Now Loading...
マツログ

大曲の花火、令和最初の内閣総理大臣賞は茨城県の野村花火工業!表彰式まで潜入レポート!

大曲の花火、令和最初の内閣総理大臣賞は茨城県の野村花火工業!表彰式まで潜入レポート!

花火にあまり興味がない人にも知名度抜群である秋田県大仙市で開催されている全国花火競技大会 大曲の花火。2019年現在で人口35,000人程度の大曲地区に70万人と言う、普段の20倍もの人間が花火大会を目的に集まってきます。(これでも一時期よりは減った)

どうやら開催前にも問題があった様で数年前から大曲の花火は8月最終土曜日と変更になっていたのですが、今年は初めて第5土曜日に開催になった為、その事実を知らなかった人達が一週間前に大曲に来てしまい、運営スタッフは対応に追われてしまった様です。

毎年恒例の行事であっても日程の変更は十分あり得ますので必ず公式HPやSNSなどを見てから出向くべきです。特に来年は東京オリンピックの関係で各地の花火大会の日程が変更になる様なのでくれぐれもご注意ください。

会場の様子・概要

日中は大雨が数度ありましたが、花火の時間には天候も回復し、何とか無事に開催となった大曲の花火。今年新しく変更になった点は、観覧席券か有料自由観覧券がないとメイン会場に入れなくなった事です。有料自由観覧エリアとは観覧席の両脇にある当日販売される数量限定の自由席になり、利用するには会場設営費の名目で1,000円が必要になります。

その結果、自由席や屋台で買い物をする人達が減り、メイン会場内での混雑がかなり緩和されました。おそらく以前は大混雑で分かり辛かった自分の観覧場所にも迷わずに行きやすくなったと思います。しかし、その反面、有料席の入口付近にある屋台に多くの人が並んで溜まってしまい、なかなか観覧会場に入れない事態を引き起こしてしまった様です。

全国花火競技大会 大曲の花火 公式サイト
最大号数 尺玉
打ち上げ数 約18,000発
時間 17:15~21:30
主催者 大曲商工会議所
担当煙火店 全国27社

競技花火結果

・昼花火の部 5号玉5発

日本で大曲の花火でしか見られない昼花火の競技大会。5号玉(開花直径約150m)を5発打ち上げます。場所的に仕方ないとは言え、メイン会場が厳しい西日に晒されてしまう為、曇りの日でないと折角の昼花火が見えにくいのが難点です。

【優勝】(秋田県)小松煙火工業  7.五色連龍の舞

【準優勝】(群馬県)菊屋小幡花火店  17.昇曲付煙竜の舞

【優秀賞】(東京都)ホソヤエンタープライズ 5.夕暮れに咲く藤の花
【優秀賞】(長野県)信州煙火工業 20.昇煙竜付紫煙蜂
【入賞】(山梨県)齊木煙火本店 12.五龍之舞
【入賞】(福岡県)高田花火工業 8.煙柳に夕暮れの輝
【入賞】(福島県)菅野煙火店 11.昇り曲付柳に五色の煙竜

・夜花火の部 10号芯入り割物

三重芯(四重の円)以上の割物花火を1発打ち上げます。当然ながら芯の数が増えれば増えるほど、作成の難易度が上がるので高得点になります。現在では五重芯までが何とか認識できる最高地点になっています。

【優勝】(茨城県)野村花火工業 15.昇曲付五重芯変化菊

【準優勝】(山梨県)マルゴー 18.昇り曲付四重芯変化菊

【優秀賞】(長野県)伊那火工堀内煙火店 24.昇り分砲付四重芯菊先緑銀乱
【優秀賞】(秋田県)小松煙火工業 21.昇曲導五重芯変化菊
【入賞】(秋田県)響屋大曲煙火 26.昇曲付四重芯菊先紅銀乱
【入賞】(長野県)紅屋青木煙火店 19.昇曲付四重芯変化菊
【入賞】(長野県)篠原煙火店 27.昇曲導付五重芯菊花の極

・夜花火の部 10号自由玉

以前は芯入り割物と同じカテゴリーで審査されていましたが、2013年より別々で評価される様になりました。特に花火の種類にはこだわらず独創性や技術的な部分が評価の対象になっています。

【優勝】(茨城県)野村花火工業 15.新緑の躍動

【準優勝】(秋田県)響屋大曲煙火 26.翡翠をちりばめたペンダント

【優秀賞】(秋田県)小松煙火工業 21.プリズム(光が分散屈折する多面体)
【優秀賞】(東京都)丸玉屋小勝煙火店 13.トリコロールの花
【入賞】(山梨県)マルゴー 18.雪どけの華
【入賞】(新潟県)片貝煙火工業 12.越のこころ
【入賞】(静岡県)三遠煙火 22.ダイヤモンドダスト

・夜花火の部 創造花火

大曲の花火の発展に貢献した故・佐藤勲氏による「花火は丸くなくても良い」から始まった創造花火。2分30秒以内で題名に則した花火を打ち上げます。色彩、リズム、立体感などが審査のポイントになり、一番配点が高い競技内容です。

【優勝】(愛知県)磯谷煙火店 2.オバケも踊るハロウィンパーティーナイト

【準優勝】(茨城県)野村花火工業 15.新緑の躍動

【優秀賞】(秋田県)小松煙火工業 21.月夜に現る幻想の滝
【優秀賞】(山梨県)マルゴー 18.近未来幻想紀行
【入賞】(東京都)丸玉屋小勝煙火店 13.トリコロールの花 ~フランスからの贈り物
【入賞】(長野県)篠原煙火店 27.惑星ループ ~Circle・Circus~
【入賞】(山梨県)齊木煙火本店 16.Trick or Treat ~キャンディちょーだい~

スポンサー花火

・オープニング ナイヤガラ付スペシャルスターマイン

夜花火の部は、「夢の空」の曲に合わせたナイヤガラ付のスターマインで始まります。どうやら今回は直前に降った豪雨でナイヤガラ花火が湿ってしまった様で、残念ながら途中までしか火が付きませんでした。

・スペシャルスターマイン

競技と競技の合間に行われるスポンサー企業によるスペシャルスターマイン。今回は4つのプログラムに分かれており、大玉入りスターマインの内容だったりもします。

・特別プログラム

前年度に内閣総理大臣賞を獲得した煙火店によるスターマイン。今年は群馬県の菊屋小幡花火店による「光と闇のレクイエム」のタイトルで行われました。

・大会提供 花火ミュージカル 令和祝祭

幅900mを使ったワイドミュージックスターマイン。おそらく大曲の花火に見に来るほとんどの観客が目的としている大会提供プログラムになります。今年は新たな挑戦として、地元の劇団であるわらび座による監修で花火を使ったミュージカルが行われました。

・フィナーレ 特大スターマイン

10号玉30連発を含めたスターマイン。競技大会の様な技術を競う為の花火ではなく、安定した良質な10号玉が次々と打ち上がります。

表彰式

今回は地元の新聞社である秋田民報社様のご協力により表彰式にも入らせていただきました。翌日の10時から開始になり、場所は大曲エンパイヤホテル。これだけの花火師さんが一同に集まる機会を見たのは初めてでした。

関係者による挨拶の後、各4部門の優勝、準優勝の煙火店は壇上に上がり賞状やトロフィーなどを受け取りますが、優秀賞、入賞は時間の関係でその場で立ち一礼。総合優勝者である内閣総理大臣賞の煙火店は何度も壇上に上がる必要が出てくるので、あらかじめ出やすい様に席順が決められています。

今まで内閣総理大臣賞は花火競技大会で最高峰の存在として名前を使っているのかなと思っていたのですが、きちんと安倍首相の名前で賞状が発行されており、改めて権威のある賞である事を知りました。

内閣総理大臣賞、芯入割物 優勝、自由玉 優勝・日本煙火協会会長賞、創造花火 準優勝(茨城県)野村花火工業

 昼花火 優勝(秋田県)小松煙火工業

昼花火 準優勝(群馬県)菊屋小幡花火店

芯入割物 準優勝(山梨県)マルゴー

自由玉 準優勝(秋田県)響屋大曲煙火

創造花火 優勝(愛知県)磯谷煙火店

特別賞 創造花火 佐藤勲賞(東京都)丸玉屋小勝煙火店

その後は、審査員4名による花火の講評。審査委員長である東京大学教授の新井充氏は花火の書籍なども出している専門家であり、作品ごとに詳しい内容を説明してくれました。また、書家/アーティストである紫舟さんもかなり花火について勉強されているのを知れて良かったです。

個人的には山梨県のマルゴーがまだ内閣総理大臣賞を獲得していないので受賞して欲しかったなとは思いましたが、今回は無難な審査だったと思います。

講評 審査委員長 新井充氏

表彰式の後は、隣の会場で祝賀会が行われていたので、こちらも少しだけその様子を撮影させていただきました。初めてだったので色々と勝手が分からない状態でしたが、貴重な機会を得られて勉強になりました。

まとめ

今年は令和になって最初の年なので、久し振りに行ってみた全国花火競技大会 大曲の花火でしたが、雨予報に悩まされたりと色々あった中でも無事に最後まで見られて良かったです。

今回、初めて打ち上げ場所に近いA席で見てみましたが、やはり一般客にとっては競技花火が続いてしまうと飽きてしまう様で次々と席を立ってしまい気になって集中できなかったのが残念でした。以前観覧していたC席は後方なので少し遠くなってしまいますが、高い位置で見られるし、花火が大好きな撮影者も多いので花火に集中したい人はそちらの方がオススメかもしれません。

また、大曲の花火に一度でも行った事がある人は分かると思いますが、会場設営費に莫大な費用がかかっています。高速道路の入り口から街の至る所まで誘導員がおり、花火観覧に関係のないメイン会場以外の場所でも多くの人員が必要になっています。今回、有料自由観覧エリアを設定したのは、その負担を減らす為の第一歩だと前向きに捉えられました。

大曲の花火は、東京や大阪などの都会の花火に近いものがあり、有名になり過ぎてしまった事での問題が沢山出ていると思われます。富士山を登山するかの様に一生に一度は行ってみたいと言われる大曲の花火ですが、純粋に花火の良さを知って貰う為には大混雑の中で見る難しい内容の花火競技大会ではなく、まずは春の章や秋の章でのエンターテイメント性の高い花火大会をオススメしたいものです。

10/12(土)18:00-19:15 大曲の花火 -秋の章- 花火劇場 万葉のひびき

written by
蛭田 眞志

蛭田 眞志

花火専門カメラマン、ライターです。
日本の良質な花火文化の記録・拡散を理念に活動中。個人のWEBサイトでは「花火の心得」を運営してます!
お祭りの最新情報をチェック!

あわせて読みたい