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例年3月下旬から4月下旬の長期間にわたって桜の花が絶えない長瀞
埼玉県北西部の長瀞は、荒川や宝登山の豊かな自然に恵まれる県内屈指の観光スポットです。中でも3月下旬~4月下旬の時期には街全体が桜の花の彩りに包まれ、まるで桜の園のような光景が広がります。秩父鉄道の長瀞駅を囲むエリアが薄紅色一色となるのです。毎年、桜の開花に合わせて「長瀞桜まつり」が開催され、2019年は3月23日~4月28日に行われました。
エリアを変えて約3,000本の桜の花が街の隅々までを彩る長瀞
長瀞全体では約3,000本の桜が育ち、場所と時を変えて花を咲かせる光景は「日本さくら名所100選」に数えられています。「長瀞桜まつり」は、毎年1ケ月を超える長期間にわたる実施されています。エリアごとに見頃の時期が異なるのです。最も早く開花を始めるのは街の北東部で、道光寺の岩田桜、大手の桜、法善寺のしだれ桜などは、例年3月下旬頃に見頃を迎えます。
約4キロの桜のトンネルに変身する桜通り
長瀞の北東部に続き、例年4月上旬に桜のピークとなるのが、秩父鉄道長瀞駅周辺のエリアです。駅から北の北桜通りは約2.5キロ、南の南桜通りは約1.5キロにわたって隙間なく、ソメイヨシノを中心に桜並木が続くのですから圧倒されてしまいます。頭上には桜の花びらが何重にも重なり合い、長い桜のトンネルに迷い込んだかのようです。南桜通りには秩父鉄道の線路沿いの区間があり、桜並木を走り抜けるSLの姿を見ることができます。
北と南の桜通りが桜のトンネルに変身する頃には、長瀞駅の東西に育つ桜も満開となります。長瀞駅の西方には宝登山が聳えています。駅舎から山麓の宝登山神社への参道の左右も薄紅色の桜で彩られます。参道の南の野土山も桜の花で覆われます。また長瀞駅の東方には荒川が流れ、その東岸に広がる井戸地区の桜並木も見逃せないでしょう。
「長瀞桜まつり」の最終盤を飾る通り抜けの桜
「長瀞桜まつり」の期間中で最も多くの人々が訪れるのは長瀞駅周辺が桜の園となる時期ですが、出遅れてしまった人を救ってくれるのが、宝登山麓の不動寺近くの通り抜けの桜です。このエリアのヤエザクラが、見頃となるのは例年4月中旬から下旬です。宝登山ロープウェイの山麓駅にも近く、桜の花の間をゴンドラが上下します。
ライトアップされ夜空にファンタジックに浮かび上がる桜の花
「長瀞桜まつり」では、長期間にわたって広いエリアで桜の花を楽しむことができますが、魅力はそれに留まりません。いくつかのスポットで夜間のライトアップが行われ、夜空にファンタジックに浮かび上がる桜の花を楽しむことができるのです。2019年には、道光寺の岩田桜で3月23日~4月7日に、北桜通りで3月30日~4月14日に、通り抜けの桜で4月13日~4月28日にライトアップが行われました。
「長瀞桜まつり」は、例年3月下旬から4月下旬の1ケ月を超える日程で開催されています。長瀞の街は1ケ月を超える時間をかけてエリアを変えながら桜色に染め上がっていきます。特に長瀞駅の南北に延びる桜通りは、約4キロの桜のトンネルに変身し、その姿には圧倒されることでしょう。