360年以上の歴史をもつ、大垣八幡神社の祭礼「大垣まつり」は、毎年5月中旬に行われます。見どころはなんといっても、「山・鉾・屋台行事」の1つとしてユネスコ無形文化遺産にも登録されている「軕(やま)」の共演です。
この記事では、2022年の開催レポートと共に、2023年の開催情報をお届けします。
岐阜・大垣のお祭り
岐阜県の南西部に位置する大垣市。大垣城を中心とした城下町には地下水が豊富なことから街中に水路が巡り、水の都と言う別名を持っている街です。市内には中山道と東海道を結ぶ美濃路が通ることにより古くからの交通の要所でもあり、関ヶ原の戦いの直前には石田三成が大垣城へ入るなど、重要視されてきた土地でもあります。そんなこの大垣の地で、毎年5月中旬に開催されるお祭りをご紹介。その名も、「大垣まつり」です!
3年ぶりに13両の”やま”が勢揃い!
江戸時代初期の1648年(慶安元年)にはじまり、374年もの歴史があると言われる大垣まつり。今年は昨日、5月15日に開催され、大垣駅前にはお祭りの開催を知らせる旗がたくさん出ていました!
ここの数年は感染症対策から縮小開催されていた大垣まつりですが、今年は3年ぶりに13両の軕(やま)が揃っての開催となりました!お祭りスタートの8時30分を前にして、早速軕が勢揃いしています!
並んでいる軕は、1679年(延宝7年)に大垣藩主だった戸田氏西(うじあき)公が提供した「神楽軕」「大黒軕」「恵比須軕」の3軕と、飾り付けやからくり等に趣向を凝らされた10ヶ町のものになり、1つ1つに特徴があります!
こちらが藩主から提供された中の一つ、恵比須軕。大きな鯛を持ちおめでたい姿ですね!
お祭りの中心地となる大垣八幡神社へとやってきました。まずはお参りを済ませましょう!
鳥居前へと来ると、軕の動き出しを前に神事が行われていました!
氏子の皆様と共に、大垣まつりの無事の開催が祈られます。
ユニークなからくり
さあ、8時30分になり、軕が動きだします!13両の軕が大垣八幡神社の鳥居前へと進み、次々に奉芸を披露して行きますよ!
スタートを飾るのは、神楽軕の巫女舞です!操り人形なのですが、鈴を持ちながら見事な舞を披露していきます!ちなみに人形の巫女は”市”と言う名が付いておりますが、かつて神社にいた美しい巫女の名に因んでいるんだとか。
芸を披露し終わると、入れ替わりで次の軕が進んできます!
布袋軕の唐子人形です。見事な舞を見せました!
続いては猩々軕から獅子が登場!咲き乱れる牡丹の花と戯れます。
獅子舞が激しく舞っています!回転する軕もお見事!#大垣まつり #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/Mgawn71U1T
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) May 15, 2022
まさかのなまずまで!からくりでなまずは初めて見ました!
なまずを取り押さえようとする翁との攻防がなかなかに見物です!
山車のカラクリで、なまずなんて初めて見た!#大垣まつり #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/8VBkH68cQW
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) May 15, 2022
天岩戸伝説で有名な天鈿女命も、鈴と榊を持って踊ります!
神社正面を向いて、披露されていく奉芸。美しい光景です!
ここからは軕の動きにご注目!軕は前と後ろに持ち手があり動かされていきます。
そして見どころなのがこのシーン。前の人がジャンプして…。
グッと軕を傾けます!
もう一度見てみましょう。しっかりと体重をかけて…。
傾けます!
続けて軕がやってきますよ
正面から傾ける様子もどうぞ!
傾けたまま、回転させることもできます!
再びからくりを見ていきましょう!「高砂」が演じられる中、海から見事な紙吹雪が上がりました!
こちらはなんと、人形が習字を行っていきます。
書かれた文字は、「大垣まつり」!これはお見事です!
子ども舞踊が花を添える
軕の中にはからくりだけでなく、子ども舞踊を行うものも存在!その一つ、玉の井軕がやってきました!
こちらには、5名の踊り手の皆様が乗っていました!
さあ、鳥居前へと歩みを進めます。
まずは傾けたまま正面に向かいご挨拶!
演じられる一つ目の演目は「黒田節」。民謡では「酒は呑め呑め」と言うフレーズですが、それを思わせるような団扇で作った盃を口元に寄せるシーンも。
それ以外にも凛々しく踊られていきます!
大垣まつりが3年ぶりに開催されています!踊りが有名な玉の井軕は、黒田節からの奉納です!
凛々しい踊りですね!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/oGVfS8gkEv— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) May 15, 2022
二つ目の演目は「舞妓」。先ほどとは雰囲気が変わり、かわいらしい姿での登場です!
花や団扇を持ち、柔らかく踊られました!
軕の舞台で、舞妓踊が披露されています!柔らかく踊られ美しいですね!#大垣まつり #玉の井軕 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/n5gV5XSxSI
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) May 15, 2022
像のようにポーズを決める!さらに軕を傾け、そのまま退場していきました。
もう一つ舞踊を披露する軕があります。松竹軕です!見事な演目が披露されていました!
城下町を進む
奉芸を終えた13両の軕は、神社を離れ城下町の中へと移動していきます(今年は特別巡行路)。水の都ならではの、こんな光景にも出会えますよ!
城下の道を、一列に並んで進んでいきます。
地点地点でからくりや舞踊も演じられます。神社で見られなかった方はこちらに注目しましょう!
周辺情報・アクセス
大垣八幡神社の境内では、お神輿の展示が行われていました!例年ですとお祭りに合わせ担がれるのですが、今年は展示でのお披露目となっています。なお同様に感染症対策の観点から、今年は露店の出店はなし、夜宮は中止し12:00で終了など、状況に応じた工夫を凝らしてのお祭り開催となっていました。このような状況下でもお祭りを開催してくださる関係者の皆様には感謝ですね!
大垣へやってきたら、名物も食べたいですよね!こちらが水の都ならではの「水まんじゅう」!つるりとした食感が特徴的で、冷たい地下水で冷やされた水まんじゅうは、これからの暑い時期にぴったりの一品です!
■大垣駅へのアクセス
【岐阜から】JR東海道本線で約11分。
【名古屋から】JR東海道本線で約32分。
【米原から】JR東海道本線で約30分。
【福井から】JR北陸本線 特急しらさぎで約1時間40分。
2023年開催情報!
日程:2023年5月13日(土曜日)~5月14日(日曜日)
会場:大垣八幡神社周辺、東外側通り、大垣駅通りほか
出軕自由巡行 13日11:30〜17:00
駅通り勢揃え 14日16:00〜17:00
大垣まつり行列 14日17:20〜17:40