どうも。奇祭ハンターのまっくです。今回は、実は2月が旬!冬の祭りの「華」ともいえる裸祭りを大特集。「やっぱ男は顔より体よ、筋肉よ!」という方は必見です。
大勢の裸体の漢たちが密集するその性格から、オミクロン株の感染流行の真っ只中で、次々と中止や縮小に追い込まれる今年の裸祭り。しかぁし、そんな時だからこそしっかりと「裸祭り」の基本をこの辺で概観しておこうじゃないか。今回は全国から数ある「裸祭り」を
➀超王道の3選
➁変わり種の3選
➂その他16選
に分類して紹介するゾ。さぁ、それでは行ってみよう!
ここでは、その規模と知名度から「日本三大祭り」(全俺調べ)と呼んでも差し支えないであろう「裸祭り」を3つ厳選して紹介します。なお3つとも開催時期は2月で(※蘇民祭は旧暦の関係で1月開催となる場合あり)、すべて日本三大奇祭の異名を持っています。
キャッチコピーは「裸の男と炎の祭」。災厄を払い、五穀豊穣を願う裸参りに始まり、柴燈木登(ひたきのぼり)、別当登(べっとうのぼり)、鬼子登(おにごのぼり)と夜を徹した催しが続きますが、何といっても祭のクライマックスは翌早暁にかけて繰り広げられる蘇民袋の争奪戦。厳寒をものともせず裸の男達のエネルギーが激しくぶつかり合う様が見所です。
その起源は、貧しい蘇民将来が牛頭天王(スサノオノミコト)から厄除けの加護を受ける岩手県の説話が由来ともされています。黒石寺のものが最もメジャーですが、蘇民祭そのものは岩手県内の複数の地域で行われています。
■日時:旧暦正月7日夜~翌早暁 ※2022年は中止
■場所:妙見山黒石寺
■交通:水沢江刺駅、水沢駅発着の臨時バスが運行
■詳細:奥州市公式ホームページ「黒石寺蘇民祭とは」
はだか祭の撮れ高です。
取り急ぎ速報で。
#国府宮はだか祭り pic.twitter.com/aAPtvLClst— miya (@miyalux) February 17, 2019
正式名称は「儺追神事」(なおいしんじ)。寺ではなく神社で行う「裸祭り」。祈祷と神籖によって選ばれた一人の儺負人(神男)を巡り、8000人の裸男たちが肉弾相打つアツい揉み合いを展開しますが、これは、神男に触れると厄落としができるという信仰があるからです。祭りの起源は767年、称徳天皇が悪疫退散の祈祷を全国の国分寺に命じたことがキッカケという、古き伝統ある奇祭です。
■日時:旧正月13日 ※2022年は中止
■場所:国府宮(尾張大國霊神社)
■交通:名鉄本線「国府宮駅」北口より徒歩3分、JR東海道本線「稲沢駅」徒歩15分
■詳細:尾張大國霊神社 国府宮ホームページ「はだか祭」
キャッチコピーは「500年以上続く天下の奇祭」で、日本三大奇祭の一つとも。厳冬の深夜、西大寺観音院の本堂 御福窓(ごふくまど)から投下される2本の宝木(しんぎ)をめぐって、約1万人のまわしを締めた裸の男たちが激しい「宝木争奪戦」を繰り広げます。宝木を取った勇者は福男と呼ばれ、福が得られると言われています。例年であれば少年はだか、女性はだか、奉納演舞、会陽冬花火、露店の出店などもあります。
■日時:2022年2月19日(毎年2月第三土曜)※2022年は関係者のみで実施
■場所:西大寺観音院
■交通:JR西大寺駅から徒歩約10分
■詳細:西大寺ホームページ「会陽(えよう)-裸祭」
集まる裸男たちの数でいうと上記で挙げた3つが強豪であることは間違いないのですが、ここではその一癖ある特色から推したい異色の裸祭りを3つ紹介します。
「奉納相撲」に始まり、新婚女性二人による羽根つきを挟んだ後、藁玉を奪い合う「玉せせり」、豊作か大漁を占う「綱引き」と、青年団と消防団の2チームに分かれた裸男たちによる三本勝負が行われます。フィナーレで「大草鞋」に女子を乗せて胴上げしながら奉納するのが一番の見所なうえに、裸男たちが「ヘグラ」と呼ばれるススを体に塗りつけるのも特徴的。
ヘンテコな種目数の多さと謎さ加減でメジャーな奇祭ですが、「裸祭り」の最も原初的な形態(オリジン)を残した祭りとも言えるかもしれませんね。
■日時:毎年1月第三日曜
■場所:長崎県五島市下崎山地区
■交通:JR「長崎駅」から徒歩15分「長崎港」~高速船約1時間25分「福江港」~車約15分もしくはバス約15分「崎山」~徒歩10分
惑星直列的奇跡だと勝手に思っていたw、3月7日(土)の「浦佐毘沙門堂裸押合大祭」からの、翌日8日(日)栃尾の「ほだれ祭」というまわしが、残念ながら両方とも中止に!
む、無念・・・(´;ω;`)次回土日で回せるのは2026年の予定だゴン!
わすれずに~(;_;)/~~~ pic.twitter.com/6SQviSpuHK— えちゴン (@echi_gon) February 27, 2020
上半身裸の男衆が「サンヨー、サンヨ!」の掛け声と共に押合い、一段高い所に祀ってある毘沙門天を誰よりも早く、近くで参拝しようと押し合う奇祭。我先に毘沙門天を拝もうと集まり始め、多くの民衆が押合い始めたのがきっかけなのだとか。重さ約30kgの大ローソクを持ち運ぶことから別名「大ローソク祭り」とも言われています。また、近日に開催される「ほだれ祭」も併せて要チェックです。
■日時:2022年3月5日(毎年3月第一土曜夜)※2022年は神事のみ開催
■場所:越後浦佐毘沙門堂 普光寺
■交通:JR上越線「浦佐駅」より徒歩5分
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地元で「タコさん」「蛸(たこ)大明神」として親しまれる神社で開催。境内にある舞堂(まいどう)で、裸男たちがワラで作った蛸を掲げる男を担ぎ上げ、蛸の舞いを演じた後、丸梁(まるはり)に抱きついた主役を下から大勢でクルクルと回転させる奇祭。回転の際、主役の裸男は股間を強打するので大ダメージを食らう。
その昔、速玉男命が和歌山県の熊野灘で遭難した際、大蛸に助けられて無事に吉備国(きびのくに)へと上陸。その後、この地を訪れたという故事にちなんでいるのが由来だとか。
■日時:毎年10月第三日曜
■場所:福岡神社
■交通:JR伯耆溝口駅から車で20分
ここからは全国各地の「裸祭り」を一挙にゴバっと網羅。大別すれば、荒修行や寒中稽古のような禊(文字通り水に流す)としての修行要素が強いもの、その年の吉凶を占ったり、福男を決めたりする年占の要素が強いものの二系統に分かれると言えるでしょうか。また厳密には裸祭りとは由来が異なる水祝なども併せて紹介します。
毎年正月の1月2日、春日神社(高知県大月町)で開催。裸ではなく浴衣姿の若者たちが海水をかぶるたび、見物客から歓声が上がる。約350年前の大火事がきっかけで始まった防火祈願の正月行事。
毎年1月3日に筥崎宮社(福岡県)で開催。幸運を授かるといわれる木製の玉をめぐって裸男たちが勢い水を浴びながら、激しい争奪戦を繰り広げます。玉取祭とも。
毎年1月7日に、福満虚空藏菩薩圓藏寺(福島県柳津町)の本堂で開催。午後8時30分の一番鐘の音を合図に下帯ひとつの裸男たちが113段の石段を駆け上がり、堂内にある麻縄をよじ登ります。男性であれば年齢問わず参加OK。
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毎年1月20日に、八坂神社(熊本県上津深江)で開催。神事の後、ほら貝の合図で裸男たち30人が朱塗りの御輿を担いだまま冷たい海に飛び込みます。その昔、山伏が海でみそぎをして病魔を退散させたのが始まりなんだとか。
毎年2月3日に、宝光院(ひだりめ不動、岐阜県大垣市野口)で開催。不動尊の御布札を身にまとった心男を中心に、裸男たちが杭瀬川の流れで厄をはらう「みそぎ川渡り」を行います。
毎年2月の第3土曜に開催される久井稲生神社で開催される広島県唯一の裸祭り。無病息災を願って300余名の裸男たちが2本の御福木を奪い合います。
毎年2月11日に、大原商店街(岩手県一関市大東町大原)ほかで開催。厄年の裸男たちが町中を走り抜け、桶を持って待ち構えた人々に水を浴びせかける火伏せの祭り。
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毎年2月11日、新潟県魚沼で開催。猿田彦、天鈿女命、山伏、神官、巫女、婿、裃を着た雑色が町内をねり歩いた後、婿が御神水を頭から掛けてもらう「水祝の儀」を行います。うまいもの市やはと市も同時開催。
雪中花水祝 https://t.co/C0bSKkoKqg pic.twitter.com/0wEotq5BsM
— 三友組 (@mitomogumi310) February 11, 2019
毎年7月15日、八雲神社(三重県河芸町一色地内)で開催。ふんどし姿の裸男たちが3回もみ合い、最後は直径90cmほどの「たんぼざる」を奪い合い、豊漁と安穏無事を祈願します。
毎年7月第4日曜、猪鼻熊野神社(埼玉県秩父市)で開催。ふんどし姿の裸男たちが甘酒を掛け合う奇祭。
毎年9月23・24日に、千葉県のいすみ市(旧大原町)で開催。23日には十数基もの神輿が太平洋に突進しもみあい投げる「汐ふみ」を行い、24日には18基の神輿が2基並んで大原小学校の校庭で競争する「大別れ式」を行います。関東三大奇祭とも。
旧暦8月10日直前の土・日曜、矢奈比賣神社(見付天神社、静岡県磐田市)で開催。浜辺で身体を清める「浜ごり」や腰蓑を着けた裸男たちが狂喜乱舞する「鬼踊り」が行われます。
毎年9月の最終土曜に、若宮八幡宮(群馬県みなかみ町)で開催。ふんどし姿の若い裸男たちが「ヤッサ、ジンジューロー」の掛け声で境内を練り歩いた後、本殿を廻り、最後に本殿によじ登って鈴の縄を切ります。
毎年9月下旬または10月上旬の土曜日に、七久里神社(長野県飯田市山本)で開催。裸の青年が大桶を頭上で振りながら、三国煙火の火の粉の下で舞います。南北朝時代、南朝の宗良親王を慰めるために始まった鎮魂祭なのだとか。
毎年11月3日、熊野神社(兵庫県丹波市)で開催。子ども相撲の奉納や裸奉納のほか、こけら御供や福引餅まきが行われます。
毎年12月31日~1月1日、諏訪神社(秋田県一日市)で開催。冷水で水ごりをして体を清めた裸男たちが元旦除夜の鐘を合図に樽御輿を担ぎ、町内の各神社を参詣します。昔の修験者の荒修行の名残ともいわれています。