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梅雨の時期に花菖蒲の彩りに包まれる水無月園
梅雨前線が日本列島に居座る6月は旧暦では水無月と呼ばれていました。花菖蒲は春から夏に向かう梅雨の時期に、しっとりとした花を咲かせ和の情緒を漂わせます。神奈川県相模原市の相模原公園の水無月園は、例年5月下旬から6月中旬にかけて、花菖蒲の彩りに包まれ「相模原公園しょうぶまつり」が開催されています。2020年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため中止となりましたが、6月1日には公園が再開され、マスクを着用してソーシャル・ディスタンスをキープしながら花菖蒲を鑑賞することができます。
118品種、約26,000株の花菖蒲が植栽される水無月園
相模原公園は約26ヘクタールの広大な敷地を整備して1979年に開園しました。水無月園は公園の南西端にあります。3面の花菖蒲田が約2,300平方メートルのエリアに広がり、118品種約26,000株の花菖蒲が植栽されています。
水無月園で植栽される江戸系花菖蒲
相模原公園の水無月園の最大の特徴は花菖蒲の系統ごとにエリアを分けて育てられていることです。松平定朝をはじめ江戸時代の中期から葛飾区堀切で、花菖蒲の新たな品種の作出が盛んに行われました。この品種は江戸系として分類されています。
水無月園で植栽される伊勢系花菖蒲
江戸ばかりでなく、地方でも数多くの品種改良がなされました。伊勢の松阪では吉井定五郎を中心として、鉢植えの室内鑑賞向きの花菖蒲が誕生しました。この品種は伊勢系として分類されています。
水無月園で植栽される肥後系花菖蒲
肥後の熊本では藩主の細川斉護が、藩士を江戸の松平定朝のところに弟子入りさせ、門外不出の品種を持ち帰りました。これによって産まれた品種は肥後系として分類されています。
広大な敷地面積の相模原公園に溢れる様々な魅力
水無月園を出て北に向かうと広々とした芝生広場が開放感を漲らせています。広場の北の端では、森の木展望台がユニークな姿を見せてくれます。芝生広場の西に接するみんなの花壇には、様々な種類の花が咲き季節の彩りに包まれます。
さらにアジサイの花に沿って園路を歩き東に向かうと、フランス式庭園が姿を現します。庭園の南北で水しぶきを上げる噴水の間を一直線に流れる水路が潤いを与えてくれます。水路を囲むエリアでは季節の花が、幾何学模様を描きながら巧みに装飾しています。
神奈川県相模原市の相模原公園には水無月園が設けられ、例年5月下旬から6月中旬にかけて花菖蒲の彩りに包まれます。園内では江戸系、伊勢系、肥後系の系統ごとにエリアを分け、118品種、約26,000株の花菖蒲が植栽されています。