茨城県取手市の新春恒例行事である、とりで利根川どんどまつりのレポートになります。開催場所は取手緑地運動公園になり、都心からのアクセスも良好です。また、夏には同じ場所でとりで利根川大花火も行われ、山﨑煙火製造所、筑北火工堀米煙火店、高城煙火店による芸術的な花火が見られる穴場的な花火大会があります。
午前中には凧あげ大会も開催され、夕方からは取手市の貝塚、上高井、米ノ井、永山地区合同で、どんど焼きが行われます。この地区ではどんど焼きの事を「あわんとり」とも呼ぶそうで、粟・稗などの穀物を荒らす鳥や虫の害を除き、五穀豊穣を願ったものが語源と言われているそうです。
どんど焼きに使われるやぐらは、古くから伝わる竹と荒縄のみで作られた本物であり、昔は子供たちの役割として竹の切り出しから行っていた様です。それぞれの家庭で使われた正月の松飾り・しめなわ・書き初めなどが積み上げられていきます。(やぐらの高さ約10mほど)
夕方になると観光協会のテントで紅白の福もちが販売されます。購入後は隣で貸し出している5~6mもの篠竹(シノダケ)に餅を刺すのですが、これだけ長さがあるとトラブルにもなるようで、「持ち歩く際は上を向ける様に」「餅を刺す際は周囲に人がいない場所で」と頻繁に注意喚起が行われていました。
やぐらに点火された後は、焚火で餅を焼きます。古来からその餅を食べると無病息災として一年間、健康で過ごせる言い伝えがあり、また五穀豊穣として農作物の豊作も願われます。普通は直火で焼くので焦げた餅が量産されるのですが、アルミホイルを使っている賢い人も若干見掛けました。
どんど焼きの終盤では高城煙火店による最大4号玉(開花直径約120m)の花火が打ち上がります。正味1分ぐらいの内容で、夏の様な芸術玉はありませんので悪しからず。
今回のまとめ
東京駅から1時間以内、取手駅から現地まで徒歩5分とアクセス良好な立地です。どんど焼きも都心では少なくなってきていると聞きますが、ここでは福もちが1,000個以上も売れる賑わいがあります。観光も兼ねて伝統文化に触れてみるのもいいかもしれません。
次回は第50回の節目の年になる様です。主催者の取手市観光協会を始め、地域住民全員で日本の伝統行事を末永く続けていって欲しいものです。 取材協力:取手市観光協会 数藤弘人様