大曲の冬のお祭り
秋田県大仙市大曲地区、この地区は夏の8月末に行われる「大曲の花火」が有名ですが、冬の2月にも地元の人が熱くなるお祭りがあります。それが今回訪れた「大曲の綱引き」です!
大曲駅に着きました。大曲の花火を伝える大玉が駅前にあります。今回の「大曲の綱引き」の舞台は駅から約1km先にある諏訪神社。歩いて行ってみます!
時間は17時半、神社には多くの人が集まっています。
いよいよ綱が出発!祭りの唄が歌い上げられます。唄の後の法螺貝からの「ジョヤサー、ジョヤサ!」の流れも圧巻です!
大曲の綱引き、出発の様子。唄が終わってからの、法螺貝からジョヤサー、ジョヤサ!の流れがすごくいいです。 pic.twitter.com/s7jnFHBq5U
— 高橋佑馬@お祭りトラベラー (@yuma_walking) February 21, 2019
勢いよく綱が出ます!
法螺貝の音色が、町に綱の到来を知らせます。
綱を進める行列が町を進んでいきます。
ところでこの綱、神聖なもので蛇を模っているものなんだとか。「蛇体」と呼ばれ、先頭が頭、真中は胴体の部分で太くなり、後ろに行くにつれて先細った尻尾になっています。長さは75尋(136m)にも及び、総勢200人で運んでいます。なぜ75尋なのかと言うと、お祭りに参加している方曰く、男女の厄年(男性が42歳、女性が33歳)を足した長さになっているそうです。
途中橋を越えたところで足が止まりました。いったん綱を置き、西の方向に男たちが向き、出発の時と同じように唄が歌われました。この西の方向へ1kmほど行った先に八幡神社があり、唄の奉納を行いました。寒空に響き渡る唄は神聖な雰囲気を作ります。
「ジョヤサー、ジョヤサ!」また綱が動き始めました!
町に財を振る”ザイフリ棒”を回す!
商店街を少し進んだところで再び男達の足取りが止まり、綱の中盤にある棒に集まりました!そして激しく棒に向かって飛び掛かります。
大曲の綱引き、街を練り歩いています。東北にこんな激しいお祭りがあったとは!威勢がすごい!男衆が飛び交っている棒はザイフリ棒と言って、棒を回すことで各地に財を振りながら進んでいるそうです。#大曲 #大曲の綱引き #秋田 #棒倒しではない pic.twitter.com/zioCeZdPGA
— 高橋佑馬@お祭りトラベラー (@yuma_walking) February 16, 2019
棒が倒れました。てっきり棒を倒す方向で陣取り合戦のことをしているのかと思っていただのですが、法被を来た方に聞いてみると違うようです。「この棒はザイフリ棒と言って、町に財を振りながら進んでいくありがたいもの。男達が棒に飛び掛かるのは、この場所で財を振りたいと言う意思表示で、棒が倒れた後は時計回りに棒を回して、周辺に財を振っているんです。綱引きの会場に着くまでに、あと8回くらいは行われると思うよ。最後は総勢200人で大きく財を振るから見てってね。」
なんと、この町中で行われる棒回しでもかなりの迫力でしたが、最後は200人でこの棒回しを行うとか。楽しみになってきました。
再び動き始めた綱は、商店街の先の駅まで行き折り返します。
この後2時間半ほど町を練り歩き、綱引きの会場へと向かいます。粛々と綱が進み、時折激しい棒回しが行われるのは、静と動があり見るものに感動を与えますね。
時間は20時50分。そろそろ綱が綱引きの会場へ帰ってくる時間です。会場には帰ってきた綱に繋がれる小綱が60本用意されています。この小綱に人が付き、綱引きが行われます。
綱が法螺貝の音色と共に帰ってきました!帰ってきた綱には、すぐに早業で次々と小綱が繋がれていきます!
綱引きの前に先ほど聞いた総勢200人での最後のザイフリ棒回しがはじまります!若い男性達が、騎馬戦のように騎馬を組んで今か今かとその時を待ちます。時折早まって、ザイフリ棒に飛び掛かる人もいて、祭りの重役に「待て待て」との声が飛びます。
200人でのザイフリ棒回し、さっき見たものとは規模が全然ちがいます!大きなうねりとなって、ザイフリ棒が回されていきます。
大曲の綱引きクライマックスは200人でザイフリ棒を回します!みんな自分の方へ財を振ろうと必死にダイブしてます。#大曲 #大曲の綱引き #綱引き #ザイフリ棒 #秋田 #祭り #冬 pic.twitter.com/SabMrhECbk
— 高橋佑馬@お祭りトラベラー (@yuma_walking) February 18, 2019
最後のザイフリ棒回しが終わりました!会場の熱気は最高潮を迎えています。この暑さのまま綱引きにいくのかなと思ったら、一旦子どもたちによるお菓子撒きコーナーを挿みます。お菓子が欲しい人で、違う意味で会場が盛り上がりました!
いよいよ大曲の綱引き
さあ、いよいよ大曲の綱引きのはじまりです!大曲の綱引きは南の上丁と北の下丁の二組に分かれ、各丁に30本ずつ繋がれた小綱を引っ張りあい闘います。会場にいる人はだれでも参加できるので、このお祭りに行かれる際は町の人と一緒にぜひ小綱を引っ張っちゃってください!
闘いが始まる前の静けさ。綱を引き始める合図を待っています。
ついに闘いの火ぶたが落とされました。けっこう綱の曳きが激しいです!
引っ張る顔は真剣そのもの。
大曲の綱引き。市民総出で綱を引き合います!映像は下丁が堪えている様子。#大曲 #大曲の綱引き #綱引き #秋田 #祭り #夜 #冬 pic.twitter.com/bNLWM80VTN
— 高橋佑馬@お祭りトラベラー (@yuma_walking) February 18, 2019
激しい攻防がありましたが、今年は数年ぶりに下丁の勝利に終わりました!なんでも、上丁が勝てば「米が高くなり」、下丁が勝てば「豆が高くなる」そうなので、今年は豆が作り時ですね!
この後、綱は諏訪神社へと奉納され、お祭りは終了となりました。ダイナミックで激しいザイフリ棒回しを見れ、綱引きはだれでも参加できるので、ぜひ来年は「大曲の綱引き」に参加してみてください!
交通情報
【大仙市へのアクセス】
◆東京からの場合
・〔新幹線〕秋田新幹線で大曲駅まで約3時間。
・〔夜行バス〕東京駅鍛冶橋、バスタ新宿から大曲バスターミナルへ毎日運航。約8時間半。
◆仙台からの場合
・〔新幹線〕秋田新幹線で大曲駅まで約1時間半。
・〔高速バス〕グリーンライナー号が毎日運航。約4時間。