「お茶づけ海苔」や「あさげ」でお馴染みの「永谷園」が、日本全国の祭りで協賛と合わせた商品プロモーションを行なっていることをご存知でしょうか。
2019年は江戸東京夜市、目黒のさんま祭りに協賛。2020年も2月に岡山県岡山市にて行われた天下の奇祭「西大寺会陽」を皮切りに様々なお祭りでの協賛を計画していましたが、新型コロナウイルスの蔓延によって実施に至らないまま夏を迎えることになりました。
お祭りを取り巻く現状は依然として厳しい状況ではありますが、同社は今後も継続的なお祭りへの協賛を計画していると言います。なぜ「お祭り」なのか。その理由を探るべく、「ファンづくり」を目的とした社内若手有志のPRチームを率いる株式会社永谷園の山本真也さんにお話を伺いました。
目次
なぜ「お祭り」なのか?永谷園がその魅力に触れたきっかけは。
– まず最初に「お祭り」に協賛しようと思ったきっかけを教えてください。
「永谷園のファンともっと触れ合う機会をつくりたい!」と考えた若手有志のPRチームが2019年にできまして、そのコミュニケーションの方法の一つとしてお茶づけを実際に食べてもらうとか、うちの会社に触れてもらうとか、そういう「食のシーン」作りは大切にしたいよね。という話があったんです。昨年は「冷やし茶漬け」をPRしたかったので、「和」や「ごはん」のイメージと近いものと一緒にPRしたほうが消費者の方にも伝わりやすいだろうと考えて「夏祭り」を選びました。
– 実際にお祭りで出店してみて、「お祭りならでは」の魅力はありましたか?
「売って終わり」じゃなくてちょっとしたコミュニケーションがあるところです。来場されている方との繋がりはもっと作れるんじゃないかなというのは何回か出店して思っています。アンケートもさせていただくとか、そういう雰囲気は「お祭りならでは」かなと思います。年齢層が幅広いのも良いですね。
お客さんが実際に食べてくれた時の「声」は、社内にいるとなかなか感じられなくて。でも商品の味づくりをしたり、マーケティングをしたり、生産をしたりとか、どの部門にいてもそうした「声」って必要な視点だと思うので、PRという立場なんですけど、私たちも毎回勉強させてもらっています。
西大寺会陽での出店計画が取りやめに…しかし準備を進める中である気づきが。
– 祭りへの協賛を加速させる中、2月に予定していた岡山県岡山市の西大寺会陽への出店が中止となってしまい、悔しい思いをしたと聞いています。
そうですね。岡山には永谷園の工場もありますし、極寒の過酷な状況下で「お茶づけ海苔」の魅力を存分に活かして応援できるチャンスでしたので…ただ、このプロジェクトを進めるうちに気づきがありまして。
– どんな気づきでしょうか
西大寺会陽自体は開催されたので実際に行かせていただいたんですけど、参加する方とか見ている方全員に無料で「寒いけど一緒にのりきろう」みたいな感じで飲食物を配っている方がいらっしゃって、すごく雰囲気良いなって思ったんですよ。
– 西大寺会陽では炊き出しなどのお接待があるんですよね。
「温かさ」とか「地域の一体感」とも言えるんですが、年一回の楽しい行事を、参加しない方も周りで一緒に盛り上げようという空気を肌で感じて、そういうところを邪魔しない形でウチもお手伝いできたら良いなと思いましたね。
– 「みんなで力を合わせて一つのことやろうよ」という雰囲気のあるお祭りの魅力ですね。
岡山工場の社員にも西大寺会陽に「はだか」として出たことある方がいたので、その場でお茶づけを食べるにしても、トッピングに何が良いとか、どういう風に提供したらいいかとかを聞いてみたんですよね。そういう社内でのつながりもこれまでは全然無かったので、これをきっかけにメインの業務じゃないところでも協力しあえるようになったのが、会社にとっても良い影響が出てきてるなって思っています。現地でお会いした際にも、「全然言って、手伝うから!」と言われて、この関係性がめっちゃ良いなって思ったんですよね。仕事なんですけど、「仕事だからやる」感が全くないんです。
– 企業も含め、地域に関わる人々が協力しあってひとつのことを作り上げるのはまさにお祭りならではの魅力ですね。
最初は「ファンの声を聞きたい、PRをしたい」という動機でやらせていただいたんですけど、いろいろな祭りに行ったり見たりしていくうちに、「一緒に盛り上げたい」とか、「お祭りの雰囲気を壊すことなく参加したい」と思うようになりました。その中でお茶づけを使って盛り上がる何かができたら、楽しいお祭りで、美味しいものもあって…と、ウチも良い雰囲気の中でPRできて、幅広い年代の方に食べていただけるというのが一番だと思うんです。ウチだけが良いというのはもちろんダメだと思っていて、特にお祭りはそれに当てはまるなと考えています。
アフターコロナもお祭りに協賛!今後のビジョンは?
- まだ先が見えない現状ですが、例えば来年お祭りが開催できるようになったとき、永谷園さんがやっていきたいことはありますか?
協賛するお祭りの地元の方で、「やりたい!」という永谷園グループの社員がいればその方々を中心になって、地域を盛り上げていけたらいいなと思っています。最終的にはうちの会社を知って、商品を好きになってもらいたいとか希望はあるんですけど、こうした動きが活発になって、「この町のお祭りは自分たちに任せてくれ」という風に、全国各地でやれたらすごく面白そうだと個人的に思っています。
− やっぱり地域の祭りのことって地元の方がいちばんよく知っていますし、思い入れも特別なものを持っていますからね。
そうですね、自分たちの祭りで「やりたい」という気持ちが絶対に大切だと思います。
− 具体的にはどのような祭りでやっていきたいですか?
お茶づけとリンクしている祭りでやりたいですね。出店はできませんでしたが、今回の岡山の西大寺会陽のように、「出身地」などで「地元に恩返し」みたいなテーマでやるもの有りなのかなと思っていたりします。それが広がってお茶づけを食べる機会が増えると同時に、地域が盛り上がるといちばん良いですよね。
あとはやっぱり「お米の祭り」にはいつか出たいなと思っています。やっぱりうちの商品の多くがごはんと一緒に食べる物というところもあって、お米については大切にしていると言うか、パートナーと考えています。お祭りも五穀豊穣の意味があったりとお米との関わりがいっぱいあると思うので、また違う親和性が出せそうな気がしていますね。
「オンライン夏祭り2020」では特設ページ内で「屋台アレンジメニュー」を紹介!
- ところで、今回の「オンライン夏祭り2020」では永谷園商品を使ったおすすめのレシピを紹介いただけるとのことですが、どんなメニューをご紹介いただけるんでしょうか?
はい、今回は家でも気軽に楽しめる「屋台フードレシピ」から、「かき氷茶づけ」「みそ焼きおにぎり」「待つだけでトマトときゅうりの浅漬け」「鶏肉の梅風味から揚げ」をご紹介します!
- すごい!どれも美味しそうですし、屋台を連想させますね!しかも簡単に作れそうです。
うちの「アレンジレシピ」は簡単さがポイントなんです。お子さんも家族と一緒に楽しんでいただくことで、お茶づけを好きになるきっかけにできたら嬉しいですね。
- いまは祭り屋台で何かを食べることもできないので、気軽に家でお祭り気分を楽しめるメニューはとても楽しみです!
お茶づけの素って8袋入や4袋入なので、半分はお茶づけで食べてもらって、半分はアレンジで使ってもらったりすると、私自身も嬉しいですし、そういうのを作る面白さが伝われば「あ、こういうのもできるんだ」と好きになってもらうきっかけにできるのではと思っています。そもそも「お茶づけ海苔」が家にあってくれたら嬉しいなというところもあったりしますので。笑
- お祭り好きにはたまらないメニューなので、どんどん紹介させていただきます!笑