都内では実に多くの盆踊り大会が開催されるが、中でも7月中旬の集中具合は驚愕に値する。
足を運ぶべき盆踊りに頭を悩ませるこの時期、最も規模が大きく、盆オドラーなら避けて通ることのできない大会が【みたままつり納涼民踊のつどい】である。
都内からはもちろん、各地からも踊り好きの面々が集うほど、まさに東京の盆踊りの見本ともいえる存在である。
果たしてその魅力とは、一体?
※2020年の開催は中止が決定しました
目次
シーズン前半最大の山場!盆オドラー参加必須、靖国神社の盆踊り
毎年6月13日に日枝神社での【山王音頭と民踊大会】で開幕する東京の盆踊りシーズン。通常であれば、その後6月下旬に外苑前の秩父宮ラグビー場駐車場で開催の【郡上おどりin青山】、7月6日から8日の【入谷朝顔音頭踊り大会】と続くが、まだこの時期の開催はまばらである。
しかし東京の盆である7月15日付近になると、同時多発的に数多くの盆踊りが集中し、シーズン前半第一の山場となる。盆オドラーにとっては、ハシゴも辞さない慌ただしい毎日に突入する訳だが、中でも誰もが欠かせない踊り場といえば、靖国神社での【みたままつり納涼民踊のつどい】で間違いない。
広い踊り場で初心者も安心!ベテラン盆オドラーも参加せずにいられない
毎年多くの参拝者で賑わう【みたままつり】は、昭和22年(1947年)以降、都心の夏の風物詩として親しまれている。
九段下側大鳥居から入ると、目に飛び込んでくるのは、光の道ともいえる提灯の灯り。
境内には大小3万個を超える献灯や懸(かけ)ぼんぼり、献句ぼんぼりが掲げられ、祭りのムードを高めている。
神輿振りや青森ねぶた・阿波踊り・江戸芸かっぽれなど、様々な奉納行事も行われる
本殿では毎夜、神霊を慰める祭儀が執り行われ、奉納和太鼓、奉納歌謡公演、神輿振り、青森ねぶた、阿波踊り、江戸芸かっぽれなど、さまざまな奉納芸能が繰り広げられるのだ。
その中でも誰もが楽しめる盆踊りが【みたままつり納涼民踊のつどい】だ。
参道の中央、大村益次郎銅像付近で開催される。
踊り場は広く余裕があり、初心者でも祭り気分を楽しみながら気軽に参加できるのが特徴だ。
しかしベテラン盆オドラーでも毎年参加せずにいられないのは、その雰囲気だけでなく、良質な曲の魅力に理由があるのだ。
定番曲から地方の民謡、そしてその年の新曲まで。バラエティ豊かな選曲に感動!
【みたままつり納涼民踊のつどい】は4日間の開催となり、日によって異なるセットリストも気になるところだ。
ご当地曲の《千代田踊り》や《東京音頭》《炭坑節》《大東京音頭》《八木節》といったメジャー曲をはじめ、《銀座カンカン娘》や《ゆかた音頭》《鞠と殿さま》《にっぽんチャチャチャ》《花火音頭》など定番曲も多い。
また、《郡上節(かわさき)》や《ソーラン節》《北海盆唄》などの民謡も多く、《お江戸日本橋》や《常磐炭鉱節》《花笠踊り(《花笠音頭》に間奏部の振り付けが加わったもの)》など、他では踊る機会の少ない曲も多い。
さらには新旧のビクターナンバーや、昔からお子さま向けに親しまれている《オバQ音頭》などもラインナップ。
まさにツボを得た曲の数々は、4日間通い続けても飽きない魅力である。
【みたままつり納涼民踊のつどい】に参加するなら、知っておきたいワンポイント情報
踊り場の広さや踊りやすさもさることながら、曲の素晴らしさが盆オドラーを魅了する
以前参道に露店が出店されていた頃ほどではないが、境内はもちろん、最寄駅である九段下駅構内から大変な混雑となり、場合によっては身動きが取れないこともある。
時間には余裕をもって臨みたい。
神輿やねぶたなどの奉納行事も同時に開催されるため、状況によって踊りを中断することがある。
また、2018年に露店が復活。広くなった踊り場の周囲に出店されるようになったものの、境内では飲酒が禁止となった。
酒類の販売がないことはもちろん、持ち込みも禁止なので留意されたし。
日が落ちて夜の帳が下りる頃、幻想的な雰囲気とともに、ますます冴える盆踊りムード
踊りの最中、一般の方が櫓に上れる時間も設けられている。
ただし突然滅多に踊られない過去の曲がかかる場合もあるが、櫓好きの方には見逃せない機会だろう。
華やかな祭りのムードを堪能しつつ、ぜひ思う存分、踊りの世界に浸るべし!
盆ボヤージュ!