菅原道真を祀る湯島天神で開催される「湯島天神梅まつり」
「東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」は、文人でありながら右大臣にまで昇進しながらも、九州の大宰府に流されることになった菅原道真が屋敷を出るときに詠んだ歌として広く知られています。東京都文京区で菅原道真を祀る湯島天神の境内には梅園が設けられ、例年2月中旬から3月にかけて「湯島天神梅まつり」が開催され、2020年には2月8日~3月8日の日程で行われています。
梅の花で彩られる夫婦坂や男坂
湯島天神は、東京メトロ千代田線の湯島駅から南西に約200メートルの位置に社殿を構えています。湯島駅から春日通りか不忍通りを歩いて湯島天神に向かうことになりますが、社殿は周囲よりも少し高いところにあるので、いずれの道を通っても坂を上ることになります。春日通り側から湯島天神に向かった場合に、上ることになるのは夫婦坂です。階段は頭上から梅の花に彩られます。
不忍通りから向かうと待ち受けるのは男坂です。
夫婦坂であれば北から境内に入ることになり、男坂であれば東からとなります。他にも南からは銅鳥居、西からは唐門を潜って境内に入ることができます。
東西南北の四方向から湯島天神に入ることができますが、男坂と銅鳥居から境内に入った場合はそのまま直進すれば本殿の正面に着きます。夫婦坂の場合は本殿の裏側、唐門の場合は本殿の西側面に繋がります。
受験生をはじめ数多くの参拝者が訪れる湯島天神
湯島天神の本殿には一年を通して数多くの参拝者が訪れます。学問の神様、菅原道真を祀っているため、受験生も多く、本殿を合格祈願のための絵馬が本殿を囲んでいます。
白加賀が初春の趣を漂わせる梅園
本殿の周囲にも梅が植栽されていますが、本殿の南西の境内に梅園が設けられています。梅園には白梅の白加賀を中心に、約20品種300本の梅が育っています。
期間中に企画される多彩なイベント
「湯島天神梅まつり」の大きな特徴は、期間中に極めて多彩なイベントが行われることです。神輿の渡御、湯島天神白梅太鼓、江戸芸かっぽれ、薩摩琵琶、尺八とお琴、カラオケコンクールなど多種多様です。全国各地の物産展や、野点、金賞梅酒飲み比べなどの特産品や飲食品のイベントも充実しています。ところが、2020年は中止予定のイベントもありますから、事前にホームページなどで確認しておく必要があります。
「湯島天神梅まつり」の期間中は、境内には様々な種類の露店がひしめき合い、味わいの異なるグルメを楽しむことができます。ただ一つ不便なことに境内にはトイレがなく、銅鳥居の外の公衆便所を利用するしかありません。
東京都文京区に社殿を構える湯島天神は菅原道真を祀っています。境内には菅原道真ゆかりの梅園が設けられ、例年2月中旬から3月にかけて初春の彩りで包まれます。梅花の見頃時期に合わせて毎年、「湯島天神梅まつり」が開催されています。