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今年も沢山の善意で開催!「なこそ希望プロジェクト」当日の様子をレポート。

2019/3/27
2020/7/8
今年も沢山の善意で開催!「なこそ希望プロジェクト」当日の様子をレポート。

以前、対談記事として書かせて頂いたなこそ希望プロジェクト。東日本大震災で犠牲になった方々を追悼する3月10日の当日レポートとなります。福島県いわき市の復興の様子を多くの人に知って貰う為にも、慣れないPressの腕章を付けて撮影を頑張ってきました。

会場の様子

会場の岩間防災緑地は昨年(2018年)の9月に完成したばかりなので、まだ地図にも掲載されておらず、国道239号線で勿来火力発電所を目指して行くと付近の道路沿いに見えてきます。

以前は津波で壊滅状態だった場所に苗木が植えられ綺麗な防災緑地として整備されていました。岩手県陸前高田市の有名な奇跡の一本松の事もあり、他の防災緑地でも松が植えられる事が多い様です。(防災緑地とは津波が来た場合に植えた木々や敷地内の盛り土で津波の勢いを和らげたり、船などの住宅地への流れ込みを防ぐ効果、また避難所としての役割もある)

今回は、地元の方にこの防災緑地を知って貰おうと周辺地域に回覧板やチラシで告知した成果もあり、多くの人が会場に来られていました。受付で署名を行うと奥のテントでは豚汁の無料サービスが用意されています。大鍋で作る豚汁は具だくさんでかなり美味しかったです!

関西からの元気玉

14:00から、まず最初に関西からの元気玉として、勘緑+木偶舎による公演。和太鼓やチェロの音楽に合わせて人形を舞わせるのですが、首や手の仕草一つ取ってもとても緻密な動きで驚きました。

きっとストーリーがあって動かしているのだろうけど、ナレーションがある訳ではないので見る人によって感想が変わってきそうです。何となくは伝わりましたが、真意を捉えているかと言われると自信がありません。しかし、普段なかなか目にできない貴重なものを見る事ができました。

法要の儀

真言宗の住職による法要。東日本大震災で亡くなられた方への慰霊としてお経が読み上げられました。読み上げが終わると関係者から順に御焼香をあげていきます。

地震が起こった時間の14時46分には号砲が打ち上げられ、全員による黙祷が捧げられました。毎年、3月は震災についての報道が多くなり、何年経っても震災の当事者からすれば思い出したくない気持ちもある筈です。それでも現在を生きる我々は次の震災に備える為にもこの時期の報道は必要なのではと考えてしまいます。

モニュメント名称発表並びに表彰式

岩間防災緑地のシンボルである東京藝術大学の協力で作られた卵型のモニュメント。なこそ復興プロジェクトによる7年越しの事業であり、この地下には2031年3月11日に開けられるタイムカプセルが埋まっています。カプセルの中には震災を体験した人による資料などが入れられています。

このモニュメントの名称については、子供達から募集をしており、市内の小学生による「きみと」に決定しました。「私たちのおく(記憶)をらい(未来)へもにどける(届ける)」がメッセージだそうです。

和太鼓演奏

神奈川県相模原市を中心に活動している和太鼓 我道武蔵のメンバーによる演奏。大人から子供まで、年齢問わず所属している様で、太鼓祭inさがみはら 神奈川県大会では準優勝、金の卵発掘プロジェクトシビックプライドS-1ドリームでは準グランプリなどの賞も獲得しているそうです。

メンバーには地元出身者もいた様で、久し振りの故郷での演奏はどんな気分だったのでしょうか。海岸に響き渡る力強い演奏は来場者に大好評でした。

キャンドル・イルミネーション点灯

防災緑地の入口からモニュメント「きみと」までの道にキャンドルが並べられます。かなりの数を用意しなくてはいけないので、まだ日のある時間から設置・点火とボランティアスタッフが頑張ってくれていました。

花火を見にくる人達の通り道にもなるので暗い道を歩く必要もなく、ちょうど火力発電所のライトアップも点灯され花火の打ち上げ時間までを待ちます。

希望の花火打ち上げ

19:30からは、湘南花火の辻博(つじ ひろし)さんによる希望の花火が打ち上がりました。花火の値段をある程度予測できる自分からすれば、無料でやるにはやり過ぎなくらいの演出で辻さんの懐事情が心配になる程でした。県外から見に来た花火好きの方にもかなり高評価だった様です。

しかし、やはり花火を打ち上げるにはお金が掛かります。当たり前ですがどんなに安くして貰っても原価が掛かるものであり、無から有は生み出せません。最初の数年ならともかく何年も勿来地区の為に無料で打ち上げていただき、市民のひとりとしてありがたい気持ちの反面、申し訳ない気持ちもあります。

例えば、神奈川県の寒川みんなの花火では町民一人当たり100円を捻出して貰ったり、町中で募金箱を設置して集めたお金で小規模な花火を打ち上げています。どうしても市や町の資金に頼れないのであれば、そう言った方法で多くの人から少しずつ協力を頼む事もありではないでしょうか?

まとめ

今年も多くの方の善意が集まり、追悼イベントを無事に終了できました。主催者側としてもホッとしているかと思われます。また今年も芝浦工業大学、つくば大学の多くの学生達がボランティアメンバーとして頑張ってくれていました。いつも遠方から何度も足を運んでいただき大変ありがたい限りです。

ただ、前々から気にはなっていましたが、やはり地元の子供達がメンバーとして参加していないのが少々残念な所ではあります。本来、自分達の住んでいる地域であれば、地元の若い世代が企画・運営を行いイベントの中心となって盛り上げる必要があると思います。

東京・高円寺阿波おどりでは杉並区の小中学生の自主的なボランティアの例もあります。イベントの一部分だけでも若い年代や子供達だけの自主性に任せるとかがあると面白いかもしれません。

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