Now Loading...

かまくら館で一年中かまくらを体験できる?秋田県横手市かまくら館の魅力とは

2021/3/4
2021/3/6
かまくら館で一年中かまくらを体験できる?秋田県横手市かまくら館の魅力とは

今年は規模が大幅に縮小した、2月の横手雪まつり。かまくらに入る体験ができなくて寂しい思いをした方も多いはず。そこで今回は、一年中かまくらに入る体験ができる「横手市ふれあいセンター かまくら館(以下、かまくら館)」と、かまくらの魅力をたっぷりとご紹介する。

一年中かまくらを体験できる貴重な場所「かまくら館」

かまくら館は一年中かまくらが体験でき、かまくらの歴史や作り方なども知ることができる場所だ。横手市のかまくらについて調べていた時にとても興味が湧いたので、2021年2月に実際に現地を訪れた。その時に見たことや感じたことをレポートさせていただく。

最寄駅はJR横手駅。駅からは徒歩約10分の道のりだ。駅から出ると道の大部分が雪に覆われており、とても雪深い。

かまくら館までの道中は、あと◯◯mという標識も立っており、迷わずたどり着くことができる。市役所の隣にあるので、市役所を目指していけば間違いはない。

こちらの建物が目的地のかまくら館だ。ガラス張りと曲線的な作りが印象的である。時計がかまくら型になっていてとても可愛らしい。

かまくら館の中に入ると、横手の小正月行事「ぼんでん」の豪華な飾りがお出迎えしてくれる。「かまくら室」の矢印の方向に進む。

こちらの虹色で「ファンタジックギャラリー」と書いてある場所からは、入場料が100円かかる。この中に入っていくと、かまくら体験ができる場所にたどり着く。

非常に大きな冷蔵庫を開けるように鉄の扉を開けると、そこからは雪に覆われた極寒の世界。大きいかまくら1個と、小さいかまくら2個がお出迎えしてくれる。

実際にかまくらを見て、とても正確で丁寧に作られているという印象を受けた。実際にかまくらを作っているのは「かまくら職人」と呼ばれる職人さんたちで、普段はこの地域でりんご農家や墓石作りなどを営んでいるとのこと。技術の習得には時間がかかり、最初の年は親方について修行するのだとか。このゴザが引いてある場所から靴を脱いで、いよいよかまくらの中に入っていく。

かまくらの中には水の神様である「水神様」が祀られており、いくつかお供え物も置いてある。また、ゴザの上には火鉢が置かれ、その上でもちが焼かれている。

実際にこの場所でお餅を食べることはできないが、本物に見えるほどにとても美味しそうだ。このような光景を見ていると、古き良き昔の暮らしを思い浮かべる。

かまくらがある場所の外には、かまくらの作り方や歴史などの展示もある。かまくら作りは子供の遊びと職人が作るのとでは、工程が大きく異なる。職人が作るときは、きちんと棒とロープで円の直径を測ってから作り始めるようだ。まるで家を作るように、本格的にかまくら作りと向き合う方々がいるのである。

全て見終わったら、先ほどの虹色で「ファンタジックギャラリー」と書いてある場所が出口にもなっているのでそこまで戻る。看板には、「まだ、おざってたんせ」という方言が書かれている。「また、お越しください。」という意味だそうで、この看板を見ているとほっこりする。

出口を出ると、お土産屋がある。ここで、かまくらに関するお土産を見てみよう。

例えば、このかまくらを再現した置物。人形が仲良くかまくらに入っている様子がとても可愛らしい。作りが細かいので、手先の器用な方が心を込めて作っている様子が想像される。

こちらの「かまくらサブレ」はお土産を家族や友人に渡したい時に、手軽に渡せそうだ。食べやすいサイズにもなっている。子供が読む絵本のワンシーンにも出てきそうな可愛らしいデザインだ。

さて、お土産を見終わったところで、先ほどの「ぼんでん」の豪華な飾りが展示される空間に戻ってきた。ふと上を見上げると、「かまくら凧」や「かまくら時計」などの展示もあり、横手市の中にはかまくらの文化が様々なところで息づいていることが再確認できた。一通りかまくら館を見学させていただいた後、横手市ホームページを参考に、かまくらの歴史についてもより深く調べてみた。

横手市のかまくらの歴史

横手市のかまくらは約450年の歴史があると言われている。「かまくら」の語源は、かまどと形が似ているからとか鎌倉大明神を祀ったからとか、様々な説があるそうだ。

初期のかまくらにはどのような意味が込められていたのだろうか。江戸時代、武家の町においては、旧暦1月14日の夜に門松やしめ縄を入れて、お神酒や餅を備えてから燃やすことで災難を除き子供の成長を願うという意味でかまくらがつくられていた。一方で商人の町では、旧暦1月15日の夜に井戸のそばに雪穴を作り水神様を祭り、良い水に恵まれるよう祈願を行っていた。それから、子供等が遊びで作るかまくらもあったようで、それらが合わさって現在のかまくらに繋がっていったのだ。

昭和の時代には、市内の交通量が多くなったこともあり、作られるかまくらの量が減った。それを受けて昭和46年にミニかまくら運動が起こり、かまくらをもっと作ろうという動きも生まれた。観光資源として生かそうという活動も出てきて現在に至る。

現在横手市で見られるかまくら

現在、横手市でかまくらが見られる行事といえば、2月15日から16日の期間で開催されている「横手の雪まつり」だ。近年はこのお祭りに合わせて、約80基のかまくらが作られる(2021年の観光行事は開催せず)。職人だけでなく、一般の方が少し小さめのサイズのものを作ることもある。お祭りが終わったら安全性を考慮して壊されてしまう。そういう意味では、一年中かまくらを体験できるかまくら館は貴重である。

「秋田県横手の雪まつり」SNS投稿まとめ

一年中かまくらを体験して、知識を深められる場所「かまくら館」

今回かまくら館を訪れてみて、かまくらがたくさん立ち並ぶロマンチックで壮大な光景を楽しむような祭りの雰囲気を味わうのは難しかった。しかし、かまくらを体験するのはもちろん、その作り方や歴史的な背景までを一年を通して知れる場所だとわかった。そう考えれば、かまくらという文化を伝えていく上で、とても貴重な場所だと感じた。今年、2月の雪まつりでかまくらを見られず残念だったという方も多いだろう。ぜひこの「横手市ふれあいセンターかまくら館」にも足を運んでみてはいかがだろうか。

▼横手市ふれあいセンターかまくら館の営業時間やアクセス等詳細は、こちらのHPをご覧ください。

https://www.city.yokote.lg.jp/kanko/page300163.html

タグ一覧