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A5ランク和牛に希少りんごをオンラインSERI(競り)、コロナ後の誘客のために(青森県平川市)

更新日:2020/12/29 工藤 健
A5ランク和牛に希少りんごをオンラインSERI(競り)、コロナ後の誘客のために(青森県平川市)

平川市は青森県のほぼ中央に位置し、津軽平野や南八甲田、そして、秋田県との県境にある碇ヶ関地域を有するさまざまな地形が入り混じった街です。環境を生かした農業や林業が盛んで、りんご栽培や稲作、畜産などが行われています。今回は平川市の特産物をオンラインで競り落とすという、コロナ禍だからこそ実現した「新しい様式」の体験コンテンツをリポートします。

青森県内では初挑戦の「オンライン競り」とは?

新型コロナウイルスの感染拡大のため、実際に現地を訪れる観光が難しくなっている昨今。「オンラインSERI(競り)」は、一般参加者がzoomを介してオンラインで競りに参加し、平川の特産物を購入するという、挑戦的な取り組みとなりました。地域の特産物をネットで販売したりオンラインで観光、物産を紹介したりする活動は各地域で実施されていますが、主催した平川市観光協会によると、オンラインの競りは青森県内で初の試みとのことです。

配信会場となったのは平川・碇ヶ関地域にある「道の駅いかりがせき」。青森県内のお土産や地元の野菜や果物が購入できるだけでなく、温泉施設や地産の食材をメインに使ったレストランなどもあります。開催日当日の気温は0度を上回ることはなく、積雪約20センチという雪の中で行われました。

12月にしては珍しいほどの降雪量となった12月にしては珍しいほどの降雪量となった

魅力あふれる平川三昧の特産品「りんご」「米」「肉」

オンラインSERIに出品されたものは3つ。すべて平川市内の生産者から持ち寄られた特産物です。りんごを出品したのは、農家の今井和人さん。今井さんが出品した「美丘(みおか)」は、青森県内でも流通することが珍しい品種で、今回の競りのため特別に10キロ箱を用意しました。今井さんは「食べると果汁があふれるほどジューシーだが、育て方が難しいためやめていく農家が多い。私は初めて食べた時の感動が大きく、その感動を消費者にも伝えたいため今も作り続けている。果汁に溺れてしまうようなりんご」と笑顔を見せます。

りんご農家の今井さんりんご農家の今井さん

「美丘」は果汁が滴り落ちるほど美味しさ「美丘」は果汁が滴り落ちるほど美味しさ

リモート出演となった水木精肉店の水木正千代さんは、「平川サガリ」を発信する第一人者です。「平川サガリ」とは低カロリーでヘルシーな牛の内臓肉の一種。東京で「ハラミ」と呼ばれる横隔膜の一部ですが、肋骨近くの肉厚の部分のみが「サガリ」と呼ばれ、柔らくてあっさりした特徴があります。平川の農家らは仕事終わりに家族などで集まり、バーベキューなどで好んで食べています。今回はB級グルメ・ソウルフードとして注目を集めている「平川サガリ」を炭火焼きし、すぐに真空パックしたものを特別に提供しました。湯せんすれば、焼いた直後のおいしさを味わえるものとなり、炭の香りが会場に蔓延するほどでした。

そして、そんな「平川サガリ」に合うご飯を提供したのが、農家の岩渕聖さん。岩渕さんが育てる平川産あきたこまちは、「青森県認証特別栽培米」の認証を受けています。さらには出荷直前に精米するという農家ならではのサービス付きの出品となりました。

リモート出演の水木さんリモート出演の水木さん

あきたこまちを出品した岩渕さんあきたこまちを出品した岩渕さん

最後の出品は、「豚金」の愛称で地元の方々から親しまれている「葛西精肉店」の葛西清仁さん。飛び入り参加となった谷川良太さんは、南八甲田の牛舎で牛を育てる「たにかわ牧場」の若社長です。谷川さんの牛肉は、今年10月に東京食肉市場で行われた全国肉用牛枝肉共励会に青森県代表として出品し、A5ランクの中でも最高位のNO.12に格付けされました。

葛西さんは、A5ランクに格付けされたひらかわ牛サーロイン肉を買い付け、SERIに出品。A5ランクのNO.12は、松坂牛や神戸牛などの全国規模の有名ブランドと並ぶランクで、谷川さんは「2年に一度出るか出ないかというほどの品質」と自信を込めて言います。

豚金の葛西さん(左)と実際に牛を育てている谷川さん(右)豚金の葛西さん(左)と実際に牛を育てている谷川さん(右)

A5ランクの霜降り牛A5ランクの霜降り牛

今はオンラインだけど収束した時に

商品紹介の後は、オンラインSERIをスタート。合図とともに、zoomのチャット機能を使って金額を投稿していくという方法で、スタート金額はどれも100円から。あまりの安さにネットの参加者からの驚きが伝わり、生産者たちもみな苦笑いで始まりました。

配信中の様子配信中の様子

1000円、2000円とすぐに上乗せされ、落札価格は生産者も納得の金額になったようで、一様にホッした表情を浮かべていました。今回のSERIには全国から28人が参加。タタミンの愛称で現場の司会を務め、SERIを企画した畳指(たたみさし)さんは「初めての挑戦で不安はあったが、盛り上がりは想定以上で自分自身が楽しめた」と振り返ります。

SERIの最後には、谷川さんの次男も配信に出演したSERIの最後には、谷川さんの次男も配信に出演した

畳指さんは青森市出身ですが、3年前に地域おこし協力隊として平川市にJターンし、現在も平川市に拠点を置いて活動しています。今回の企画について畳指さんは「平川市には私も知らないような魅力がまだたくさんある。オンラインSERIを通じて平川の魅力を少しでも発信できたのではないだろうか。コロナが収束した後にぜひ平川市まで足を運んでいただき、観光だけでなく食も楽しんでほしい」と話していました。

【告知】2021年1月にもオンラインツアー開催!

1月17日 15:00~ オンライン平川ねぷたガイド&うちわづくり体験
平川ねぷたは、青森ねぶたや弘前ねぷたとも違う特徴があり、中でも世界一の大きさを誇る扇ねぷたがあります。そんな世界一の扇ねぷたを見ながら祭りについて深く知り、地元の囃子組の演奏を聴きながらねぷたを楽しめるオンラインコンテンツです。併せて、事前に体験キットを購入いただくことで、実際に手元に届くねぷた絵作りのワークショップも行います。
https://mitemite-hirakawa.com/travel/neputa/

1月17日 12:00~ オンライン平川サガリ体験
サガリとは、牛の横隔膜の部分のお肉。平川では、東京でいうハラミの部位も含めサガリと言います。平川市内ではサガリを扱う精肉店が多く、比較的手に入りやすいことから農家の間では作業後や人と集まる時に、バーベキューをしながらよく食べられてきました。近年、そんなサガリを地元のソウルフードとして市内外の人たちに楽しんでもらおうという機運が高まっています。本体験では、平川市のソウルフード「平川さがり」の魅力を存分にご紹介。事前に届く平川サガリを当日一緒に焼いて美味しく食べながら、平川の味を堪能してみませんか?
https://mitemite-hirakawa.com/travel/hirakawasagari/

工藤 健
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
自称りんごジャーナリスト、イギリストーストライター。津軽弁は勉強中。

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