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ユネスコ「来訪神 仮面・仮装の神々」無形文化遺産に登録

2018年11月29日に、モーリシャスで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)政府間委員会は、「男鹿のナマハゲ」(秋田)や「甑島(こしきじま)のトシドン」(鹿児島)など8県10件の伝統行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録すると決定しました。

来訪神は、年に一度、決まった時期に人間の世界に来訪するとされる神。

  1. 吉浜のスネカ(岩手県大船渡市)
  2. 米川の水かぶり(宮城県登米市)
  3. 男鹿のナマハゲ(秋田県男鹿市)
  4. 遊佐の小正月行事(山形県飽海郡遊佐町)
  5. 能登のアマメハギ(石川県輪島市・鳳珠郡能登町)
  6. 見島のカセドリ(佐賀県佐賀市)
  7. 甑島のトシドン(鹿児島県薩摩川内市【下甑島】)
  8. 薩摩硫黄島のメンドン鹿児島県鹿児島郡三島村【薩摩硫黄島】)
  9. 悪石島のボゼ(鹿児島県鹿児島郡十島村【悪石島】)
  10. 宮古島のパーントゥ(沖縄県宮古島市【宮古島】)

厄災を払って幸福をもたらすとされる10件ですが、過疎化や少子高齢化に伴い、神に扮する担い手の確保が課題となっています。

各地で保護の取り組みが進められていて、遺産登録が今後の活動の弾みになることが期待されています。

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は29日、モーリシャスで開かれた会合で、「男鹿のナマハゲ」(秋田県)など10件で構成される「来訪神(らいほうしん) 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録することを決めた。2009年に単独で登録された「甑島(こしきじま)のトシドン」(鹿児島県)に加える形で登録されるため、日本の無形文化遺産は21件のまま。

毎日新聞

秋田より菅原広二市長男鹿市長からのコメントのとおり行事の保存・伝承と観光振興の新たなる道になる契機になります。

男鹿のナマハゲは、大みそかの晩に男鹿半島全域で行われる伝統行事。なまはげに扮した住民らが「泣く子はいねがー」などと叫びながら家々を回り、怠け者を戒める。

男鹿市の菅原広二市長は「登録決定の喜びを市民と分かち合いたい。文化が世界に認められたことは大変誇らしく、行事の保存・伝承への励みになる。登録を契機に、なまはげ行事を地域の元気につなげるとともに、文化の魅力を国内外に発信し、インバウンド誘致などさらなる観光振興に努めたい」とコメントした。

来訪神は仮面をかぶったり仮装をした人が、神として家々を訪れ、怠け者を戒めたり幸福をもたらしたりするとされる行事。宮古島のパーントゥは旧暦の9月上旬に行う島尻自治会と、旧暦の12月最後の丑(うし)の日に行う野原(のばる)部落会が保護団体。人や建物に泥を塗ったり、男の子が集落を練り歩いたりと、厄払いの方法も外観もそれぞれに特徴がある。地域とその人々の災厄をはらい、幸いをもたらすとされる。

10件はそれぞれ国の重要無形民俗文化財に指定され、関係自治体と住民らが保存・振興のための協議会を組織している。

玉城デニー知事のコメント 宮古島市平良島尻と上野野原で継承されてきた「宮古島のパーントゥ」が、ユネスコ無形文化遺産の代表一覧表に「来訪神 仮面・仮装の神々」の構成要素の一つとして記載されることは、県民にとって大きな喜びであります。また、地域の行事を時代を超えて大切に受け継いでこられた地域の皆さまにとって、大きな誇りとなるものだと思います。沖縄の島々には、現在まで受け継がれているさまざまな伝統文化があります。伝統文化を次代へ継承し、地域や人々の結びつきを深め、地域が発展していく上で、今回の記載は大変意義深いものと確信します。心よりお喜び申し上げます。

沖縄タイムス プラス2018年11月29日

申請から登録までの月日は延期になった分長くなったように感じる登録決定の印象でした。

次に目指すのは、2020年、宮大工などが継承する「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が登録を目指すことになっています。来訪神にも共通しているのは、受け継ぐための伝統技術が重要という点です。

登録は2016年の「山・鉾・屋台行事」以来となる。

来訪神は、正月など年の節目に仮面をつけたり仮装したりした人が「神」として家々を訪れる行事。人々に幸福をもたらすとされ、10件はいずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。各地域で伝承され、住民の結びつきを深めてきたとして、政府がユネスコに登録を申請。登録の可否を事前審査するユネスコの補助機関が10月、「地域文化の多様性を示している」などとして登録するよう勧告していた。

行事のうち「甑(こしき)島のトシドン」(鹿児島県薩摩川内市)は09年に登録された。政府は続いて「男鹿のナマハゲ」の登録を目指したが、トシドンと類似しているために11年の政府間委員会で見送りが決定。このため政府は複数の行事をまとめて一つの遺産とする方法に切り替えた。

来訪神はトシドンの「拡張」として扱われるため、日本の登録総数は21件で変わらない。政府間委員会最終日の12月1日、遺産リストに記載される。

無形文化遺産は08年に初めて「能楽」「人形浄瑠璃文楽」「歌舞伎」の3件が登録。「和食 日本人の伝統的な食文化」(13年)や「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」(14年)など14年まで7年連続で登録されたが、15年と17年はなかった。各国からの申請がユネスコの審査件数の上限を超え、中国に次いで登録件数が多い日本の案件については審査のペースが抑えられているためだ。

来訪神として申請したのは16年3月。通常は翌年の11月ごろに審査されるが1年の先送りが決まり、政府は17年3月に再提案した。日本の案件が次に審査されるのは20年。宮大工などが継承する「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が登録を目指すことになっている。

■福を持ち込む異形の神々

来訪神は正月や盆など、一年の節目に人間の世界を訪れ、怠け者を戒めたり、幸福や豊穣(ほうじょう)をもたらしたりするとされる神々だ。鬼のような異形の姿で現れる特徴を持ち、民俗学者、折口信夫は巡礼者や芸能民ら村落の外からやってくる「まれびと」を歓待する風習との関係性を指摘している。
村の若者らが神にふんして年中行事が行われる。神の仮面は鬼のように角が生えていたり、真っ赤な顔に丸い大きな耳がついていたり、地域によって異なる。体にはワラや葉などでできた衣装をまとい、おどろおどろしい振る舞いをするものが多い。
住民は村落内を巡回する神を家に迎え入れ、酒や料理を出すなどしてもてなす。全身を泥だらけにした「宮古島のパーントゥ」(沖縄県宮古島市)など、住民らに泥を擦りつけて回るパターンもある。最近は過疎化や少子高齢化を背景に、迎え入れる家庭や、神々の役割を担ってきた青年らが減るなどして、行事を続けるのが難しくなっている。

日本経済新聞2018年11月29日

 ユネスコ登録により日本の来訪神の地域や県が伝統文化と地方創生の大きな良い波になることで日本の活性化に繋がることでしょう。

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