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鳥獣戯画と明恵上人の寺 世界遺産 高山寺「遺香庵」特別拝観

更新日:2020/8/27 佐々木 美佳
鳥獣戯画と明恵上人の寺 世界遺産 高山寺「遺香庵」特別拝観

◆世界遺産 栂尾山 高山寺

京都の北西にある紅葉の名勝・高雄
神護寺のある高雄、西明寺の槇尾(まきのお)、そして高山寺の栂尾(とがのお)を合わせて「三尾(さんび)」と呼ばれています。

鎌倉初期、明恵上人(みょうえ)が後鳥羽上皇の勅願により華厳宗の復興道場として中興開山しました。
以来、学問寺として発展。
国宝・石水院には後鳥羽上皇より賜わり、寺号の由来となった「日出先照高山之寺(ひいでてまずてらすこうざんのてら)」の勅額が今も掲げられています。

◆鳥獣戯画より明恵上人で世界遺産

明恵上人は武家の生まれで幼くして両親を亡くしたことから神護寺に入り、東大寺では華厳宗を学び、得度しました。
明恵上人はこうして華厳と真言の二つを修めましたが、生涯を通して釈迦信仰を貫いています。

とても志も高く人気のあった明恵上人。当時、高山寺は皇族や公家たちからの信頼も集めていたのだそうです。近年では川端康成や白洲正子など文化人からも尊敬される存在でした。

僧侶であり、歌人である明恵上人は花の歌人「西行」に対して、月の歌人「明恵」とも言われています。有名な歌では「あかあかやあかあかあかやあかあかや あかあかあかやあかあかや月(あかあかと、とても月が明るい)」という歌をお詠みになっています。

また『夢記(ゆめのき)』は明恵上人が夢を仏界からのメッセージとして書いた本で高山寺には17点が残っています。40年以上、盧遮那仏や文殊菩薩をはじめ霊感や宗教的な内容を書き記していましたが、中には絵が描いてあったり、流れ星に乗り世界中を見渡したというものも書き記されています。

次に有名な「鳥獣戯画」以外の寺宝について。
高山寺には国宝が8点もあります。その中のひとつが石水院。高山寺のもっとも古い鎌倉初期の建物で明恵上人時代の唯一の遺構です。石水院は鎌倉時代の寝殿造り風建築の傑作とされています。簡素ながら開放的な造りで周囲の自然と調和した空間が広がっており、西面の拝殿には小さな善財童子像が安置されています。

写真:石水院で善財童子像が庭を眺めている

また他にも「明恵上人樹上坐禅像(複製)」という明恵上人の絵があり、晩年の10年ほど高山寺の裏山で過ごしていたときの姿が描かれています。

そして明恵上人の好きだった子犬の置物は運慶の息子・湛慶(たんけい/重文・複製)作。この子犬は明恵上人の夢にもたびたび出てくるほどだったそうです。

そういった貴重な寺宝を石水院の中で見ることができます。

ちなみに説明をしてくださった和尚様が、「最近、新しいパンフレットに変えたので、こちらもぜひ読んでください。」「せっかく作ったのに全然読んでもらえない…」とおっしゃっておりました。
高山寺にお越しの際にはぜひ、パンフレットも読みましょう!

◆事前予約で楽しむ 京都旅

事前予約で楽しむ 京都旅』では寺社仏閣をはじめ、高雄では「三尾探訪ウォーキング〈高雄・槇尾・栂尾〉」や川床ツアーなどもあります。

前回、『事前予約で楽しむ 京都旅』の「僧侶による案内で巡る 世界遺産仁和寺 特別プライベートツアー」に行ってみて、普段見られない特別公開の場所をゆっくりと拝観できて大満足!「他のツアーも行ってみたい!」と今回は高山寺に来てみました。

京都・仁和寺でお坊さんと一緒♡三密を避けてプライベートツアー!

ここまでの記事は高山寺に来ればいつでも拝観可能な場所ですが、ここから後は三密を避けた高山寺の特別公開の「日本最古の茶園」と「遺香庵」をご紹介いたします!

◆日本最古の茶園・本茶と至福の一服

明恵上人は建仁寺を開山した栄西禅師から茶種をいただき、栂尾の地で育てられ、そのお茶は宇治に伝わり日本全国へと広まって行きました。そのことから高山寺は茶の発祥地とされています。
鎌倉時代や室町時代には高山寺のお茶が「本茶」と呼ばれており、本茶かどうかを飲み比べる「闘茶(とうちゃ)」が流行るほどでした。

そんな普段は足を踏み入れることができない貴重な茶園を拝見し、「この茶園からお茶は宇治に行き、庶民が緑茶を飲めるようになったのは日本煎茶の祖・永谷宗円(ながたに そうえん/永谷園は宗円の子孫が創業)が江戸の山本屋(山本山)に持ちこんで緑茶が人気が出たのか」とお茶の歴史に思いをはせる。

この栂尾のお茶は今も大切に飲まれており、収穫後の五月末ごろには一般の方にもお分けをしています。

◆通常非公開の遺香庵(いこうあん)へ

「この先のお茶室に一度、入ってみたい…」と眺めていた遺香庵にいよいよ潜入!

まず案内していただいた待合室には鐘楼。
この待合室には珍しい鐘「茶恩鐘」には寄進者の名前が刻んであります。

遺香庵は昭和6年(1931)の明恵上人700回忌には103名の寄進者(主に財界の人々)によりできました。

本席は木村清兵衛作、露地は小川治兵衛晩年の作。お庭と茶席による遺香庵は京都市指定名勝。

この茶室は現在、年に一度に行われるお茶席の行事でしか使われていないそうです。

通常非公開の「日本最古の茶園」と「遺香庵」を拝見したあとは石水院に戻り、お茶席でひとやすみ。

お茶菓子の宝泉堂「栂の月」は、きんつばのような食感で上品な味。
お土産には御朱印や鳥獣戯画のハガキなどがついています。

◆台風災害復旧工事完了!季節を変えてまた訪れてみよう

美しい紅葉の高山寺。紅葉の美しい場所は青紅葉も美しい…と金堂に向かって歩くと、以前と全く違う景色が広がっていました。

平成30年9月の台風災害で樹齢100~300年の杉や檜が300本以上の倒木。
半壊したという金堂なども令和2年3月末にやっと工事が終わったところでした。

支援金も受付中のため、特別公開に限らず、また季節を変えて赤や黄色の紅葉を愛でに高山寺に訪れてみてください。

◆高雄フリー乗車券

高山寺に来たら高雄西明寺神護寺巡りですが、JRバス高雄フリー乗車券で花の天井が美しい平岡八幡宮仁和寺などへも巡ることが可能!

京都駅にあるバスセンターで高雄フリー乗車券を入手していくと往復するだけでも安くなりお得です。
一日乗車券での京都巡りを楽しんでみてくださいね。

世界遺産 栂尾山 高山寺
住所 〒616-8295 京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
TEL 075-861-4204
FAX 075-865-1848
参拝時間 8:30~17:00
https://kosanji.com/

佐々木 美佳
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
毎日「京都散歩の旅」なカメラマン。
舞台、雅な文化、民俗風習、旅が好き。
instagram @kyoto.photographer
https://earth-traveler.com/

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