足尾銅山を運営していた旧古河家の邸宅
現代の日常生活に電気は欠かせない存在です。様々な家電製品の中で電気の流れを導いている金属は銅です。明治時代に富国強兵政策が推進された頃には、栃木県の足尾銅山から大量の黄銅鉱が採掘されました。足尾の銅山を運営していたのは古河家で、第3代当主の古河虎之助は東京都北区に邸宅を構えました。現在、洋館や西洋庭園、日本庭園が、旧古河庭園として公開されています。西洋庭園にはバラが植栽され、例年10月上旬から下旬にかけて「秋のバラフェスティバル」が開催されています。ところが2020年は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となりましたが、秋バラの見頃時期には大勢の人々が訪れました。
バランス感覚が溢れる洋館
旧古河家の邸宅は、旧岩崎邸庭園洋館、鹿鳴館、ニコライ堂などを設計した英国人建築家のジョサイア・コンドルによってデザインされました。煉瓦造りの骨組みに、外壁は真鶴産の新小松石が野面積みされ、バランス感覚が溢れています。天然スレート葺き屋根もとても印象的です。
バラの花が色彩によるハーモニーを奏でる西洋庭園
西洋庭園は洋館の南壁に接しています。バルコニーから西洋庭園の花を観賞することができるのです。色とりどりのバラを眺めながらティータイムを過ごせば、満ち足りた気分になるに違いありません。
洋館の南はバラの花園です。左右対称のシンメトリックな庭園に約200株のバラが植栽されています。各々のバラが個性を競いつつ、色彩によるハーモニーを奏でています。
旧古河庭園のバラ10選
庭園には約100種類のバラが育てられています。この中から10種類をご紹介します。
深まりゆく秋が感じられる回遊式庭園
旧古河庭園には洋館や西洋庭園が設けられていますが、敷地の大半は日本庭園となっているのです。西洋庭園の南には広大な回遊式庭園となっています。バラの花の見頃時期に回遊式庭園を歩くと、深まりゆく秋を感じることができることでしょう。
東京都北区の旧古河庭園の西洋庭園には約100種のバラが植栽され、例年10月上旬から下旬にかけて、秋バラが花を咲かせ洋館を季節の彩りで包み込みます。バラと洋館の壁石の色彩が見事なコントラストを見せてくれます。