目次
学問の神様、菅原道真にゆかりの「うそ替え神事」
学問の神様として古くから日本人の心をつかむ菅原道真を祀る神社が全国各地に建立されています。東京都文京区に社殿を構える湯島天神も、菅原道真を祭神とする神社で一年を通して数多くの受験生、学生が訪れています。毎年1月25日には菅原道真にまつわる神事として「うそ替え神事」が行われています。
菅原道真は生前、ハチの大群に襲われそうになったときに小鳥のウソに救われたという逸話が残り、ウソは幸運を招く鳥とされています。新しい年を迎えると、幸を運んでもらえることを願って木鷽が求められるようになりました。前年の木鷽を新しいものに代えるのが「うそ替え神事」です。前の年に知らず知らずのうちに使ってしまった「嘘」を、天神様の「まこと」に替えて頂くことができると信じられています。
本殿の北側を東西にターンしながら向かう「うそ替え神事」の特設会場
湯島天神の「うそ替え神事」の特設会場は本殿裏、境内の北側に設置されます。神社には幾つもの入口がありますが、南側の銅鳥居を潜ると正面の本殿で参拝を済ませ、本殿の西側を半周すれば特設会場です。北側の夫婦坂を登ると、本殿を一周しなければなりません。
「うそ替え神事」の開催日には毎年大勢の人々が訪れるため、特設会場の前には人の流れをコントロールする縄が張られます。「うそ替え」を行うためには、東へ西へと何度も折り返しをすることになります。
湯島天神で授与される大小2種類の木鷽や「飾り鷽絵馬」
数回ターンを繰り返し特設会場のデスクに辿り着くと、先ず前年の木鷽を納箱に入れます。そして新しい年の木鷽の授与を受けます。湯島天神では高さ約10センチと約5センチの大小2種類の木鷽が準備されています。いずれにも胴体部分には木肌が残されるデザインが特徴的です。また木鷽の他に鷽が浮かび上がる「飾り鷽絵馬」は、湯島天神ならではのものでしょう。
「うそ替え神事」の開催日には本殿を露店が取り囲み、梅園の袂では合格甘酒を味わいながら、合格祈願を行うこともできます。
「うそ替え神事」の数週間後に初春の彩りで包まれる梅園
湯島天神の梅園には約300本の梅が植栽されています。例年2月中旬から3月にかけて「湯島天神梅まつり」が開催されていますが、2021年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となりました。例年行われる多種多様のイベントは行われませんが、「うそ替え神事」の数週間後には園内は初春の彩りで包まれることでしょう。
東京都文京区で学問の神様、菅原道真を祀る湯島天神では「うそ替え神事」が行われています。本殿の北側に特設会場が設置され「うそ替え」を行います。湯島天神では大小2種類の木鷽の他に「飾り鷽絵馬」が授与されています。