん;「そう、まあ口で言うより実際に見てもらった方が早い。丁度これから始まるから兄ちゃんも俺達についてきな!」
桶;「は、はい…!!」
粋なお兄さん;「いいか、この大きな竹のはしごを鳶口(カギの付いた道具)で皆で支えて… 」
粋なお兄さん;「そして一気に…登る!!!」
桶;「おお!!!!!」
実はこの川越鳶組合による梯子乗り、平成28年度の『埼玉伝統芸能フェスティバル』でも披露されたもので、水を得た魚のごとくスイスイはしごを登っていく職人さんの姿はまさに圧巻の一言に尽きました。粋なお兄さんの筋肉を後で試しに見せてもらったのですが、体幹だけでいえばあれは完全にインテルの長友選手です。
大迫力!火縄銃立ち放し実演
さて、川越の長友に別れを告げて小江戸の街を進んでいるとまたも怪しげな大行列を発見。みんな鎧を纏って旗や刀、そしてホラ貝まで持ち歩いている者までいます。今度こそ参勤交代に違いない。
桶;「すいません!皆さんはこれから江戸城に向かわれるのですよね??」
鎧武者A;「者共 !下がらぬか!!」
桶;「?!?!」
鎧武者B;「…放て!!」「パーン!!!」
…そうです。これは川越藩火縄銃鉄砲隊による火縄銃の立ち放しの実演だったのです。
空砲とはいえ、本物の火縄銃を用いた演武は大迫力。戦のど真ん中に突如として迷い込んでしまったような感覚すら覚えます。甲冑姿の鎧武者と鉄砲隊の一糸乱れぬ行進。そして蔵の街に轟く鉄砲の音と火薬の匂いにはお祭りワンちゃんもびっくりです。
江戸の町へとタイムスリップ!
まだまだ小江戸川越のサプライズは続きます。戦場の次はなんと、、、
江戸時代!!!!!
これは今年で4回目となる小江戸川越の恒例行事『江戸の日』というもの。
川越一番街商店街の一帯各店から計100人がこの日だけはちょんまげや着物姿で江戸の町人になりきり一丸となって町を盛り上げます。『水戸黄門』と『必殺仕事人』でしか見たことのない城下町の小粋な世界に筆者のテンションも最高潮に。
この江戸の町人たち、見た目は勿論のことそのホスピタリティまでまさしく“江戸っ子” なんです!
子供たちにカルタを通して蔵造りの町の歴史を楽しく教えてあげたり
お祭りの食べ歩きで出たゴミを二宮金次郎styleで回収してあげたり
川越名物のホクホクな焼き芋、「紅赤芋」を食べさせてくれたり
ほんとに出会うものこと全てがかつて教科書で見てきた江戸の町そのもので、そのあまりのクオリティの高さに今が令和時代だということを忘れてしまう程でした。
それもそのはず。町人をつとめる皆さんはただ仮装しているだけではなく実際に時代劇俳優として活動されている方の教えを受け、この日のために立ち振る舞いから言葉遣いまで猛特訓したのだとか。その徹底したプロ意識はまさに現代の必殺仕事人そのものでした。
まとめ・見どころ満開!小江戸川越春まつり🌸
そんなこんなで終わりを迎えた川越春まつり初日。今回紹介したもの以外にも、お寺で茶室が開かれていたり、川越消防隊の方々によるオーケストラ演奏が行われていたりと、ここでは書ききれないくらいの見どころがギュッと溢れたオープニングセレモニーでした。
今回のお祭りを通して個人的に強く感じたのは、この川越の人たちは『自分たちが楽しむための祭り』ではなくて『みんなを楽しませるための祭り』を心がけているということ。そしてそれが結果的として自分たちの喜びへと繋がっていく、そんな風に筆者には映って見えました。
「この川越春まつりには、人生の本質がギュッと詰まっている」
~桶の旅人~
皆さんもぜひ、秋とはまた一味違った小江戸川越まつりの魅力を体験してみてはいかがでしょうか!