徳島県三次市で開催される、にし阿波の花火。
中国・四国地方では数少ない花火競技大会で、西日本最大級の規模を誇ります。
いったいどのような花火が見られるのか… 本記事では、にし阿波の花火の魅力などについて、なるべく分かりやすく解説してまいります。
にし阿波の花火とは
にし阿波の花火は徳島県三好市(※会場の一部は美馬市)で開催される花火競技大会で、概要は以下の通りとなります。
- 開催時期:10〜11月頃
- 場所:徳島県西部健康防災公園
- 最大号数:10号玉
- 打ち上げ数:約20,000発
- 有料観覧席:あり
- 無料観覧席:なし
- Webサイト:にし阿波の花火 | 徳島の全国花火師競技大会
中国・四国地方で初となる花火競技大会として、2019年に日本青年会議所徳島ブロック協議会を中心としたメンバ(現在の一般社団法人SMASH ACTION)によって立ち上げられました。
打ち上げ数は20,000発、大きさは最大10号玉と西日本最大級の規模を誇ります。
徳島県と花火の深い関係
徳島県といえば阿波踊りや鳴門の渦潮のイメージが強いですが、実は四国花火発祥の地だったりします。
戦国時代から江戸時代にかけて、勝浦川や那賀川沿いの地域において武器として使用する火薬の製造が行われていました。
戦火が収まって以降は花火の製造が行われるようになり、現在では西日本有数の花火生産地となっています。
意外なことかもしれませんが、徳島県は四国随一の”花火県”でもあるのです。
ちなみに小松島市や那賀郡、海部郡などで製造されている花火の中には吹筒の技法が代々伝えられたものがあります。(本大会においてもオープニングスターマインの前に披露されます)
花火満足度5つ星!芸術花火のオンパレード
にし阿波の花火の魅力はなんといっても全プログラムにおいて芸術性の高い花火が拝める点にあります。
本大会のプログラムは大きく以下の3つで構成されます。
- 花火競技
- ミュージックワイドスターマイン
- メッセージ花火
花火競技はもちろんのこと、その他のプログラムにおいても全国各地の凄腕花火師さんが創り上げた芸術花火を楽しめます。
花火競技
本大会におけるメインプログラム。
以下の3部門で競われ、参加する煙火店さんはすべての部門に作品を出品します。(第2回大会は9社が参加)
- 大玉(芯入割物)
- 大玉(自由玉)
- スターマイン
大玉部門では10号玉の割物花火2発(芯入割物、自由玉)が披露されます。
開発と消失のタイミング(玉の座り、消え口)や形の美しさ(盆、肩)が評価ポイントとなります。
スターマインでは幅80m、最大5号玉の花火を使用した作品が披露されます。
打ち上げのリズムやストーリー性、音楽とのシンクロ度合いなどが評価されます。
花火競技だけあって、通常の花火大会ではなかなかお目にかかれないような珠玉の作品を堪能できるのが魅力です。
ミュージックワイドスターマイン
花火競技の余興を彩るプログラム。
オープニング、グランドフィナーレおよび競技の合間に、最大300m幅のミュージックワイドスターマインが披露されます。
視界いっぱいに広がる豪華な花火に圧倒されることでしょう。
ちなみに本大会のミュージックワイドスターマインは、地元・徳島県阿南市に拠点を構える岸火工品製造所さんがグランドフィナーレを担当し、それ以外のプログラムについては担当が大会毎に入れ替わります。
そのため、大会毎に雰囲気の異なるスターマインが楽しめるのも魅力の一つです。
メッセージ花火
花火競技の合間に披露されるプログラム。
構成は至ってシンプルで、メッセージを読み上げてから単打ちの花火が披露されます。
一般的にメッセージ花火といえばシンプルなものが披露される傾向にありますが、本大会で披露されるのは全国各地の煙火店さんが手がけた逸品花火!
これは僕の勝手な想像ですが、「にし阿波の花火に一切の妥協なし!」という本大会を主催するSMASH ACTIONさんからのメッセージも込められていると思われます。
メッセージ花火だからと油断していると究極レベルの芸術花火に腰を抜かすことになりますので、心の準備を整えておきましょうw
大迫力の花火を存分に楽しめるメイン会場
にし阿波の花火のメイン会場では老若男女が花火を存分に楽しめるような環境が整えられています。
まずはメイン会場の概観を見ていきましょう。
南北を山々に囲まれた秘境感あふれる環境となっていますが、この山々に花火の音が反響し数値以上の迫力を生み出してくれます。
そのメイン会場内にはさまざまな人数構成に対応した観覧席が設けられます。(全席有料)
第2回大会では、カップルや夫婦に最適な「ペア席」、家族・グループでの観覧に適した「6人席」および「4人シート」、三脚を利用して撮影される方向けの「カメラ席」、車椅子を利用されている方向けの「車椅子席」が設けられました。
全席とも花火打ち上げ場所までの距離が近く、大迫力の花火を存分に堪能できるのもポイントです。
さて、花火大会に欠かせないものといえばやっぱり屋台メシ!
第2回大会ではメイン会場内に86店もの屋台・キッチンカーが設けられ、各地のお祭りでよく見る屋台に加え、全国展開するデリバリーピザ店や四国名物を取り扱ったお店も軒を連ねました。
さて、小さなお子様を連れたご家族の方々にとって悩ましいのが花火打ち上げまでの待ち時間… そんなひとときを楽しくしてくれるのが子供広場です。
広場には巨大なエアー遊具が備わっていて、親子で楽しい時間を過ごせるようになっています。
さらにさらに徳島県が世界に誇る伝統芸能の阿波踊りも!!
花火そのものだけでなく、打ち上げが始まる前から存分に満喫できる仕組みが備わっているのも魅力です。
帰りの混雑も超一級品
国内最高峰の花火が楽しめるにし阿波の花火ですが、帰りの混雑も(悪い意味で)一級品となっています。
無事 帰宅〜〜
会場でお会いした皆さん お疲れ様でした
にし阿波の花火を堪能しましたか?
最後のフィナーレは感動しました
その余韻も3時間のバス待ちで薄れてしまった— てんきち (@10_kichi) November 11, 2023
20時に、にし阿波花火終わって、駐車場へのシャトルバスに乗るのに23時…感動が吹き飛ぶほどの圧倒的疲労感!家に着いたのは1時前 pic.twitter.com/ClHDM7hpIn
— 【ドエル】たんごくれんじろう (@heerokkusu13666) November 11, 2023
X(旧Twitter)上にあふれる悲痛の声に「ちょっとした冗談かな?」と思いたくなるわけですが、20:00頃に花火が終了してから公式駐車場へ向かうシャトルバスへ乗車するまでになんと3時間45分も要しましたw
これは周辺道路における渋滞対策で、会場から退場する流量を制限するようなオペレーションが行われていたものと思われます。(実際、会場周辺の道路に目立った渋滞は見受けられませんでした)
ちなみに第1回大会では会場周辺の道路において大渋滞が発生したそうです。
昨日の「にし阿波の花火」は192号線西向きが最大13キロ県道鳴池線徳島自動車道美馬ICともに10キロの渋滞だったんですね。来期以降はこの渋滞対策をしてから開催されてもらいたい。(遠方からでもライドアンドパークとかJRと協力して駅からシャトルバス)運行とか。 #にし阿波の花火
— まさかず (@handasomen) October 5, 2019
にし阿波の花火
帰りは全く動かない‼️ pic.twitter.com/nnRzvXlnvB
— ★ダイスケ★ (@vortisgo5) October 5, 2019
花火に妥協のないSMASH ACTIONさんですので、きっと改善に向けて動いてくださると思いますが、もともと交通網がそれほど発達していない地域で開催される大会なので、訪れる際は留意しておきましょう。
まとめ
本記事ではにし阿波の花火の魅力などについて紹介してまいりました。
全国各地の煙火店さんが手掛ける珠玉の花火を、プログラムの最初から最後まで大迫力とともに楽しめるのが魅力となっています。
さらに四国名物が味わえる屋台・キッチンカー、徳島県の伝統芸能・阿波踊りの披露など、花火以外の部分も楽しめます。
まさに花火満足度五つ星といっても過言ではない大会ですが、帰りの混雑については覚悟が必要な点はご注意を。
本記事が、にし阿波の花火を現地でご覧になってみたい方の参考になれば幸いです。