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「大津絵踊り」大津の花街発祥!お面の日本舞踊

更新日:2020/12/7 佐々木 美佳
「大津絵踊り」大津の花街発祥!お面の日本舞踊

滋賀県の伝統的工芸品「大津絵」

滋賀の人は言う「滋賀にはなんもない」。
しいていえば…「琵琶湖」と滋賀の人は言う。
京都からもほど近い大津で観光といえば、琵琶湖クルーズ
他に滋賀大津での観光で有名なものをご存じでしょうか?

それは「大津絵」!
大津の人で「大津絵」を知らない人はいません。
(すみません、京都在住数年の佐々木は知りませんでした。大津まで京都駅からJRでたった二駅なのに!)

「大津絵」とは江戸時代初期に生まれた滋賀県の伝統的工芸品。
東海道五十三次の中で最大級の大きさを誇る大津宿で旅のお土産や護符として広まりました。

松尾芭蕉が「大津絵の筆のはじめは何佛(最初に描くのは何の仏様なのか)」と詠んだように多くの歌人にも愛された大津絵。


写真:大津絵美術館

仏画をはじめとした「鬼の寒念佛」や「藤娘」などの美人画と100種類以上が残っており、現在も大津では商品パッケージや看板などに描かれています。

近年ではパリの「パリ日本文化会館」と「大津市歴史博物館」との共催で展覧会が行われ、海外からも大津絵が注目されています。

大津の花街で誕生「大津絵踊り」

江戸時代に大津の花街で始まったお座敷芸「大津絵踊り」。
有名な大津絵の画題を「元唄(大津絵節)」と三味線伴奏にあわせて、面をつけ変えて舞います。

幕末から明治には全国的に流行り、最盛期には歌舞伎の演目にもなるほどで現在でも28都道府県でも大津絵節が残っています。

大津で最後のお茶屋の芸妓さん

幕府公認の大津柴屋町には最盛期には19もの花街、30件ほどの遊郭がありました。

現在の滋賀で最後のお茶屋の現役芸妓さん、NPO法人「特定非営利活動法人大津絵踊り保存会」会長の山下光子さんにお話を伺い、お座敷舞「大津絵踊り」について語っていただきました。


写真:9月7日に90歳のお誕生日を迎えられた山下さん。芸名は「笑加」(えみか) 。

家がお茶屋だったために芸妓になったという山下さん。
「芸妓なんて全然やりたくなかった。本当は先生になりたかった。」のだという。
小学校しか出ていない芸妓さんが多かったため、山下さんは当時は珍しかった字の書ける芸妓さんとなりました。
そんな山下さんにお客様たちはおみやげとして歌詞を書いて欲しいとお願いしたのだそうです。

いやいやなった芸妓ではあるものの、今では「芸妓を育てたい」という夢を持っています。


写真:山下さんのお店「メンバーズ和風スナック満」。珍しい総刺繍の彦根屏風が飾られている。

しかし大津で芸妓を育てるのは京都以上に難しい。
まず満18歳以上でないとお座敷へ出られないこと。
中学校出て仕込みに入っても、18歳まではお稽古や裏方手伝いが長すぎる。
京都の舞妓さんだけは年齢の特例がありますが、大津にはありません。

今までお客様だった方も代替わりされ、お若い方は宴会で芸妓よりコンパニオンを呼ぶ世の中に。
まず芸妓さんを呼ぶツテがなくなり、呼び方がわからない。
そうして、だんだんと舞台やお祝い事だけ呼ばれるようになっていきました。

お座敷が少なく、せっかく芸妓を目指している娘がいても京都に行ってしまう…。


写真:モデルは芸妓 笑幸(えみゆき)さんのお嬢さん悠依乃ちゃん。大津絵踊りの未来を感じる構えを披露。

もともとはお座敷舞であった大津絵踊り。
大津市無形民俗文化財に指定された事で「もっと一般の人にも知ってもらいたいー」と、大津絵踊りの保存と後継者育成のため昭和63年に「大津絵踊り保存会」を立ち上げたのだそうです。

お面をつけて日本舞踊を踊る「大津絵踊り」

山下さん
「現在、10種類の面があります。
面は和紙を重ねてあり、表は布。口元にある突起をくわえて踊ります。
くわえて踊るために紙で軽くしたのだと思います。
面の作成や補修ができるのは東京に一軒だけしかありません。」

「お面の目は開いていますがとても小さく、周囲はほとんど見えません。

舞台の大きさにより、杖などの小道具も隣の舞人に当たらないように持ち方を変えて舞います。」

「大津市無形民俗文化財になる前はもっと素朴なもので、大きさも一回り小さく、能面のような大きさでした。

また大津踊りの流派は特にありません。」(会長の山下さんは花柳流)


写真:大津絵美術館にて撮影 昔のお面

毎年行われる「定期公演会」では京都の「祇園祭」よりも古いという「大津祭」のお囃子も一緒に行われます。2020年はコロナの影響で無観客にするかなど悩んだあげく、最低限の短縮公演となりました。


写真:大津祭 山鉾と、からくりがみどころ。大津絵踊りの翌年にNPO法人に認定されました。その後お囃子やからくりと一緒に定期公演に出演。

滋賀大津を歩こう!「大津絵めぐり」

京都旅行の際に滋賀大津までは、JRでほんの数駅。京都駅からはたった10分で大津京駅に到着します。


写真:大津絵橋 「鬼の寒念佛」と「藤娘」をモチーフにした欄干

JR大津京や京阪浜大津駅からは大津絵の描かれた「大津絵橋」やマンホール、「大津絵の店」などを歩いて見て回ることができます。


写真:長等神社門前にある「大津絵の店

また大津絵踊りの練習が行われる圓満院には「大津絵美術館」もあります。

浜大津駅前すぐにある三井寺力餅本家には大津絵ギャラリーがあります。天皇陛下が食べたこともある、みつときな粉の三井寺力餅を食べながら一休みをしてみてはいかがでしょうか。

大津百町まちあるきMAP


写真:三井寺力餅本家 大津絵ギャラリー(無料)

大津市無形民俗文化財 伝統芸能、郷土芸能
NPO法人「特定非営利活動法人大津絵踊り保存会
〒520-0046 滋賀県大津市長等2丁目8-18
TEL 077-525-6078
FAX 077-525-6078

お稽古:円満院 第2第4土曜日 10時~12時
毎年11月定期公演会


写真:大津絵賛歌 藤娘 総踊り

「大津絵踊り」大津の芸妓による曲解説!お面の日本舞踊は花街発祥

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佐々木 美佳
この記事を書いた人
オマツリジャパン オフィシャルライター
毎日「京都散歩の旅」なカメラマン。
奈良・吉野アンバサダー。観光経済新聞、楽天トラベル等を執筆。聖地と舞が好き。民俗芸能や瀬織津姫研究中。
instagram @kyoto.photographer
https://earth-traveler.com/

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