2019年3月24日(日曜日)、広島県三原市幸崎町能地へ「能地春祭り」を見てきました。祭りは3月第4土曜日と翌日日曜日に 行われます。能地(のうじ)と読み、目の前は漁業で栄えた港町です。古くは日本書記にも載ってるらしく、瀬戸内海漁業の発祥の地と云われてます。100年以上の伝統もあり、毎年行われてる「浜の祭り」は、常磐神社の春祭りで、豊漁を願う勇壮な祭りで、神輿の渡御や、1丁目 2丁目 3丁目 4丁目の各町内から「ふとんだんじり」が繰り出してきて祭りに華をそえます。
三原市幸崎町(さいざきちょう)と読んで、旧名は佐江崎で、瀬戸内漁業発祥の地と云われてる理由に、家船で水上生活をしていた漁民の根拠地があったらしく、平家の落ち武者の末裔であるという言い伝えがある漁港です。現在は造船所のクレーンが鎮座してるので場所はすぐわかります。港に大きい駐車場が整備されてますので、祭りを見に行くには大変いい場所です。町内に日本画で有名な「平山郁夫」さんに美術校を受けろと言った、祖母の兄で彫金家の「清水南山」さんの資料館もあります。歴史を聞きながらお茶とお饅頭も頂けて、お祭りの進行表と町内マップ等も配布されますので、初めに寄ってみてください。
さあ!お祭り紹介です。
2日目のレポートしかできませんが、ふとんだんじりの流れを、まず2つのだんじりが対峙します。祭り写真は16時半頃の常盤神社到着してからの1番のクライマックス部分から紹介していきます。
船の上で暮らしていた人たちもこの祭りの前の旧正月14日神明祭には帰り、世話人の「当家」を決めるくじをして祭りを行ってたようです。祭りは旧正月27日28日としてましたが、平成5年から現在の日時になったようです。
対峙した2つのだんじりが正面でぶつかり合いお互い負けじと押し合います、そうすると頑丈なだんじりが、ミシミシと音を立てて中央へとせりあがっていくのです!!!だんじりは4台あり、あまりの激しさに2丁目は限界で修理募金を募ってましたが、祭りがはじまれば燃えて練りあってました。保存には町内の方の苦労と協力が必要ですね。
常盤神社前は町内で1番開けてますので、グイグイ上がっていきます。だんじりは「楽車」と書きます、各地に呼び方がいろいろあるのも興味を引きますよね。
世話役になれば、心配事が増えますよね、この地域は若い方がほぼ祭りを取り仕切ってますので、見ている方がハラハラしてきます。ふとんだんじりは渡御する神輿を激励と祝いを込めて、激しい練合を行い天高くぶつかり合うのが、能地春祭りの見どころです。
これが最終状態で、これを元に戻すのがすごく危険なのです。倒れそうなので見学者は後ずさりでした。楽車は天保から明治頃に伊予新居浜に出魚した方が見て帰ったのが始まりらしく、広島県では珍しいだんじりが伝わったんですね。広島県無形民俗文化財の指定も受けてます。
写真は少し前後してますが、だんじり練合、勝者練合等あり、見どころは満載です。珍しいだんじりと神輿の練合もああってビックリ!!
練合でバランス悪ければ、崩れ落ちお互い横に向いても相手の横っ腹に突進!!こんなシーンも初めて見ました!!!
でも戦いではないので、みなさん楽しそうに見えます、もちろん危ないので真剣ですが、4町に分かれてますが皆さんほぼ参加なので、別々の写真合わせても違和感なかったです。
さらに遡ってお昼に戻ります。日曜日は13時から老婆神社から奉納太鼓・巫女舞、14時に神輿・ふとんだんじり出発があります。老婆神社前は狭いので、特に注意が必要です。2日目は宮入も19時半から行われ22時ころまでありますので、時間あれば最後まで見てください。
近くから見たらこんな感じで、ぶつかりせりあがっていきます。2回見るチャンスがあるので北へ南へパチリパチリ&声援を忘れません。この練合の激しさは、渦潮に乗る船の様子を表現しているのです。
写真には載ってませんが、担いでるだんじりを真下に突然落としたり、土台を中心にクルクル廻ったりといろんな練りが見れます、担ぎ棒が折れる事や、ふとんが吹っ飛んだりする事もあるそうです。落とすときの音が凄くてビックリします、落とす行為は初めて見た気がします。
写真は近くで撮ったので、引きの写真があればもっとスケールわかったのですが、迫力満点!ふとんだんじりの下には神童が振動に耐えながら太鼓を打ち鳴らしてます、右側にちょこっと写ってるのが神童です。2名×4町の8神童が参加します。
警察も出動するので、昔はそうとうな祭りだったのでしょうね、楽車が軒先を壊すこともあるので見学も注意が必要です。資料館に昔の写真がありましたが、皆さん屈強な男達!ここまで練り上げるの凄いですね!縄も飾りもシッカリ編み込み固定しないと、命綱ってのが最後の映像でわかります。
どや!小さいころから町内のお祭りに参加してるから、自信と誇りがあるって感じですね。土曜日には神輿は石段登りもあるので次回は土曜日も見に来たいですね。掛け声は「ヤートコセー ヨーイヤナー」だったと思います。神童は7歳くらいまでで、顔に白化粧と口紅、ほっぺに町名を書いて、神童は神の代理としてるため、穢れを遠ざけ、決して大地に触れさせないようにしてます。移動の際は、青年が肩車をする。小用のときは、膝に抱えてあげます。太鼓をたたきながら「てんびんじょい、ほうれんじょい、世の中みことに、さしてくれ」と唄います。意味が「だんじりさん、みこしさん、世の中、見事に平和にしてください」そして若者が担ぎ上げるみたいです。
最後の紹介は、8神童達と町内総出の獅子太鼓ですが、こちらも凄いです!太鼓は48手も打ち手があり、「平和と五穀豊穣、大漁を祈願」奉納されるものですが、ちゃんぎりや笛、獅子舞も加わり、軽快なリズムとだんじりを見た興奮も相まって、気分は最高潮!!祭りは幸崎町能地春祭保存会や幸崎中学校郷土芸能班やOB・OGで支えられてます。
独特の作法もあり、まさに町内総出の大祭りでした。記事の内容は南山資料館で頂いたパンフレットを参考に書かせていただきました、ありがとうございました。
皆様ありがとうございました、お怪我をされた方はお大事に、来年もよろしくお願いします。