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大鳥神社例大祭 -目黒区最古の神社と里神楽-

更新日:2020/9/30 ちゃそっこ
大鳥神社例大祭 -目黒区最古の神社と里神楽-

2020年9月5日~6日に開催された目黒の大鳥神社例大祭に参加して来ました。雑司ヶ谷の大鳥神社と同じく、東京23区内、アフターコロナ初(関係者談)と言われるお祭り開催ということでとても楽しく参加出来ました。新型コロナ対策をきちんと取りながらも伝統的なお祭りを開催。御神輿や山車の巡行はありませんでしたが、天候が優れない中、屋台も里神楽の演目も、参拝者も、いつもの風景が戻って来ました。今回は目黒の大鳥神社例大祭とそのハイライトである里神楽の様子を中心にお伝えいたします。

雑司ヶ谷の大鳥神社 例大祭のレポートはコチラ

2020年の目黒大鳥神社例大祭について

大同元年(西暦806年)に創建。目黒を古くから鎮守してきた目黒の総鎮守の古社。言い伝えによると景行天皇(西暦71年~130年)の時代に当地に国常立尊(クニノトコタチノミコト)を祀った社があり、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が立ち寄って、部下の目の病の治癒を祈願し、その願意は無事に叶い、日本武尊はその神恩に感謝し剣を奉納しました。その後、日本武尊の霊が白鳥として当地に舞い降り鳥明神として祀られ、社殿が完成したと言われています。盲神(めくらがみ)と呼ばれ、この「めくら」が段々と訛って「目黒(めぐろ)」という地名の由来となった説もあるようです。現在の社殿は1962年に出来たものだそうです。部下の目の治癒を祈願するなんて、とてもいい上司だなと思いました笑

そんな由緒のある目黒大鳥神社の例大祭は、例年であれば各町内会からお神輿が出され、目黒通りに神輿が勢揃いするなど大変な賑わいを見せるのですが、残念ながら2020年の神輿渡御中止。神事と、里神楽の奉納に規模を縮小して開催されました。

大島神社御祭礼の告知ポスター

境内に掲示されたポスターにも、「ご参拝時はマスク着用をお願いします」との表示があり、コロナ対策を取って開催されていることが分かります。規模縮小で開催された中でも、屋台の出店があったのは嬉しかったです。屋台グルメを楽しむとお祭り気分も盛り上がります。沢山食べたいものがあり、どうしようか悩みました笑

雨の中の演舞 里神楽

神楽は古代に発生した芸能で、民俗芸能の中では最も古い歴史をもつと言われます。その起源は、神霊を慰めるために演じたもので、神に捧げる舞踊でした。「神を招き迎えたときの神霊の依りたもう座」を意味する神座(かむくら)という言葉が、神楽の語源と考えられます。宮廷の御神楽 (みかぐら) に対し,民間で演じられる神楽のことを里神楽と言います。動画の時は雨が降っていましたが、神社や演目の雰囲気とマッチして絶妙な風情がありました。興味を持って見ている人は、外国の方や比較的若い人が多かった印象があります。

演目は『禊三筒男』という、里神楽を奉納する際の序幕のスタンダードとなります。舞を主体とした神楽で、黄泉の国から逃げ帰った伊邪那岐神(いざなぎのかみ)が穢れを祓うために禊をすると、水上・水中・水底から神が現れ、厄を祓い福を招きます。この3柱の神は住吉三神として海上、航路安全の神として崇められています。雨の中の舞はとても風情があり、趣がありました。

里神楽の歴史について

古代に発生した神楽は、江戸時代初期には江戸市中に伝わり、江戸庶民の好みに応じて、いろいろな形に変化します。その一つが江戸の里神楽で、江戸と周辺の村々の神社の祭礼などで盛んに里神楽が奉納されました。この江戸の里神楽の特徴は、専業の神楽師「神事舞太夫(しんじまいたゆう)」による仮面を付けた劇であり、神話の世界を題材としたものを中心に演じられたことです。

その始まりは、江戸時代初期に伝わった鷲宮神社(埼玉県)の「土師一流催馬楽神楽(はじいちりゆうさいばらかぐら)」とされ、文化文政期(1804年-1830年)に最も隆盛し、明治維新の時に、その多くが四散しましたが、なお明治初期には江戸に三七家が存続しましたが、その後時代の流れと共に更に衰退して行きました。この里神楽の演目は、最盛期には100を超えていたと言われています。

そのような歴史を経て現在都内には国の重要無形民俗文化財に指定されている、間宮社中(品川区)、若山社中(台東区)、松本杜中(荒川区)、山本杜中(稲城市)、これら四つの江戸の里神楽が伝承されています。江戸の里神楽は、近世の江戸という大都会において、強い演劇性を盛り込み、各時代に即応した工夫を重ね、神楽を専門とする人々によって祭礼の神賑(かみにぎわい)として演じられ、広く一般の支持を得てきたもので、芸能の変遷の過程と地域的特色を示す無形民俗文化財として重要なものです。

アフターコロナと江戸里神楽

最近ではゲームやアニメの中に、その片鱗が盛り込まれ、ストーリーなど作品に深い味わいを出しており、いいものは時代を超えて伝統が受け継がれていくことを感じます。江戸時代や昔の人達は、科学も発達しておらず、客観的に良くわからない高い死亡率の疫病等と気持ちの面で負けないように、神仏に祈願しながらお祭りをやったのかなと思うと、今以上に特別なものだったのではないかと想像に胸が熱くなるような気がします。いいものを後世に伝えるためにも、継続の難しさと大切さを感じることが出来ました。

参考:目黒総鎮守 大鳥神社 https://www.ootorijinja.or.jp/%e7%94%b1%e7%b7%92/

文化庁 国指定文化財等データベース https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/302/44

稲城市 江戸里神楽 https://www.city.inagi.tokyo.jp/smph/kanko/rekishi/inagishibunkazai/inagi_bunkazai/edonosatokagura.html

埼玉県 鷲宮神社  http://www.washinomiyajinja.or.jp/kagura/kagura.html

ちゃそっこ
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
東京を中心にお祭り巡りをしている、ちゃそっこです。町内のお祭りから建国記念パレードまで楽しそうなお祭りであれば、大体何処にでも出現します。悩みは夏祭りの予定かぶり。

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