小野照崎神社の下谷坂本富士
東京は下町、台東区の入谷に位置する小野照崎神社。創建は852年(仁寿2年)と伝わり、平安時代の歌人で学者、参議という国の要職も務めた「小野篁(おの の たかむら)」をご祭神として祀る神社です。この小野照崎神社で毎年6月30日と7月1日の二日間で行われているお祭りがあります。「お山開き」です!
お山開きとは、7月1日の富士山の開山に合わせ富士塚が開かれるお祭りです。富士塚は富士信仰に伴い江戸時代に活発に築造されたもので、東京を中心に各所に存在しています。小野照崎神社では境内に浅間神社として、1828年(文政11年)に富士山から運んできた溶岩を使用して作られた下谷坂本富士があります。こちら通常時は閉門されているのですがお山開きの二日間限定で開門され、富士塚に登ることもできるんです!
それでは本日行われた、2023年版のお山開きの様子をご紹介します!
開山式と茅の輪くぐり
境内で10時から執り行われたのが、開山式。浅間神社の例祭でもあり、氏子の皆さまが参列する中でお祓いや祝詞奏上等が実施されました。
境内には地域の方々も駆けつけ、厳粛な雰囲気の中で神事が進められます。
神事が終わると、一行は本殿前に設置された茅の輪(ちのわ)へ。6月30日は夏越大祓(なごしのおおはらえ)の日でもあるので、茅の輪くぐりが行われるのです。
まずは神職の方々がくぐります。茅の輪くぐりには災厄を祓い清める力があると言われており、くぐって前半年の災厄を祓いたいものですね。
続いて氏子の皆さまも茅の輪くぐりを行っていました。
この茅の輪くぐりのやり方ですが、「左回り、右回り、左回り」と三度くぐり、最後は真っ直ぐ本殿へとくぐって参拝となります。なお16時からは大祓式もこちらで催行されました。
小野照崎神社のお山開き。浅間神社例祭が行われ、茅の輪くぐりが実施されています!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/grobiBuhwP
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) June 30, 2023
富士塚へ登ろう
茅の輪くぐりを終えると、いよいよ富士塚が開かれます。富士塚への扉が開き、さあ登拝です!
神職の方がお祓いを実施しながら、くねくねと少しずつ登っていきます。
四合目に差し掛かったところでもお祓いを。五合目、七合目等と地点を示す石柱が設置されているのも必見です。
神職の方々に続いて、氏子の皆さまも登拝します。
どんどん登っていきますよ!登りながら「六根清浄(ろっこんしょうじょう)」と唱えているのも特徴的です。
六根とは仏教に由来する欲や迷いの原因になるとされる人間の器官「眼・耳・鼻・舌・身・意」のことです。これを清めるために六根清浄を唱えますが、古くから山参りに合わせて唱えられる言葉にもなっています。
六根清浄が唱えられながら、小野照崎神社の富士塚へ皆さまが登っていきます!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/a7iNFkTAIx
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) June 30, 2023
神職の方が山頂に到達しました!こちら高さが約5mあり、結構高いんですよ。ちなみに直径は約16mあります。
神職の方々が山頂で四方固めを。お囃子が軽やかに奏でられているのも良いですね!
小野照崎神社でお山開きが行われました!まずは神職と氏子の皆さまが登拝され、山頂では四方固めが執り行われています。響き渡るお囃子も良いですね!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/q4g7zP0FZy
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) June 30, 2023
清められたところで、本物の富士山がある方角を向いて参拝します。
神職と氏子の皆さまの下山が終わると、ここからは一般の皆さまも登拝が可能となります。続々と多くの方が富士塚へ登っていました。
富士塚への入り口には、順番を待つ方で列ができていましたよ。一年に二日間だけの特別な機会、登ってみたいですよね!
ということで、筆者も登拝。皆さまに続きくねくねと登ってみます。
登って行くと一合目付近には、修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)の像が。
五合目付近には、富士講の開祖と伝わる角行(かくぎょう)の像もありました。
順々と登り進めていき、無事山頂に到着することができました!山頂からの景色はこんな感じです。結構高いですね!
限定御朱印、授与品も登場
富士塚への登拝を行うことができたら、社務所へも行ってみましょう!お山開き、夏越大祓に合わせて、限定の御朱印と授与品が授与されています。
こちらはお山開きと夏越大祓が描かれた御朱印です。パステルカラーでかわいらしい御朱印で、これは要注目ですね!
富士塚にちなみ、「不尽」と「不二」の二つの「ふじ」が書かれた御朱印もありました。
限定の授与品には「茅の輪守り」に「蛇土鈴」、「朝顔土鈴」も用意されています。こちらは数量限定で7月末までの授与となりますので、ぜひチェックしてみてください!
また社務所の向かい側には「七夕願い札」の用意も。
短冊に願いを書いて、境内各所に設置された笹にかけていきましょう!
笹は本殿前や茅の輪の周りにも設置されていますよ。来週には七夕も近づいてきていますが、七夕飾りが美しいですね。
茅の輪と七夕飾りのコラボレーションも楽しめます。
富士塚への登拝と合わせ、ぜひ茅の輪くぐり、七夕飾りもお楽しみください!
小野照崎神社へのアクセス
・東京メトロ日比谷線 入谷駅4番出口より徒歩2分
・JR鶯谷駅南口より徒歩8分
明日7月1日も、10時から20時まで下谷坂本富士への登拝が可能となっています。ぜひお近くの方は富士塚へ登りに来てみてください!