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「えっちゃほーえっちゃほー」3年ぶりの開催!日本三大流し踊り「 黒石よされ」に参加してみた!

更新日:2022/10/7 さっちん
「えっちゃほーえっちゃほー」3年ぶりの開催!日本三大流し踊り「 黒石よされ」に参加してみた!

2022年の8月15日と16日、「黒石よされ」が3年ぶりに規模縮小で開催されました。

踊り子の数はコロナ前は2日間で4,000人と、街の中を踊りながら歩く伝統的な流し踊りとしては最大級。そのため、諸説ありますが徳島県の「阿波踊り」、岐阜県の「郡上踊り」とあわせ「日本三大流し踊り」とも称されています。
そして「廻り踊り」には踊り子でなくとも誰でも参加でき、初めて知る方もテンポの良いパワフルな唄と踊りの虜になること間違いなしです。

黒石よされとは?

「黒石よされ」は青森県黒石市最大のお祭りで、毎年8月15日から20日(流し踊りは8月15日、16日)に開催されます。その起源は古く、500~600年前の盆踊りの時の男女の恋の掛け合い唄が元になっているというのが通説です。

「よされ」という言葉は一説によると、豊作で楽しいときは「仕事をよして楽しみなされ」、凶作で苦しいときは「このような世の中は早く去れ」といったことから生まれたとされています。そのような想いから受け継がれた黒石よされは、今のコロナ禍の時代へのエールのようにも感じます。

このお祭りの特徴は、「老若男女」が一体となり楽しむところで、「流し踊り、廻り踊り、組踊り」の三つの踊りで構成されます。
市内を踊りながら歩く流し踊りと、その途中で円を作って踊る廻り踊りの曲は、黒石よされ、黒石甚句、黒石じょんから、ドダレバチ(津軽甚句)の四曲があります。
廻り踊りは一般の方も飛び入り参加が可能。津軽三味線や太鼓などを生演奏する地方(じかた)たちが乗った地方車が、踊りを盛り上げるのも特徴です。

圧巻の豪華な地方車を人力で引いています

黒石よされの歴史

黒石よされは江戸時代後期、境形右衛門(さかいぎょうえもん)という黒石藩の家老が商工振興対策として奨励。当時は「盆踊り」と呼ばれていた黒石よされは盛大になり、黒石の町は大いに賑わったとされています。

隣の弘前藩ではたびたび盆踊り禁止のお触れが出されていたのに対して、黒石の盆踊りは開放的。お面を付けたり仮装したり、武士も農民も町人もみな踊りを楽しむことが出来ると人気を呼び、弘前藩からも多くの人々が集まってきたのだそうです。

黒石は美味しくて良質なお米の生産地。「黒石よされ」の踊りの振付けには、そよそよと風に揺られる稲穂に寄って来た雀を追い払う動作があり、流し踊り正装の浴衣も「雀に稲穂」というデザインで揃えられています。雀と稲穂は、黒石のトレードマークなのです。

黒石よされ流し踊りの正装

「雀に稲穂」というデザイン

昭和40年に発見された絵巻物には、幕末から明治にかけてのよされ節の様子が描かれており、お侍さんやお偉いさんなど、身分の高い人が顔がバレないよう仮装をして身分の低い人に混ざって踊っていた様子もわかります。
盆踊りが男女の出会いの場であったと言われていたので、今でいう玉の輿の出会いもあったのかななんて想像すると面白いです。

江戸幕末の絵巻物には仮装して踊っている様子が描かれている/写真提供:黒石観光協会

いざ黒石よされに参加

開会式の様子

黒石よされ初日の8月15日は、雨の中開会式が行われ、黒石市中心商店街から流し踊りがスタートしました。300年もの歴史を持つ、風情ある中町こみせ通りから流し踊りが始まります。
雨風が強まったため、開始から30分で中止となってしまいましたが、現地の生演奏で踊れる黒石よされは初参加の筆者にとって感動もの。無我夢中で「えっちゃほーえっちゃほー」と掛け声をかけつつ、昔ながらの黒石の町並みを踊り歩きます。

初日、大雨の中で踊りましたが皆終始笑顔

2日目の8月16日は雨も止み、メイン会場の中町こみせ通りにそれぞれの衣装を着た踊り子のチームが勢ぞろい。流し踊りの出発宣言とカウントダウンの後、花火が上がり開幕しました。

流し踊りの途中から、曲の切り替わりが合図となり、出場団体ごとに円を作り廻り踊りの開始です。流し踊りを見ている観客も、この時間は廻り踊りに加わって一緒に踊りを楽しむことができるので、輪の中にどんどん参加してきます。
老若男女関係なく輪を作り、豪勢な地方車から聞こえる生演奏で踊る贅沢さ、たまらなく楽しいです!

両日とも、流し踊りが終わった後には、チームや観客が混ざって踊る時間「おどりはだり」が開催されます。はだりが津軽弁でねだるという意味で、おどりはだり=踊りをおねだりする。踊り足りないのでもっと踊らせてという意味だそうです。
その名の通り皆さん踊り続けていました。

黒石観光協会の野呂さんに聞く!黒石よされの魅力

黒石よされについて、黒石観光協会専務理事の野呂淳一さんにお話をうかがいました。

ーーー黒石よされは丸2年間コロナで中止でした。3年ぶりの開催でいかがでしたか?

野呂さん:例年の半分くらいの参加者(両日合わせて23団体)ではありましたが、コースも半分にしたので丁度良くこぢんまりと収まったと思います。規模縮小ではありましたが、地方車は通常通りしっかり準備し、FMの電波を飛ばし会場内のどこにいてもズレがなく演奏が聞こえるように流していました。
初日は雨で30分で中止となりましたが2日目は予定通り開催することができ、何もやらないよりも少しでもやってよかったという声が多かったですね。

ーーー開会式の挨拶の中でも、黒石よされを伝承していくこと、続けることに意味があるというお話がありましたね。
実際に流し踊りに参加して体感したことは地元の方に根付いてるんだなって、当たり前のように皆さんが踊れることですね。音が流れただけで見ている方も手を動かして踊られていたり、皆さんやはり開催を待っていたんだなと感じました。

野呂さん:そうですね、各小学校では郷土芸能保存の為に必ず運動会で黒石よされを踊るので馴染みがありますし地元に根付いている。私も依頼があれば教えに行ったり、黒石高校で黒石よされの専属コーチをしているので毎年200~300人に3回くらい教えたりもしています。

野呂さんが高校生に黒石よされを教えている様子。野呂さん自身も踊りと、三味線と鼓をされています

ーーーすごいですね!だから皆さん踊れるんですね!
黒石よされのこんなところを知ってもらいたいというのはありますか?

野呂さん:黒石よされは他の踊りと違って、みんな誰でも中に入って踊れる。そして踊ってみたら楽しいじゃないというお祭り。いろんな曲があって見てるだけでなく参加して楽しいし、好きな時に参加できる、その楽しさを国内外問わずまだ知らない人達に知ってもらいたいという気持ちはありますね。廻り踊りなら誰でも入って良いし、今回も雨でも結構踊っていましたね。
コロナ前はごちゃ混ぜになって廻り踊りを踊っていて、それがとにかく「楽しい!」が黒石よされ。黒石に来たらぜひ踊って欲しいなと思います。

ーーー本当に。廻り踊りの一体感や楽しさ、津軽の生演奏の素晴らしさを、みんなで楽しむ面白いお祭りだよというのをもっと広げられたらいいですね!

観光協会専務理事の野呂さんに大変お世話になりました

ーーー最後に黒石のここを知って欲しいなどはありますか?

黒石は温泉もあるし、温泉に泊まって黒石よされや地元の民謡や郷土芸能を楽しむことができます!ご当地グルメの黒石つゆ焼きそばや、もともと城下町なので古い町並みや地酒などもあるので一泊はして黒石よされを楽しんでほしいですね。
黒石だけではなく近隣の田んぼアートなども迫力ありますし、観光も楽しんで欲しいです。ぜひ泊まりで黒石に来てください!

野呂さん、ありがとうございました!

圧巻の田んぼアート

津軽じょんから発祥の地

黒石は黒石よされだけでなく、津軽じょんからの発祥の地ともいわれています。
室町時代の末期、黒石の浅瀬石城が攻め滅ぼされたとき、城主・千徳家の菩提寺の常縁(じょうえん)和尚は、累代の位牌を背負って川に身を投げます。その地名が「常縁川原」、後に「上(じょん)川原」と変化し、往時を偲ぶ悲哀の唄が「上川原節」と呼ばれ、やがて「じょんから節」という名で広まっていきました。

その後江戸時代に入り、宴会などで明るく節を変え歌詞を変えたりして、今の津軽手踊りへと発展し、津軽じょんから節となりました。元々のじょんからの節もあったものの、津軽じょんから節が確立されたのは、津軽三味線や手踊りが始まった大正の時と言われています。

津軽じょんから発祥の地の石碑

「あずましの里」とも言われる黒石。あずましいとは快適、心地いいという方言で、黒石は皆暖かく人情味のある方々ばかりです。

「人から人へと思いを受け継ぐ大切さ」、「そこでのつながりを後世につないでいくこと」を重んじてきた黒石よされ、ぜひ皆さん参加してみませんか?

当日(2日目/8月16日)の現地の踊りの様子もぜひご覧ください。

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祭り開催情報

名称 黒石よされ
開催場所 青森県黒石市市ノ町
中心商店街
開催日 2022年8月15日(月)、2022年8月16日(火)
主催者 黒石よされ実行委員会
アクセス 弘南鉄道弘南線黒石駅から徒歩5分(メイン会場)
関連サイト http://kuroishi.or.jp/event/summer/ku...
https://www.mapple.net/spot/2000142/
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
盆踊りを海外に広めたく、日々踊りの練習を頑張っています!

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