山形・新庄の夏祭り
山形県の北東部に位置し、霊峰・神室山の山頂では秋田県とも面する新庄市。江戸時代を通して新庄藩6万石の城下町として発展し、また最上川水運の拠点や羽州街道の宿場町として栄えてきた土地です。平成に入ってからは、山形新幹線の終着点に新庄駅がなるなど、最上地方の玄関的役割も担っている市になります。
この新庄市で毎年8月24日から26日の三日間で行われているお祭りがあります。「新庄まつり」です!
JR新庄駅に設置された、新庄まつりの開催を知らせるコーナー。
新型コロナウイルスの影響で、三年ぶりの開催となった2022年の新庄まつり。行事が目白押しとなる二日目、25日の本まつりに一日密着してきましたので、お祭りの様子をご紹介していきます!
18台の山車が色彩を放つ
10時、新庄駅から続くお祭りのメインロードへとやってくると、前方から行列がやってきました。新庄まつりの見どころ、山車行列です!先頭はお祭りの開催を知らせる横断幕を掲げて進んで来ています。横断幕にもありますが、新庄まつりは2016年にユネスコ無形文化遺産にも登録されたお祭りなんですよ!
さあ、続いてやってきたのが一つ目の山車、新松本町若連の「琉球の風」。守礼門が見事ですね!ちなみに新庄まつりでは、”山車”と書いて”やたい”と読むのもポイントです。
あいにくの雨模様のためにカバーが掛かっていますが、ジンベエザメなどが見事に飾られています!
新庄まつり本祭りがはじまりました!色彩豊かな山車が見事です!#祭り #オマツリジャパン #山形 pic.twitter.com/IfH0QeJvU4
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) August 25, 2022
こちらは三国志をモチーフにした山車。赤兎馬に乗った呂布がカッコいい!
続いて青い旗が目印の東本町若連がやってきました。
波飛沫が特徴的なこちらは、歌舞伎の演目にもなっている義経千本桜から大物浦です。
まるで京都で花見をしているようなこんな山車も!
馬喰町若連はどのような山車でしょうか。
源氏物語から能の曲目になった、葵上でした。光源氏とその正妻の葵上の一場面を美しく表現しています!
神話を基にした山車も。ヤマトタケルが飛んでいます!
こちらは龍の迫力がすごい!新庄まつりの山車は、色彩を強烈に放つのが特徴的ですね。
今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で記憶に新しいですが、こちらの山車には静御前の姿が。
反対側には源義経の姿も!
お次も源義経が活躍!安徳天皇、那須与一も登場する扇の的の名場面です。
大迫力の観音様も現れました!地元から、最上三十三観音の一幕となります。
新庄まつりの山車は、まるで竜宮城にいるかのようなカラフルな飾りが素晴らしいです!
今年は18台が出ているとのことで、その違いを見るのも魅力的!#山形 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/Bso9ixfppt— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) August 25, 2022
戦国時代ファン必見の山車もあります!織田信長、羽柴秀吉、明智光秀、清水宗治が登場し、本能寺の変からの中国大返しがまとめてダイナミックに表現されていました。
各山車の後方からは、このようにお囃子隊が続いています。生演奏のお囃子が高らかに奏でられると、お祭り気分も高ぶってきますよね!
お囃子が鳴り響く中、2つの山車が露店で賑わう通りを進んでいきます!
この山車は、日本古来からの物語や歌舞伎の演目をモチーフにしているそうです。#新庄まつり #祭り #オマツリジャパン #山形 pic.twitter.com/Q69gAqXq88— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) August 25, 2022
神輿渡御行列が練り歩く
山車行列の前を行くのが、神輿渡御行列。古式装束の行列が新庄の街を練り歩きます!
行列を先導していくのは、真っ赤な面の猿田彦。
白馬に乗った侍の姿も!
たくさんの足軽たちの後ろから、金色に輝くお神輿がやってきました!
なぜ行列にこんなに武士の姿があるかと言うと、新庄まつりは元々新庄藩の第五代藩主、戸沢正諶(とざわまさのぶ)公がはじめたものだからなのです。当時飢饉によって苦しんでいた領民を励まし五穀豊穣を願おうと、新庄城内にある戸沢氏の氏神の天満宮の祭礼として1756年(宝暦6年)に行ったのがはじまりとなります。
神輿渡御行列が、お祭りのメイン会場へと近づいてきました。
とここで披露されるのが、傘回しの技!器用にくるくる回していきます。
神輿渡御行列の一幕。傘回しがお見事!#新庄まつり #山形 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/fwqmFBp3ZY
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) August 25, 2022
続いて魅せられるのが、足軽の足捌き。独特な光景は目を惹きつけられます。また同時に上げられる口上も注目です!
新庄まつりの魅力の一つ、神輿渡御行列。新庄藩のお殿様がはじめたお祭りと言うこともあり、行列に武士が登場するのが特徴的です。
この足軽の足捌きは見どころになります!#山形 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/2oiadnI49O— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) August 25, 2022
お神輿が近づいてくると、沿道から歓声が上がります!
露店の立ち並ぶ通りも勇壮に進んでいきました!
15時45分頃、神輿渡御行列が天満宮のある新庄城址へと還ってきました。
行列の先頭に足軽が進み、場内へと入っていきます。
お神輿も続きます!お堀に浮かぶ金色の影も美しいですね。
新庄まつり本祭りもクライマックス!お神輿が新庄城へと還ってきて、宮入を迎えています!#祭り #オマツリジャパン #山形 pic.twitter.com/qf3RdNDciG
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) August 25, 2022
新庄城内へと入ったお神輿は、そのまま城内西部の天満宮へ、宮入です!
お神輿の還御が済み、神事が行われていました。
鹿子踊りの奉納も
本まつりの翌日、26日も後まつりが実施されます。この日の見どころは、新庄城址(最上公園)の各神社に奉納される鹿子踊りです!
鹿子踊りとは、カモシカを象った姿で、五穀豊穣を祈り舞を行うものです。まず、護国神社で奉納が実施されていました!
美しい姿ですね!
護国神社で奉納された鹿子踊り。シックな色合いでの装いです。#新庄まつり #祭り #オマツリジャパン #山形 pic.twitter.com/KK04993soG
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) August 26, 2022
続いて、戸沢神社でも奉納が行われます。こちらは水色が特徴的な明るめの姿で登場!
7体が揃い、見事な舞を披露していきます。
時折見えるお顔も凛々しくカッコいいですね!
新庄まつり、最終日を迎えています。新庄城の跡にある最上公園では、鹿子踊りの奉納が行われていますよ!#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/zQ6zHHIVgg
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唄も追加され、鹿子踊りが行われていきます!#新庄まつり #祭り #オマツリジャパン #山形 pic.twitter.com/7xjnVytvJp
— 高橋佑馬|お祭りライター (@yuma_walking) August 26, 2022
グルメ露店も立ち並ぶ
お祭りへやってきたら、露店のグルメも楽しみたいですよね!会場では、ずらっとたくさんの露店が立ち並んでいました!
新庄駅から新庄城址(最上公園)へと続く道の片側に露店がひしめき合い、良い匂いを発していてそそられます!
夜になっても露店は空いていますよ!夜の露店の光は風情がありますね。
お祭りの定番グルメ、焼きそばやお好み焼き、たこ焼きなどを提供するお店も。
焼き鳥も魅力的ですよね!
遊べる露店ももちろんありますよ!金魚すくいをはじめ、輪投げやくじのお店が存在し、たくさんの方が楽しんでいました。
地域情報・アクセス
新庄城址(最上公園)のすぐ近くにある新庄ふるさと歴史センター。こちらでは古くからの新庄の生活が学べるだけでなく、新庄まつりの展示も行っています。新庄まつりのことをさらに知るのに良い施設ですので、ぜひチェックしてみてください!
江戸時代の神輿渡御行列を表現した模型。
過去の山車の展示もあります。間近で見られるのでおすすめですよ!
せっかく新庄まで来たら、地元グルメも欠かせません!名物「とりもつラーメン」を出すお店が市内各所にあるので訪問したいところ!
また新庄は、馬刺しも有名です!多くの居酒屋さんで提供しているので、こちらも注文したいですね。
そして新庄には「あがらしゃれ」と言った郷土料理がありますが、その名前を取った日本酒も楽しめます!
■新庄駅へのアクセス
・東京駅から山形新幹線で約3時間半
・福島駅から山形新幹線で約2時間
・仙台駅からJR仙山線快速、JR奥羽本線を乗り継ぎ約2時間半
・鳴子温泉からJR陸羽東線で約1時間