愛知・津島の夏祭り
愛知県の西部に位置する津島市。木曽三川（木曽川、長良川、揖斐川）の流れからすぐ東側で渡河の拠点の地であったため、古くから交通物流の要所の津島湊として発展してきました。戦国時代には織田信長をはじめとした織田家の商業都市として重要視され、織田家の拡大には津島での経済力が欠かせなかったとも言われています。
また、かつてスサノオノミコトと同一視されていた「牛頭天王（ごずてんのう）」を祭神としていた「天王社」は、現在全国に約3,000社あるといわれますが、その総本社が津島市の津島神社です。
この津島神社で毎年7月第四土日に開催されているお祭りが「尾張津島天王祭」。一日目の「宵祭」は5艘の提灯を付けたまきわら船が作り出す幻想的な風景が魅力的、対して二日目の「朝祭」は鉾持の若衆が池へ飛び込み御旅所まで泳いでいく姿が見られる等、いくつもの見どころのあるお祭りです。
ここからは台風や新型コロナウイルスの影響で6年ぶりの通常開催となった、一日目の宵祭の様子をご紹介します！二日目の朝祭の様子は下記の記事をご覧ください。
まきわら船へ付けられる提灯
18時半頃の車河戸（くるまこうど）へやってきました。こちらはお祭りのメイン会場でもある天王川公園の丸池の横にある場所で、宵祭の主役のまきわら船の出発地になっています。既に車河戸へは5艘が集合しており、日の暮れはじめに合わせてまもなく提灯が取り付けられていくところです。なお車河戸の車とは船のことを指しています。
夕焼けに照らされる中、関係者の皆様が次々に船へ乗り込んでいきました。
提灯も登場です！まきわら船の見どころはなんといっても闇夜に光る提灯を纏った船の姿ですが、一つ一つ手作業で取り付けられていくのですね。
船の上部へと提灯が運ばれていきます。
まきわら船の真ん中で空高くのびる棒は真柱（まばしら）です。この真柱へ5艘で競争するかのように提灯を上げていくのは注目の瞬間となります！
全ての船の真柱に提灯が上げられました。真柱には月の数と同じ12個の提灯が付けられるのが特徴なのですが、2023年は旧暦で閏年に当たる年のため、例年よりも一つ多い13個が付けられているのも必見です！
真柱が終わると、続いては提灯を円上に取り付けていきます。
日も沈み暗くなってくると、提灯の明かりも感じられるようになってきますね。これは雰囲気があります。
尾張津島天王祭がはじまりました！現在は車河戸にて、まきわら船に提灯が付けられていっています。
提灯は点火され、日が暮れるにつれて夜祭りの雰囲気が出てきて良いですね！#祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/SlP3cxx48A— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 22, 2023
さらに時が進み、すっかりと日が暮れました。煌々と提灯が光りはじめます！
一つずつ下方から手渡しで上げられていく提灯。
暗くなり、より幻想的な光景に。まきわら船へは、どんどん提灯が付けられていきます！#尾張津島天王祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/wGZM2KbNoI
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 22, 2023
この時間になると、見物の方々もどんどん増えてきましたね。
飾り途中のまきわら船が見られるのは、車河戸にいる間だけ！貴重な瞬間を味わうことができます。
提灯の取り付けがだいぶ進んできたまきわら船の様子。
この幻想的な光景にはついつい見入ってしまいますね。
さあ、提灯の取り付けが終了しました。ここからはお隣のメイン会場、丸池へと繰り出していきますよ！
丸池に広がる幻想的な光景
20時半を過ぎ、いよいよ出発の時を迎えるまきわら船。その出発を今か今かと待つ、見物客の期待も高まってきています。
まきわら船が動き出しました。いざ、出発です！
ゆっくりと、丸池に向かって進みます。お囃子も響きはじめ、これはたまらない雰囲気ですね！
まきわら船が出発しました！お囃子も響き、これは風情があります。#尾張津島天王祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/lNoUtxBZn5
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 22, 2023
丸池へ続く水路を縦一列で進む5艘のまきわら船。
丸池へと出てきました。池の淵に設けられた観覧席（事前予約席）は大盛り上がりです！
間近に現れたまきわら船に、釘付けになりますよね。
観覧席からの光景です。目の前でまきわら船を見ることができ、これは良いですね！事前にお弁当を注文したり、別途観光船の予約もできたそうで、いろんな楽しみ方ができるのも魅力です！#尾張津島天王祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/JknHUlKs53
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 22, 2023
写真も撮りたくなります！
まきわら船はそのまま対岸にある御旅所方面へ。
まきわら船が丸池へ繰り出してきました！5艘の船は、まずお神輿の置かれた御旅所を目指して進んでいきます！#尾張津島天王祭 #祭り #オマツリジャパン pic.twitter.com/uMUk1Xl3z2
— 高橋佑馬｜お祭りライター (@yuma_walking) July 22, 2023
次々に御旅所前へと到着していきます。
御旅所前からの光景ですが、これは迫力がありますね。
御旅所では神職の方々がお出迎えです。
船に乗っている方々が御旅所で降りるシーンもありました。
丸池に広がっていく5艘のまきわら船。美しい光景です！
600年以上の歴史があるとされ、ユネスコ無形文化遺産にも登録された尾張津島天王祭。このようなお祭りの光景が令和の時代でも見られるのは嬉しいことですね！
お祭りグルメも楽しめる
まきわら船を見物しながら、お祭りグルメも楽しみたいですよね。丸池や車河戸の周りには、ずらっと露店が立ち並んでいるのも見どころの一つなんです！
お祭りグルメの定番、たこやきや焼きそば、お好み焼きももちろんあります。
そして愛知県のお祭りらしく、たませんを提供する露店の姿も！たませんとはえびせんべいにソースを塗り、目玉焼きにマヨネーズをかけえびせんべいで挟んだもののことを言い、お店によってはさらにトッピングが付いたりするご当地お祭りグルメです。ぜひ他地域から来られる方は見つけたらお試しください。
観覧席からまきわら船が楽しめる様子をお伝えしましたが、こちらでは事前予約制のお弁当の販売も行われていました。宵祭に合わせたお弁当とのことで、こちらを食べながらお祭りを味わえるのは嬉しいサービスですね。
アクセス
■津島駅まで
・名鉄名古屋駅から名鉄名古屋本線準急（名鉄津島・尾西線直通）で25分
・名鉄一宮駅から名鉄尾西線で33分
■津島駅から天王川公園（丸池）まで
・徒歩で12分
尾張津島天王祭は、二日目の朝祭へと続きます。次の記事では、その朝祭の様子をご紹介していきます！