Now Loading...

どっちが本物か分かる?手作り山車で楽しむ盛岡八幡宮例大祭!28年作り続ける魅力とは

更新日:2024/2/29 minta
どっちが本物か分かる?手作り山車で楽しむ盛岡八幡宮例大祭!28年作り続ける魅力とは

お祭りのシンボルである山車(だし)。左・右の写真のどちらが本物で、どちらが28年前からこつこつと作られている模型の「手作り山車」か分かりますか?答えは記事の中ほどに出てきます

失意のなか「手作り山車」情報を入手

今年も新型コロナウイルスの影響で盛岡八幡宮例大祭は中止となりました。
例年9月に入ると岩手県盛岡市では、夕方から街のあちらこちらで、太鼓や笛の音が響きお祭り本番に向け練習が始まります。

祭り本番が近づくにつれ、だんだん息も合って、力強い中に粋を感じる団体ごとのお囃子が完成します。そして、街の中には提灯、盛岡八幡宮の参道には結界が張られ祭りの雰囲気が高まっていきます。

ですが、2年続けて例大祭は中止となりました。お祭りがなくなり悲しい気持ちでいた時、お祭り好きが集まるお店で話題となっている「手作り山車」のことを耳にし、作者からお話を伺えることになりました。

お祭り好きが集まる居酒屋にお宝発見!

居酒屋 たけよし盛岡八幡宮例大祭の祭り人が集まる 居酒屋たけよし

野球やサッカーを好きな人が集まる居酒屋があるように、例大祭の好きな人が集まる居酒屋もたくさんあります。そのひとつが盛岡八幡宮に近く参道から一本裏に入ったところにある「居酒屋たけよし」です。

店内に入るとたくさんのお祭りに関する番付(お祭りの時に寄付をするといただける山車が書かれたもの)や絵皿などが所狭しと飾られています。お祭りの好きな人が来ると、昭和40年代頃の山車のビデオを見ながら祭り談義にも花を咲かせています。

八幡 店内居酒屋たけよし店内、年代物の各団体の番付を見ながらお酒を呑めます

そしてお店の中でひときわ目を引くのが、80㎝ほどの透明なアクリル板で大切に覆われ、店の守り神のように鎮座している「手作り山車」なのです。これは、店主の武田義治(たけだ よしはる)さんが28年前に、一人でこつこつ作ったものです。人形の顔も何度も作って書いて、何個作ったか忘れたけれど、やっと満足したものがこちらだそうです。
武田義治さんに「手作り山車」制作の苦労や楽しみを伺いました。

自分だけの山車を作る喜び

武田さんと手作り山車居酒屋たけよしのご主人、武田義治さんと渾身の手作り山車

「八幡様のお祭りは、子供の頃から見ていたお祭りで、ずーっと山車を見て、かっこいいなと思っていたのさ。いつか自分でも作ってみたいと考えていたんだ。別にたいしたきっかけはなかったんだと思うけど、29歳の頃、急に創作意欲が湧いてきて作ったんだ」と山車を作り始めた頃を振り返る武田さん。

本物さながらの手作り盛岡山車

ここで冒頭の答えです。左の写真が「い組」の山車で、右の写真が武田さんが手作りした模型の山車でした。武田さんが作る山車は、人形の顔や着物まで丁寧に作り込まれています。

「好きな『鏡獅子』という演題の山車を設計図もなく、なんとなく作り始めたのさ。山車の台座は決まったけど、山車に飾る松、藤の枝や牡丹の花など細かいところがとても大変なのさ。いまだに毎年少しずつ手直ししているよ。楽しくてしょうがないね」と笑顔でお話してくださいました。

山車の台座は、DIYのお店を探して材料を揃えたそうです。本物の山車が出来上がっていくのを見ながら同じように作っていきました。一番苦労したのは、人形の着物だそうです。布の選別、裁断、そしてすべて手縫いで仕上げました。何度針を指に刺してしまったか分からないそうです。

盛岡山車 模型左が本物の山車の花で、右が手作り山車に飾られた花。どちらが本物か分からないほどです

山車には、豆電球を仕込んでいて本物さながらの風情を感じさせてくれます。この豆電球の数や置く場所も、本物と同じになるようこだわっているそうです。

 

この投稿をInstagramで見る

 

mina(@aizawamina)がシェアした投稿

手作り山車で祭り仲間との交流を楽しむ

SNSに投稿している武田さんFacebookの友達になって、山車模型の仲間になって…と語る武田さん

お店に手作り山車を置いていることで、「どうやって作るの?」「自分も作ってみたんだけれどどうですか。」と話す仲間ができたそうで、SNSにアップして更に仲間を増やしているそうです。居酒屋たけよしのFacebookでも紹介しています。

武田さんは、もう一台もっと小さな山車も作っています。「もうやるもんかと思ったのに、また作ったんだよね。」と笑って話してくれました。人形も5㎝ほど、とても細かい作業に驚かされます。牡丹の花など小さくて作るのに苦労した分、嬉しさも大きいと語ってくれました。

盛岡山車模型およそ10㎝四方に人形が二体。その精巧さに驚かされます

手作り山車は、毎年少しずつメンテナンスをして、我が子のように大切にしているそうで、今年も電球等の配置の調整などをしたそうです。年々グレードアップしている「手作り山車」は、お店に行くたび新しい発見があるかもしれません。

「盛岡八幡宮例大祭」はどんなお祭り?

盛岡八幡宮例大祭20192019年の盛岡八幡宮例大祭の様子

例年9月14日から16日まで盛岡市内をおよそ8台の盛岡風流山車が盛岡市内を練り歩き、五穀豊穣、商売繁盛などを願い、各家々の前で音頭上げを行う祭りが『盛岡八幡宮例大祭』です。新型コロナウイルスの影響で2年続けて中止となりました。

今年も昨年に続き、例大祭とは別に山車の特別運行を予定していましたが、こちらも緊急事態宣言により延期となっています。

盛岡八幡宮例大祭がまた開催されることを願い、興味をもたれた方は祭りびとに会いに、ぜひ「居酒屋たけよし」に出かけてみてはいかがでしょうか。武田さんに声をかけると「手作り山車」に電気をつけてくれるかも…!

■居酒屋たけよし
住所 〒020-0874 岩手県盛岡市南大通1丁目10−15
電話 019-622-8857
定休日 水曜日
居酒屋たけよし Facebook

この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
青森ねぶた祭りで育ち、盛岡八幡宮例大祭の優雅で粋なところにどっぷりつかり例大祭がないと一年が終わらないお祭り大好き人間です!
派手な祭り、優雅な祭り、しんみりする祭りどれも味わい深く、日本人でよかったな~と感じています。どうぞ宜しくお願いします。

オマツリジャパン オフィシャルSNS

あわせて読みたい記事