拝殿を背景に写真を撮りたくなる二宮神社の御朱印
全国各地の神社や寺院では参詣の記念に御朱印を頂くことができます。朱印帳に訪れた神社や寺院の御朱印が並ぶと、貴重な思い出となり写真とは趣の異なる味わいが滲み出てくるものでしょう。千葉県船橋市に社殿を構える二宮神社の通常の御朱印には、紙面の中央に「二宮神社」、右下に「下総国三山」の文字が記され、「寒川神社の印」と「二宮神社の印」が押されます。
特別御朱印や月替わりの御朱印も準備されており、「下総三山の七年祭り」の特別御朱印は、見開きの2倍サイズの紙面に切り絵が施されています。2022年1月の御朱印には寅が描かれ、拝殿をバックに写真を撮影したくなります。
御朱印ばかりでなく、オリジナルの御朱印帳にも魅力的なものが準備されています。神社の御神木の大銀杏と社殿がデザインされたものは色違いで2種類です。また神社に奉納される「斎藤その女等奉納句額」を模した御朱印帳は、少し高価で4000円です。
バラエティー豊富な授与品
二宮神社では二之鳥居に隣接する授与所で、御朱印を頂くことができます。窓口には、お守りなどバラエティー豊富な授与品も並んでいます。
9世紀を起源とする神社の社殿を囲む緻密な彫刻
二宮神社は、9世紀に嵯峨天皇の勅命によって創建された寒川神社を起源とすると伝えられています。その後の鎌倉時代には二宮神社に改称されていたようです。現在の社殿は18世紀に再建されたものです。権現造りの様式で並び立つ拝殿、本殿の屋根は銅板葺となっており、壁面などには緻密な彫刻が施されています。本殿の東西の両面には、中国の24人の孝行者の物語『二十四孝』が刻まれています。
長い歴史を育む伝統行事
千年を超える伝統を育む神社では、数々の伝統行事が行われています。中でも「下総三山の七年祭り」は、1445年に始まった「磯出祭」の伝統を受け継いでいます。千葉県の無形民俗文化財にも指定されています。毎年ではなく12年に2度、丑年と未年に斎行されます。船橋市ばかりでなく習志野市、八千代市、千葉市に社殿を構える9つの神社が連携する寄合い祭りです。開催日には9つの神輿が二宮神社に集結します。授与所では2021年の七年大祭報告記が配布されています。
例年、旧暦の11月13日の夜に開催される「大火揚(おおびよ)」は、平安末期の1180年に、京都から流されてきた藤原師経を、里人たちが大篝火を焚いて迎えた故事に因む年間行事です。
拝殿の西に建立されている神楽殿では、神社の行事の開催日などに、様々な種類の神楽の演舞が行われます。
二宮神社に公共交通機関を利用して訪れる場合には、JR総武線の津田沼駅の北口バスターミナルから「二宮神社行」の路線バスを利用するのがリーズナブルでしょう。バス停からは神社の南端の一之鳥居を潜り、参道を進むと二之鳥居が出迎えをしてくれます。
千葉県船橋市の二宮神社の通常の御朱印には、9世紀と現在の神社名の2つが押印されます。特別御朱印が頒布される「下総三山の七年祭り」は、周辺の9つの神社が連携する寄合い祭りです。「大火揚」などの伝統行事も受け継がれています。