コロナ禍で中止や縮小が続く全国の祭りを「飲んで支援」できないか――。そんな問いから、オマツリジャパンは福岡のブルワリー「ブルーマスター」と手を組み、売上の10%を祭りに寄付するクラフトビール『マツリエール』を開発・販売しました。祭りに息づく楽しさを“ペールエール”の香りに閉じ込め、2021年3月3日、数量限定500セットでリリース。発売初日からECサイトには祭りファンだけでなく企業担当者の注文も相次ぎました。
<この記事のポイント>
・売上の一部を全国の祭りに寄付
・オンライン試飲会で共感を広げた
・企業CSRや自治体連携にも展開可能
“飲む寄付”を実現する三つの仕掛け
- 売上の一部を還元
購入金額の10%を東京高円寺阿波おどり、越中おわら風の盆、新居浜太鼓祭りなど五つの祭りへ寄付。透明性を確保するため寄付先と金額を公式サイトで公開しました。 - 祭りを感じる味設計
伝統文化=英国スタイルのペールエールを採用。フレッシュな柑橘香とモルティな余韻が、祭り囃子の高揚感から後夜祭の余韻までを想起させます。 - オンラインで共感を拡散
購入者限定のオンライン試飲会を開催。ブルワリー、寄付先の主催者、ファンが一堂に会し、Zoom越しに乾杯とエールを交換しました。
オマツリジャパンの貢献ポイント
- 企画立案とパートナーリング
自社調査で顕在化した「祭り支援ニーズ」を基に商品コンセプトを設計し、全国300以上の祭りネットワークから寄付先をコーディネート。 - ストーリー型プロモーション
プレスリリース・SNS動画・コラム記事を連動させ、「“一口で祭り会場へワープ”」というコピーで話題を創出。発売3日でSNS累計リーチ41万を達成。 - 共創イベント設計
試飲会ではMC・進行台本・事後レポートまでワンストップで提供。参加者アンケートでは「祭り主催者と直接話せた」が満足度No.1となり、ファンと地域の新しい接点を実証しました。
事業成果
発売1か月で寄付予定金額は目標比132%を達成。自治体から「ふるさと納税返礼品化したい」、企業から「周年ノベルティに採用したい」という問い合わせが寄せられました。
イベント担当者・マーケターの皆様へ
- CSR×体験価値:飲むだけで地域貢献が完了する手軽さは、社内報・ノベルティで高い共感を獲得。
- オンライン/オフライン連動:試飲会を社内研修や顧客招待イベントに転用し、参加型コンテンツを低コストで実装可能。
- 地域連携の新モデル:祭り団体は金銭支援だけでなくPR露出とファンコミュニティを獲得。自治体の文化振興施策とも親和性が高く、協定締結の事例も生まれています。
まとめ
『マツリエール』は、クラフトビールという身近なプロダクトを通じて「祭りを守る輪」を拡げるソーシャルグッドな事例です。オマツリジャパンは今後も、企業・自治体・祭り主催者と共に、楽しみながら地域文化を支える仕組みづくりに挑戦していきます。