巣鴨と言えば、「とげぬき地蔵」と「おばあちゃんの原宿」と。でも、「とげぬきって何?」「なんでシニア世代が多いの?」「若者が行っても楽しめるの?」と、行ったことのない人からは謎の多いエリア。
そんな巣鴨に行ってみようと思えるお祭り、2020年も開催が決定している「とげぬき地蔵尊大祭」をご紹介します。
(この記事は2019年に公開されたものを再編集しています。 2020年1月10日 編集部更新)
目次
1.「とげぬき地蔵」と「巣鴨地蔵通り商店街」
「とげぬき地蔵尊」の名で親しまれる高岩寺(こうがんじ)は、正式には曹洞宗萬頂山高岩寺といいます。慶長元年(1596年)に江戸湯島に開かれ約60年後下谷屏風坂に移り巣鴨には明治24年(1891年)に移転してきました。
御本尊である延命地蔵尊が「とげぬき地蔵」と呼ばれるようになったのは、こんなエピソードから。1715(正徳5)年、長州毛利家の江戸屋敷の女中が針を誤飲した際に、寺で授与される「地蔵尊御影」を僧・西順にもらって飲み込んだところ、針を吐き出すことができたといいます。しかも、針が地蔵尊の御影を貫いて出てきたという逸話から「とげぬき地蔵」の名が生まれたとのことです。
でも、どうして「おばあちゃんの原宿」とまで言われる独特の街づくりが進んだの?という疑問が残ります。その発端は、後述する「洗い観音」。月一回以上お参りすると健康に最大のご利益がある、というのでリピート客が増える。そのリピート客をターゲットとした、喫茶店、居酒屋、病院が増える。しかもバリアフリーで車いすも楽々。さらにそのお店や病院も、高齢者に慣れたゆったりとした口調で、わかりやすい接客。しかも年代別割引など、年齢を重ねることがメリットとなるサービスもある。そして、さらに元気になって、何度でも巣鴨に訪れる、という少子高齢化社会を先取りした、サクセスモデルなのです!
最近では、そののんびりした雰囲気に魅了された若者がデートに訪れたり、カフェや古着屋などをオープンしてたりしています。街歩きにも嬉しい、巣鴨プライス。老若男女、訪れたい街です。
2.おばあちゃんもハッスル!とげぬき地蔵尊例大祭
高岩寺では以下のスケジュールで縁日および大祭が行われます。
縁日:毎月4日・14日・24日
大祭:1月24日、5月24日、9月24日
この日は出店も多く、たくさんの人で賑わいます。
特に「正五九」にあたる1月、5月、9月の24日は、本堂で大法要が執り行われます。10:30と14:30の2回行われる「大般若経」の転読は圧巻。住職以下20人位の僧侶の姿に、「大勢の善男善女が経文の風を受けまた僧侶の衣に触ろうと手を伸ばします」(巣鴨地蔵通り商店街振興組合)とのこと。
春盛りの五月の大祭は特に多くの信者で堂内はもとより、地蔵通りまでいっぱいの人で賑わいます。
少し前の動画ですが、老師のニコニコ法話も大人気。「無理は無理。無理のないこと考える」「慌てる乞食、もらい少ない」「出るものだして、ぐっすりと寝る」などの分かりやすいスローガンを皆で合唱。小気味いいお話に、始終大爆笑が起きています。「小さい声の人はすぐ死にます」の衝撃発言も!
シニアパワーに負けず、大きな声出して、たっぷり笑って、ゆったり楽しみましょう。
3.「洗い観音」は優しく洗って♡
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境内にある聖観世音菩薩は、江戸城まで焼き尽くしたという有名な1657(明暦3)年の明暦の大火(振袖火事)で、妻を失った屋根屋喜平次が供養のため寄進したもの。聖観世音菩薩像に水をかけ、自分の悪いところを洗うと治るという信仰が生まれ、「洗い観音」と呼ばれています。
その後、永年に渡ってタワシで洗っていた聖観世音菩薩の顔などもしだいにすりへってきたので、平成4年新たに開眼。同時にタワシを廃止し布で洗うことにしました。この観音様を磨くために、長蛇の行列ができるのです。
ちなみにタオルは観音様脇で100円にて販売。優しくきれいに洗ってくださいね~。
4.「飲むお札」!御御影は必ずゲットしてね。
「とげぬき地蔵」として親しまれるご本尊は、霊験あらたかな延命地蔵菩薩。こちらは秘仏ですので残念ながら見ることはできませんが、そのお姿を元に作られた御影(おみかげ)に祈願してもご利益があるとされています。
御御影は縦4センチ横1.5センチの和紙で、中央に尊像が描かれています。これを痛いところに貼ったり、のどに骨が刺さったとき飲んだりすると治るといわれる、何ともミラクルな万能薬!しかも5枚入って100円ときたら、購入して薬箱、バッグ、デスクの引き出しと、いろいろなところに常備しておくしかありません。
風邪をひいても、怪我をしても、ご利益を感じるチャーンス!巣鴨の元気なお年寄りを見ていると、この効果はもう立証済み!?
5.何度も訪れたい!個性派お土産も忘れずに~
商店街のお楽しみと言えば、何といってもお買い物と食べ歩き。中でも巣鴨は「ちょっとずつ食べたい」「お手頃価格で楽しみたい」というニーズに応えた、嬉しいラインナップが充実。いくつかご紹介します。
元祖 みずの 塩大福
巣鴨スイーツと言えば塩大福。この巣鴨エリアには、塩大福のお店が数店ありますが、こちらは中でもトップクラスの人気店の一つ。塩大福と言っても、塩味は控えめで、お年寄りにも、「塩スイーツって甘いのかしょっぱいのか、どっちかにして!」という塩スイーツビギナーにもお勧めできる味。休日の日中は10~20人ほど並ぶので、縁日や大祭の時に購入するためには、さらに厳しいシニアとの仁義なき戦いに勝たなくてはなりません。それでも食べたい塩大福。月一以上巣鴨に通って健康効果を高めつつ、いろいろな塩大福の味比べをするのも楽しいかも(筆者が無類の豆好きのため、つい熱くなりました!)。
FRENCH POUND HOUSE(フレンチ パウンド ハウス)
「日本一おいしい」と言われるショートケーキが巣鴨にあるってご存知でしたか?30年以上前、純粋なフランス菓子店としてスタートされたこちらのお店。周辺の幼稚園に通うお子さんを持つお母さんから、「子どものお誕生日に作ってほしい」と頼まれ作り始めたショートケーキが口コミで広がり、今では看板メニューに。
人気のショートケーキは2種類。たくさんの苺、良質の生クリーム、スポンジに軽く苺の果汁を含ませて作った「ブラン」と、苺の果汁を加えたメレンゲを生クリームと合わせ、香りづけ程度の苺のお酒とキルシュを使った「ルージュ」。
こちらは、JR巣鴨駅をはさんで、とげぬき地蔵とは反対側にあるので、足を休めるにはちょうどいいかも。ただし、こちらも大人気のケーキは売り切れ必須。巣鴨の朝は早い。早めの行動で、散策のシメに充ててはいかがでしょうか。
FRENCH POUND HOUSEウェブサイト https://www.frenchpoundhouse.com/
赤パンツ 「日本一の赤パンツ」マルジ「赤パンツ館」
巣鴨に行くと目に付くもの。それはやはり「赤パンツ」!赤パンツの元祖「巣鴨のマルジ」は、あっちを見ても、こっちを見ても、赤いパンツ!パンツ!パンツ!
赤パンツの効果は様々。血行促進、食欲増進、新陳代謝、腎臓の活性化、血液の増加の促進、体温をあげて免疫力をアップ。男女共にフェロモン分泌が高まり、異性を虜にすることができる。自律神経に働きかけ、アドレナリンの分泌を促すなど。その効果は東洋医学でも認められています。
巣鴨のマルジでは、バブル崩壊後平成6年から赤パンツを発売。今では赤パンツ専門店を含む4店舗を展開する、巣鴨を代表する衣料品店。その秘密は。「赤の力で元気と幸福を」という、「巣鴨マルジおもてなしの歌」で感じ取ることができます。
この効果も、巣鴨を闊歩するお年寄りからも、マルジさんの勢いからも、立証済みと言えるのではないでしょうか。
赤パンツの元祖 巣鴨のマルジhttp://www.sugamo-maruji.jp/
他にも魅力いっぱい。巣鴨の商店街。例大祭は年3回、縁日は月3回あります。老師の法話にもあったように「あわてずゆっくり」。ぜひ月一訪れて、ご利益と街歩き両方を楽しんでみませんか?
とげぬき地蔵尊例大祭 https://www.sugamo.or.jp/event_detail.php?id=76
巣鴨地蔵通り商店街ウェブサイト https://sugamo.or.jp/