2018年に初開催されたX’mas花火in足利。2019年は台風19号で被災した市民や企業に「上を向いてほしい」という願いから「あしかがほほ笑み花火」として開催されます。こちらの記事では2018年に開催されたX’mas花火in足利を改めてご紹介。2019年も冬の夜空に輝く花火をご堪能ください!
(この記事は2018年に公開されたものを再編集しています。 2019年12月9日 編集部更新)
元々は大晦日のカウントダウン花火として開催されていた様です。しかし、諸事情により時間を19時と早めて打ち上げる様になったのですが、これでは一体何の為に打ち上げているのか目的が分からなくなってしまい、次に考えられた案がクリスマスとしての花火大会。
クリスマス花火と言えば、愛知県のISOGAI花火劇場in名古屋港、大分県のべっぷクリスマスファンタジアが有名です。まだまだクリスマスに花火観覧は世間一般には浸透していませんが、デートコースには勿論、親子連れも多く、冬の開催にしては、各地でかなりの集客を上げています。同じ花火なら多くの足利市民に楽しんで貰おうと、実行委員の想いが集まった形がX’mas花火in足利なのです。
しかし、初開催には色々と問題が付いてくるのがこの業界。実行委員ともなると、協賛金集めから、チラシやポスター、メディアによる告知、出店の募集、イベント出演者に掛け合ったりと仕事は多岐に渡り大変です。更に消防の指導により安全に安全を重ねて通常よりも広範囲で数日前からボランティア有志よる草刈りが行われていた様です。
そこまで大変な思いをしても開催できるかわからないのが花火大会。日中は飛ばされそうな程の強風が続きます。ある程度の雨や雪であれば開催は問題ないのですが、火事の原因になる強風だけはNGで、風速10mを超えると中止せざるを得ません。
今回は事前にアポイントを取っていたので、花火を担当する須永花火田島煙火工場の代表取締役である田島浩さんに特別に打ち上げ現場を案内していただきました。
まず、観覧場所から正面に見えるのが枠仕掛け花火。スポンサーの企業名が花火で描かれています。10万円の協賛金でやってくれるそうです。
続いて打ち上げ花火。今回は最大4号なので一番大きな筒が4号筒です。筒の直径は約12cmになり中に入れる花火玉は一回り小さいのが一般的です。4号玉と言っても開花すると直径120mもの大きさに広がる花火なのです。
この半円型に並べられている筒は通称 アルマジロ。扇の様に放射線状に花火を打ち上げる事が可能です。見栄えが良いので盛り上がりの場面など効果的な演出に使われます。
こちらは小型煙火と言って予めプログラムされている小さい花火が一つの箱に入っています。点火すると打ち終わるまで一通りの動きをしてくれます。スターマインの賑やかしに使われ、中国など海外から輸入される事が多いです。
従業員の皆さんも寒い中でも準備に余念がありません。ここで使われている打ち上げ筒は通常のステンレス製ではなく、グラスファイバー製なので持ち運びは通常より楽なんだとか…。花火師の仕事は重労働なので少しでも負担が軽くなってほしいものです。
打ち上げ現場を一通り見させていただき会場に戻ると色々な屋台が並ぶ中、花火玉を売っている面白いお店を発見しました。普通、一般の人が花火玉を購入できる機会は滅多にありません。
どうやら打ち上げ現場を案内してくれた須永花火田島花火工場で普段使っている花火の外側(玉皮と呼ぶ)を販売してる様です。当然ながら火薬は入っていません。希望があれば、ことびよりmariさんによる文字入れもオーダーできます。
また、イベント会場ではステージショーも行われていました。風が強くて大変だったと思いますが、よさこいや和太鼓の演奏などx’mas花火in足利を盛り上げようと頑張ってくれていた様です。
19時から打ち上げ開始。気掛かりだった強風も不思議なくらい収まり絶好の花火日和。トランペットの生演奏と共にスポンサー企業の名前が入った枠仕掛け花火の点火から始まります。
続いて、司会者の梶さんによる「Merry Christmas!」の掛け声でワイドミュージックスターマインが打ち上がります。使われる曲は馴染み深いクリスマスソング3曲。超至近距離なので、おそらく観覧場所として用意されていたグラウンドで見ていた人は首が痛くなる程の距離だったのではないでしょうか。
花火の内容は自社玉だけでなく、山梨県のマルゴー、長野県のアルプス煙火工業など全国屈指の煙火店の花火玉も使用されていたのでバリエーションが豊かでした。10分足らずの短時間の中にも凝縮された技術が詰め込まれていました。
1.マライアキャリー 「All I Want For Christmas Is You」
2.山下達郎 「クリスマス・イブ」
3.桑田佳祐 「白い恋人達」
今回のまとめ
第1回目の開催なので来場者も少ないのは仕方ないと思っていましたが、花火打ち上げ時には大勢の人が集まっていました。強風で開催できるか不安の中でも、何とか無事に第1回を終える事ができて関係者はホッとしている事だと思います。
今回、お話を聞かせて頂いた皆さんは地元を愛する心でX’mas花火に懸ける想いでいっぱいなのが伝わってきました。今後も末永く続けて新たな足利名物イベントとして定着して欲しいものです。
取材協力
実行委員会:Tery Nakayama様、村山 大地様
司会進行:梶 志緒里様 花火玉アート:ことびよりmari様
担当煙火店:須永花火田島煙火工場様