たとえ意味も目的もなかろうと、それでも人を焚き付けるものこそが、人生を豊かにする。
どうもマッハ若生です。
小生、全国の体験型 or フォトジェニックなお祭りを実地調査し、最高の祭り旅プランを世に伝える伝道師を目指しております。(BLOG & Youtube)
今回は世界で最も熱(苦し)い体験型祭りであろう、西大寺会陽(裸祭り)をレポートいたします。
西大寺会陽とは?
裸の男たちが西大寺本堂に集まり、2本の宝木を争奪し合うお祭り、それが会陽だ。見事宝木を獲得することができれば福男として1年間福を授かる。
集まる男たちの数は1万人以上。2月の寒空の下、必至になって宝木の奪い合いをする光景は壮絶。
寒い、痛い、むさくるしい、の三拍子そろったこの祭り。なぜ1万人もの人が集まるのか。
きっとそこには人の心を揺り動かす”何か”があるに違いない。
ぼくたちは、自分の心を揺り動かし続け、何かに熱中しながら生きていかなければならない。Keep yourself alive!
Go to Okayama, Saida-ji!
温泉から望む瀬戸内の絶景、タコ&鯛料理で鋭気を養う
西大寺会陽は、危険度は高い祭りである。木柱と男衆に挟まれれば最悪死ぬ可能性もある。
福男を勝ち取った上で生きて帰ってきたいが、最悪の場合もある。最後に良い思いをしておこう。
幸い岡山県には、温泉もグルメも名所もある。下津井漁港で獲れる海鮮、瀬戸内から昇る朝日を望みながら温泉に入り、鋭気を養う。これがお祭り遠征の醍醐味でもある。
>> 岡山で瀬戸内絶景を望みながら温泉と鯛料理を満喫してきた【鷲羽温泉/瀬戸大橋/下津井漁港】
ぼくたちが福男になるために
さて、本題に入ろう。
体力に自信があるわけでもない、ふんどしを自分でつけることもできない我々が福男を勝ち取るにはどうすればいいか?
まず、1万人もの男たちが狭い本堂に集まることを考えると、ポジショニングが肝になるだろう。
場所取りを制するものが、西大寺会陽を制する。
また、宝木を掴んでも強奪されたら話にならない。
掴んですぐにふんどしに格納すべく、木の棒をスムースに股間に格納する練習も必須になる。
そう考えると、投下開始の22:00よりもずっと前に到着しておかなければならない。
会陽では、魅力的な屋台・出店が何十店舗も並んでいるのだが、今日はここであそんでいる時間はない。
アルコールを入れて会陽に参加することは禁止されているので、イカ焼きだけ食べよう。
正しくふんどしを締めよう
18:30時点でもうすでに裸でパレードを繰り広げている集団がいる。
開始3時間半前にして相当意識の高い連中である。
最低気温1度、更に西大寺は川沿いにあるので体感温度はもっと低いはずだ。
それなのに彼らの表情は恍惚としている。
やはりこの祭りには何かある。脱いでみないとわからないので、急いでふんどしを買って、一般客用着替えテントへ移動。
すると、いきなり・・・
「あああ!痛い!痛い!ああああ!」
なぜかパンツも脱いでいる全裸の男たちが一列に並んでおり、その先から叫び声が聞こえる。
入ってはいけない場所に迷い込んでしまった気持ちになるが、全裸男たちの手にはふんどしがあるので、おそらくここが着替えテントで間違いないだろう。
よくよく見ると、列の先には、ふんどしの着付けを行う専属スタッフがいて(しかも筋骨隆々)、ふんどしの締め方が異常に力強いのだ。
何でも、裸祭りのさなかにふんどしがほどけた場合、ひどい目に合うことが多いらしく、そうならないために本気でふんどしを締めてくれているとのこと。
「ふんどしがほどける」
→ 「手で股間を隠そうとする」
→ 「手を下に下げていると宝木を持っているのかと疑われる」
→ 「手や股間に隠しているであろう宝木を奪取すべく、男たちから激しいボディチェックを受ける」
→ 「アッー!(想像におまかせします)」
祭りの裸は寒くない!
テントで清めの塩をぶっかけられ、裸一貫で空の下へ出陣。確かに寒い。
だが、皆と一緒に「ワッショイ!!」と叫ぶと、どうだろう?
・・・寒くない。
周りの皆のワッショイから伝わる妙な熱気。これからバカになる高揚感に満ちたぼくたちのワッショイ。
入り混じって、脳内麻薬が出てくる感覚。これが裸祭りか、悪くない!
ワッショイ!!ワッショイ!!
ワッショイ!!ワッショイ!!
恐ろしいことにもう本堂は埋まりつつある。
石段と本堂の間には、部分部分に屈強な男が警備員のように立っている。
チームで参加している人たちの中の弾き出し部隊だろうか?
どんどん入ってくる裸に紛れ、体をねじ込むんだ!
手を上に挙げていないと、挟まれて腕が折れそうなほどの密集度。
オッサンのヒゲがこすれて痛い。
むしろ暑くなってきたところに、本堂の上から水をぶっかける人が!
湯気まで上がり始めた!
絶望感に苛まれる、宝木投下前
21:30。宝木投下まであと30分。
最初の頃のワッショイはどこへ行ったのか。オッサンの吐息を背中で感じながら、こちらは息絶え絶え。
すでに30分ほど揉み合い、繰り返し足を踏まれ、何度も階段から落ち続けた。
いくら力を込めたところで、1万人に対しては無力。次第に心が萎え始める。
もう十分貴重な体験したよな、俺ら・・・。
「・・・ッショイ!」
ん?誰かが心に直接語り掛けている・・・?
「・・・ワッショイ!!ワッショイ!!!」
いや!違う!
後ろにいる息絶え絶えだったオッサンが、勢いを取り戻して叫んでいるんだ。目は輝きを失っていない。
何の変哲もない、むしろくたびれたオッサンが、力の限り体をねじ込んでいく。
・・・そうだ、俺たちはみんな自分の意志で西大寺に集まったんだ。
世の中、自分が生きていくため、あるいは誰かを生かすために、仕方なくやらなければならないことをこなして生きている。
不本意だったり、理不尽だったり、それでも気持ちに折り合いをつけてやっていかなければならない。
でも今日は、俺たちは、仕方なく嫌なことをしているのではない。自分たちの意志で、衝動的に、面白おかしい祭りに集まったのだ。
自分の意志で挑戦したことくらい、最後まで全力で取り組む。それすらできなくなったら、人生つまらなくなってしまわないか?
ワッショイ!!ワッショイ!!
ワッショイ!!!ワッショイ!!!
この非日常を全力で楽しむ。あきらめなければ道は開けるはずだ!
宝木投下、そして・・・
いよいよ宝木投下10分前。どんどん殺気立ってきている。
「痛いとか言ってんじゃねえ!ここじゃ痛いのが当たり前なんだよ!!!」と荒ぶる男。
宝木は投下されるのは一瞬。周りの裸に気を取られていては取れる宝木も取り逃してしまう。彼に構っている暇はない。
照明が一斉に消える。宝木投下の合図だ。
宝木が落ちたはずだが、どこに落ちたのかわからない。宝木に染み込んだ強烈なお香の匂いだけは残る。
「こいつふんどしに入れたぞ!!!」
暴徒と化した裸たちが互いにからだをまさぐり合う。
そうこうしているうちに、小さな宝木である”枝宝木”が数十本投下される。
よし!一個掴めた!・・・のだが、反対の先端をオッサンに捕まれた。拮抗するも、最後は奪い去れてしまう。
しかし、何か紙状のものが手に残ったので、急いで股間に格納する。
ネタではなく、ここで物を持ち帰るには、ふんどしに格納する他手段はないのだ。
時間が経つにつれて争いが激化していくので、エスケープ。しかし、帰り道も皆が股間を凝視し合う異常な状態が続く。
「(股間に宝木を)入れてんだろ!ああ!?」と、怒号が飛び交う中、何とかテントに帰って股間に忍ばせたものを確認する。
入っていたのは葉っぱだった。
昔流行った曲で、「葉っぱ一枚あればいい、生きているからハッピーだ!」と歌われていたが、まさにその気持ちだった。
「理不尽な世の中でも、自分がやりたいと思って始めたことくらい全力で最後までやり抜く」という姿勢が人生を豊かにする。それを体現できれば、会陽でも福に触れることはできるのだろう。
岡山駅前で地酒を片手に反省会
激しい祭りを終え、岡山駅に戻った頃には既に0時を回っていた。
足が痛い。意識は半ば朦朧としている。しかし、それでも闘いのあとは祝杯をあげなければならない。
岡山駅付近で深夜まで営業している「大将」で飲むことに。
肉厚なさわらの刺身、岡山名物ままかりの酢漬け、おいしゅうございました。
(左:えんがわ、右:ままかりの酢漬け)
週末に地方の祭りへ赴き、全力で祭りを楽しみながら、ご当地グルメや温泉も満喫する。
裸祭りでなくてもよいので、こうした旅を是非体験してみてほしい。
西大寺会陽へのアクセス・スケジュール
岡山駅から30分
岡山駅から赤穂線に乗って20分、西大寺駅から徒歩10分で西大寺の会場に着く。
車では40分で到着するが、祭り当日は渋滞で1時間以上かかった。(18時でも駐車場にはスムースに入ることができた)
近くのコンビニは徒歩10分圏内にファミリーマート。
ふんどし・足袋は現地で販売している。
当日昼から開催&翌日以降2週間は後祭り
当日(平成30年であれば、2月17日)のスケジュールは、
15:20~ 少年はだか祭り
18:30~ 女性太鼓
19:00~ 会陽冬花火
22:00~ 宝木投下
そして、会陽が終わったあとも、あと祭りが2/18(日)~3/4(日)まで開催。(出店や音楽イベント、乗馬体験など)
祭り&旅メディア「お祭りトラベログ.COM」にて岡山祭り旅プランを紹介
祭り体験レポートと、グルメや温泉情報をお送りしているので、よければチェックしてほしい。
祭りへのアクセスの良い観光プラン、旬の魚、フォトジェニックな撮影スポットなどを紹介!
>> フォトジェニック岡山!撮影スポット紹介【瀬戸大橋/倉敷美観地区/西大寺会陽/岡山城】
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