谷保天満宮例祭
菅原道真公が大宰府に左遷され薨去の報を受けた際、第三子道武公が自身が流された谷保の地に父を祀ったことが谷保天満宮の始まりです。
学問の神様であるご祭神のご利益を求め、特に受験シーズンともなると東京都内外からも学業成就を祈る大勢の参拝客が訪れます。
一年を通して最大の祭事である、毎年9月の例祭の見どころは、国立市の無形民俗文化財にもなっている古式獅子舞と万灯行列です。
獅子舞は例年9月15日の「獅子迎えの儀」に始まり、本祭前夜の「獅子舞宵宮参り」という特殊神事の後と本祭当日に、境内で平安時代から伝わる舞が披露されます。舞にはストーリーがあり、小頭・大頭と呼ばれる2匹の雄獅子が、1匹の雌獅子を巡る恋物語になっています。
万灯行列は本祭の正午ごろから、まず獅子舞行列の先導を担います。各町会から一基ずつ参集した花万灯は十数基。竹に紙の花を飾ったバレンが大きな傘のように広がり、優雅かつ厳かに揺れて沿道の人を魅了します。
JR谷保駅ロータリーから谷保天満宮境内まで約2時間にわたり勇壮に練り歩いた花万灯は、最後にぶつけ合って解体されますが、バラバラになったバレンにはご利益があると言われ、人々は競って持ち帰ります。