2020年8月15日に開催した、全国のお祭りをオンライン上に集結させたイベント『オンライン夏祭り2020』。その中で、(株)あんふぁに のMac代表をお迎えして行った、お祭りの未来を考えるオンラインワークショップをレポートします。読者の皆様の理解が深まるよう、ライターの感想や参考も加えながらお伝えをしていきます。
「祭」とはそもそも何か
「祭」の文字は、肉(にくづき)、手、神に生け贄を供える台を表現しています。それから読み取れる定義は、「神に供物をささげて祈り、慰霊を行う儀式」です。また、神仏や祖先に感謝し、みんなの共通の願いを祈り、それらの願いを共に叶えて行こうとする想いが具現化したものであり、10年先も、20年先もずっと続いていくことが望まれる「文化」でもあります。
そんなお祭りの拠り所である地域の定義が変化しつつあり、またお祭り自体の方法も時代やテクノロジーを反映したものになりつつあります。未来の祭はどのようなものになるのでしょうか。
※参照リンク
神社本庁 神社のお祭りとは https://www.jinjahoncho.or.jp/omatsuri/jinja_no_omatsuri/jinjanoomatsuritoha
現代のお祭り例 仮想通貨奉納祭 https://omatsurijapan.com/blog/virtual-currency
「地域の拠り所」が変化している
地震、集中豪雨、新型コロナのような感染症による災害が毎年のように起こり、地域の拠り所というものが変わらなければならない時期に来ているかもしれません。また年齢、性別、障害、宗教も多様化して来ており、様々な価値観の人が一緒に住むようになり、そういった側面からも拠り所を再考するタイミングかもしれません。それを考えないとみんなが楽しめるお祭りは難しいのではないかと考えられます。
例:広島県の避難場所
広島型建築プロポーザル方式によって熊野町に二階建て500人収容の指定緊急避難場所が建てられています。災害時以外は地域活動や防災教育に使い、多様な人たちが快適に過ごせる空間づくりを重視し、授乳室、ペット可、個室に出来る和室等を設ける予定だそうです。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/miryoku/proposal.html
感染症、自然災害が起こることを前提に、色々な人達がみんな集まってもハッピー。これからの「地域の拠り所」はどのような形になるのでしょうか。
代表例
アイデア1:車×自炊
個人空間が必要です。そのため車でいれるよう大きい駐車場が必要ではないでしょうか。キャンプできる場所なら自炊が出来ます。避難経験からトイレ、風呂も大事ですが、何より自分で能動的に食べることが可能かどうかが重要に感じました。今のやり方だと食糧等、避難物資が出てくるの受身で待つしかなく、ストレスも溜まります。
アイデア2:常にキャンプできる暮らし
家の中にキャンプ用品を取り入れる計画をしています。災害になったらキャンプ用品を一式持って避難所付近で生活することができます。避難所の共用施設も利用しつつ、個人空間も確保でき、暮らしにキャンプを取り入れれば、無理なく災害時の自力を高められます。
アイデア3:クルーズ船
地域でクルーズ船を準備する案。河川、海沿いの街には、津波や洪水対策にいいのではないでしょうか。建物をつくるより地域でクルーズ船を持った方がいい自治体等もあるのではないでしょうか。困ったとき、寄って来てくれる避難所としても期待でき、面白いですが価格面に疑問があります。
「地域」の拠り所を基に、10年後の「お祭り」はどうなる?
新型コロナの影響で多くのお祭りが中止となっていますが、お祭りの再開に際しても感染症対策として「密閉(closed)×密(dense)」から「開放(open)×疎(sparse)」な状態が望まれています。イメージとしては、キャンプのような野外の空間でしょうか。
また、そこに政府が主導しているSociety5.0のITのテクノロジーが入ることで、より人の可能性が開ける社会になっていくのかもしれません。Withコロナも悪いことだけではなく、感染症対策とIT化が進み、お祭りも新たなフォーメーションが生まれるかもしれません。
開疎化やテクノロジーを念頭に、10年後のお祭りはどうなっていくのでしょうか?一気に変えるのは文化ではなくイベントになってしまうので、20年先も、100年先も続いていくことが期待できるものを考えましょう。
議論1)イベントとお祭りの違いは?
みんなの共通の願い祈りを神仏等と叶えるのがお祭り本来の姿です。イベントは車のドライブスルー式イベントやゲーム等、沢山ありますが、すべてを文化にするのは難しく、飽きることもあります。お祭りは街の誰かが頑張って運営し、毎年続き、そして飽きないものだと思います。
議論2)各地のお祭り鑑賞をするお祭りはどうか?文化の融合?
地域ごとに沢山お祭りがありますが、コンサート会場等のモニターを活用し、8月のお祭りをモニター表示。サマソニみたいに、モニターに映し出されるそれぞれのお祭りエリアの前で騒いで楽しむことが出来ます。1つのお祭りに行けば、全国の色々なお祭りにリモート同時アクセスができるイメージです。
議論3) 小規模なお祭りの場合は、そもそも運営を引き継ぐ人がいないのでは?
地域の小規模のお祭り等では、神事等の担い手がいないところも散見されます。スポンサー付けたり再編することで、リバイバルを図ることが出来るお祭りもあるかもしれません。このようなことを考えると、お祭りの所有者と運営者の分離が進む地域もあるかもしれません。
議論4)場所からお祭り、テクノロジーからお祭りへ
地域の拠り所が、お祭りの場所になるとみんなが簡単に集まれるので理想的です。お祭りは五穀豊穣、子孫繁栄などみんなの共通の願いを叶えるために神様と一緒にやります。コロナが10年後のお祭りを良く示しており、コロナが鎮まるように地域問わず花火を上げていました。10年後は色んなエリアの一つの願いを集約した、一斉打ち上げの花火のようにデジタルを使って一緒にやるお祭りというスタイルが存在するのではないでしょうか。テクノロジーは便利で、世界という単位でお祭りが出来る可能性もあります。
議論5)テクノロジーがあれば同時多発的に色々なことが出来る
黙祷の放送に似ています。みんなバラバラの場所にいますが、その特定の時間はみんな一緒にお祈りをします。価値観は多様化しますが、ここだけはみんな共通でやるみたいなことが定着すれば、昔のTVのゴールデンタイムのように「みんなが知っている」共通の事柄を共有する役割をお祭りに期待することができるかもしれません。
※参照リンク
安宅和人さん 開疎化 https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/19/131331
内閣府 Society5.0 https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
お祭りの未来について考えよう!
今回の「お祭り2.0 お祭りのミライを考える オンラインワークショップ」の主催者による取り組みが他にもあるので紹介いたします。こちらもチェックして、お祭りの未来について一緒に考えていきましょう。
株式会社あんふぁに 『ダビンチCLUB』
「コドモ・オトナ・地域」で創造。革新的なものづくりコミュニティ
今までのやり方や考え方じゃない、もっと根底から、突拍子もないモノ、
ありえないアイデアが次から次へと生まれます。
そしてそれを本気でサポートしてくれる、スーパーデラックスなオトナたち。
その組み合わせで、革新的なものづくり(オマツリ)をしましょう!
https://davinci-club.enfani.com/?page_id=2924
株式会社オマツリジャパン 『お祭り未来会議〜祭りの灯を絶やすな〜』
伝統文化の保存と継承の第一人者の方達をお迎えし、
Withコロナ時代の新しい祭りの在り方について考えるトークセッションをお届けします!
https://omatsurijapan.com/onlinefes2020/
「お祭り2.0 お祭りのミライを考える オンラインワークショップ」全編動画はこちら!