原形のような御朱印
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。御朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。静岡県三島市に鎮座する三嶋大社では、紙面の上部に大きな社号印が押された原形のような御朱印が頒布されています。
三嶋大社では境内中央の神門の西に設けられた客殿で、御朱印を頂くことができます。受付の窓口には、社紋の「五七の桐」がデザインされた御朱印帳が準備されています。
授与品は御朱印受付とは別に、本殿前の舞殿の東の授与所に並んでいます。お守り、絵馬などバラエティー豊富です。
源頼朝が源氏再興の旗揚げ前に百日祈願した三嶋大社
三嶋大社の創建時期は明らかにはなっていませんが、奈良時代や平安時代の古書に記録が残されています。三嶋神は東海地方随一の神格とされ、平安時代中期の「延喜の制」では「名神大」に列格されました。中世以降、多くの武家に崇敬され、源頼朝は源氏の再興の旗揚げ前に百日祈願したと伝わります。
社殿は本殿、幣殿、拝殿の3つの建造物が連なる複合様式で、1866年に建造されました。総けやき素木造りの周囲には精緻な彫刻が施されています。
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に描かれる頼朝と政子のデートスポット
本殿を取り囲む境内には、2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にゆかりの史跡が数多く見られます。第2話では、源頼朝が北条政子と初デートをするシーンが描かれていました。神門の南の神馬舎の袂には、頼朝と政子の腰掛け石が残されています。総門と大鳥居の間で穏やかな水を湛える神池では源頼朝が放生会を行ったと伝わります。池に浮かぶ厳島神社は政子によって勧請されたようです。神池の南端に育つ相生の松の下では、『鎌倉殿の13人』の一人の安達盛長が、大社に参拝する頼朝を見守ったかもしれません。
市内でも屈指のお花見の名所
神池の周辺には100本前後の枝垂れ桜が植栽され、市内でも屈指のお花見の名所となっています。参道沿いには露店が軒を連ね、数多くの人々が訪れています。
露店では様々なグルメを楽しむことができますが、総門の東の大社のよりどころでは、三嶋大社名物の縁起餅「福太郎餅」を味わうことができます。
一年を通して斎行される多彩な祭事
古くから伊豆国一の宮として栄えた神社では、一年を通して多彩な祭事が斎行されています。中でも例年8月中旬に行われる例祭は、「三嶋大祭り」と呼ばれ、頼朝公旗揚げ行列、大神輿渡御、山車競り合い、武田流流鏑馬、手筒花火神事などが行われます。宝物館1階のショップのディスプレイには祭事の様子が映し出され、熱気溢れる雰囲気を感じることができます。
静岡県三島市の三嶋大社では、紙面の上部に大きな社号印が押されるだけのシンプルな御朱印が頒布されています。奈良時代や平安時代の古書に記録が残る神社では、源頼朝が源氏再興の百日祈願したと伝わります。2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の舞台となっています。初春の桜の時期や、8月の「三嶋大祭り」の開始日には、境内は大勢の人々で埋め尽くされます。