オマツリジャパン

楽しみにしていた春がコロナに水を差されてなんだか気分が沈みますが、人類の歴史上「疫病」は必ず終息してきました。

この記事では、これまでに筆者が足を運んだ祭りの中から「元気がもらえる祭り」をピックアップしてご紹介!コロナ終息後の楽しみを思い浮かべて、前向きに過ごしましょう!

新居浜太鼓祭り(愛媛県新居浜市)

毎年10月に愛媛県新居浜市で行われるこの秋祭りでは、重さ3tの「太鼓台」が150人の「かき夫」と呼ばれる男たちによって勇壮に担がれます。

期間中は「川東地区」「上部地区」「川西地区」などを中心に54台の太鼓台が町にくりだし、市内の各所で「かきくらべ」と呼ばれる技の競演が行われます。
※地区の表記に誤りがありましたので訂正いたしました。お詫び申し上げます。

「ドンデンドン!ドンデンドン!」と鼓動する太鼓に掛け声を合わせ、太鼓台を差し上げたり、放り投げたり。(本当にブワッと浮くんです!)

肩と腰が爆発しそうな思いをしながら懸命に太鼓台を担ぐかき夫たち…その姿から「力を合わせて何でもできる」人間の強さを感じられること間違いありません。

この町の人々の祭りにかける愛と情熱は本当にすごい!元気と感動をもらえる、絶対にオススメの祭りです!

2022年10月16日、新居浜太鼓祭りでの太鼓台のかき夫を募集中!

新居浜太鼓祭り

開催時期:毎年10月16日(金曜日)から10月18日(日曜日)(大生院地区は10月15日(木曜日)から10月17日(土曜日))
開催場所:愛媛県新居浜市

新居浜太鼓祭りの詳細はこちら

けんか七夕(岩手県陸前高田市)

2011年に東日本大震災の津波で壊滅的なダメージを受けた岩手県陸前高田市に伝わる七夕行事。その名のごとく、豪華絢爛な2台の山車が激しくぶつかり合います。

苦難の中であっても、2011年も途絶えさせることなく祭りを開催。津波で家を失い、散り散りになった人々も、この祭りに合わせて再び集まりました。

そんな不屈の精神を体現するこの祭りの見どころは、一般参加も可能な綱引き合戦!200人近くの参加者が山車を引っ張り合う白熱の力比べには、観客も大興奮です。

同日には市内の別の場所にて「うごく七夕」が開催され、こちらも賑やかなお囃子に合わせて豪華な山車が練り歩きます。

いまも復興へ歩みを進める陸前高田のように力強く!祭りの楽しさが力になることを教えてくれるはずです!

けんか七夕

開催時期:毎年8月7日
開催場所:岩手県陸前高田市気仙町

宇出津のあばれ祭(石川県鳳珠郡能登町)

炎の中で乱舞する「キリコ」と「あばれ神輿」の激しさは一見の価値あり!

この「宇出津のあばれ祭」が始まったきっかけは、江戸時代の疫病の流行です。その際に京都の祇園社から牛頭天王を招請して盛大な祭礼を行なったところ、大きな蜂が人々を刺して疫病を鎮めたという伝承があるそうで、祗園祭のひとつとしてこの地に受け継がれています。

祗園祭と疫病について詳しく知りたい方はこちら!

燃え盛る炎の中で揺すられるキリコ。川に投げ込み、地面に叩きつけ、炎の中に放り込んで大暴れの神輿。その景気の良さに大満足間違いなしです。

暴れるほどに魂が甦るのがこの祭り。炎でコロナを焼き尽くし、初夏の能登半島で会いましょう!

宇出津のあばれ祭

開催時期:毎年7月第1金・土曜日
開催場所:石川県鳳珠郡能登町

宇出津のあばれ祭の詳細はこちら

悪態まつり(茨城県笠間市)

ストレス溜まりまくりのみなさん、「バカヤロー!」と大きな声で叫びたい気分ですよね?僕はそんな気分です。

毎年12月に茨城県笠間市にて行われる「悪態まつり」はオマツリジャパン一押しの奇祭。愛宕山のてっぺんを目指して歩きながら、大声で不満を叫んで日々のうっぷんを晴らします。

物騒な名前とは裏腹に、人の悪態を聞いてゲラゲラ笑いながらウォーキングするのがこの祭りの楽しみ方。コロナウイルスをたっぷり罵倒してやりましょう!

悪態まつり

開催時期:毎年12月中旬
開催場所:茨城県笠間市

悪態まつりの詳細はこちら

青森ねぶた祭(青森県青森市)

誰もが知る夏の青森の風物詩ですが、いまこの祭りを推すのにはちゃんと理由が…

実はオマツリジャパンは、代表の加藤が東日本大震災直後の2011年に青森ねぶた祭に足を運び、そのパワーに圧倒されたことが発足のきっかけになっています。

2020年のコロナウイルス騒動渦中のムードも、当時の状況と似ていると思いませんか?あの時、たくさんの人々が祭りに元気をもらったように、今年も祭りで日本を盛り上げましょう!

さらに、この祭りは「勝利の凱旋」を表現しています。祭りを盛り上げる「ハネト」には一般参加も可能ですので、私たちもコロナに打ち勝って青森ねぶた祭で凱旋し、元気いっぱい飛び跳ねましょう!

青森ねぶた祭

開催時期:毎年8月2日〜7日
開催場所:青森県青森市

青森ねぶた祭の詳細はこちら

祭りを思い出しながらこの記事を書いていたら、楽しくなってきましたよ!やっぱり祭りは元気の源だ!

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トップ画像:akiyoko / Shutterstock.com

第62回有馬記念で勝利し、有終の美を飾ったキタサンブラック。惜しまれながらの引退となりましたが、その活躍に夢や希望を抱いた方も多いのではないでしょうか。

キタサンブラックと言えば勝利した後に馬主である北島三郎さんが歌う「まつり」が有名です。先日の有馬記念でも、中山競馬場の夜空にその歌声が響いていました。
ところで、この「まつり」、一体どこのお祭りをモデルにしたものなのでしょうか?もしモデルになったお祭りがあるならば行ってみたい!そして、あの「まつり」の世界観にどっぷりと浸かりたい!

そう思い立ち、インターネットで調べてみても特定のお祭りの事をモデルにしたかどうかは明らかになりません。取材班が八方手を尽くし、北島三郎記念館に問い合わせたところ、担当の方から大変丁寧に「あいにく、わかりかねます」という答えをいただきました。ちなみに、北島三郎記念館の電話番号末尾は「3600」、そう、さぶろうです。

ここからはあくまで仮説となりますが、複数のソースを基にモデルとなったお祭りがないか検証してみたいと思います。

まつりの歌詞から地域と時期を特定

まず、まつりの歌詞に含まれる語を見てみましょう。2節目に「山の神」、「海の神」という語が登場し、ここから海のない県で行われるお祭りはモデルとして違うかな、と推測されます。
また、大トリでは「これが日本の祭りだよ」とあることから、海外のお祭りは除外してよいでしょう。

次に、「今年も本当にありがとう」、「雪が舞う」というワードが出てきます。冬の雪の降る時期に開催されるお祭りとイメージできます。

北島三郎さんの出身地でやっているお祭りは?

海のある県で、冬のお祭りといっても無数にありますので、北島三郎さんの出身地から、モデルとなったお祭りを推測してみます。
wikipediaによると、北島三郎さんは北海道上磯郡知内村(現:知内町)のご出身。函館から約50km、北海道の南の方に位置する町です。
町のホームページを見ると、北島三郎ギャラリーのオープン、北島三郎氏芸道55周年記念碑の建立など、北島三郎さんを前面に押し出しています。
知内町で開催されるお祭りを調べてみたのがこちら(公式ホームページより)。

5月:さくらまつり青空市

知内町の特産品を格安販売するイベント。 取れたてのカキをその場で焼いて食べる「焼きガキコーナー」や、「知内大鍋」の格安提供が人気。

8月:サマーカーニバルin知内

毎年8月14日に行われている、本町夏の一大イベント。毎年、歌謡ショーや、吹奏楽団による演奏が行われます。約6千発の打ち上げ花火はイベントのラストにふさわしく、見応え十分!

8月:しりうち大漁まつり

マコガレイ、ウニ、ホタテなど、海の幸を販売するイベント!

10月:しりうち収穫祭

収穫の秋を祝い、毎年10月に開催するイベント。知内町の特産品をこのイベント限定価格で格安販売いたします。

大漁まつり、収穫祭の文字を見た時は「むむ、これは?」と思うものがありましたが、時期が歌詞の世界観とマッチしません。サマーカーニバルin知内の歌謡ショー、北島さんのモノマネめっちゃ上手い人が「まつり」を歌ってフィナーレなんだろうな・・・。

作詞家、なかにし礼さんの出身地でやっているお祭りは?

北島さんの出身地から該当すると思われるお祭りが出てきませんでしたので、作詞家なかにし礼さんの出身地で開催されるお祭りを探してみましょう。

なかにしさんは、満州国の牡丹江省牡丹江市(現在の中華人民共和国黒竜江省)の生まれで、ご両親は元々北海道小樽市に在住していました。8歳の時に小樽に戻った後、小学校時代は東京都渋谷区と青森県青森市で育ち、中学から東京都品川区に落ち着いたそうです。
前述の「まつり」の歌詞から、「日本の祭り」「海のない県を除外する」という条件に照らしてみると、「北海道小樽市」「青森市」が有力な候補になります。

小樽市で開催されるお祭りは非常に多いのですが、一年の中で最も遅い時期に開催されるのは10月中旬に住吉神社で開催されるお祭り。

参考:平成29年小樽市内のお祭り(神社例大祭)日程

小樽では、例年初雪が降るのは10月下旬という事で、年末の雪が降る時期、という歌詞にフィットしません。
では、青森市はどうでしょうか。8月には東北三大祭りである「ねぶた祭り」も開催されますが、冬の時期には残念ながら目立ったお祭りは見られませんでした。

心の中にある「まつり」が呼び起こされていた

「まつり」のモデルとなったお祭りはないか、と落ち込んでいましたが、調査を続ける中で見つけた日経スタイルのこちらのインタビューの中で、なかにしさんは、歌謡曲を作る上でカギになるものが「日本的霊性」と述べています。
日本的霊性とは何なのでしょうか。このインタビュー内で、「日本人の霊性が文化として花開いたのは鎌倉時代であり、一所懸命に土を耕し、農民と交わる武士の時代が来て、土に目覚めた」ことから、「日本的霊性」は土であるとしています。

そして、まつりの歌詞について、「『土の匂いのしみこんだ、伜(せがれ)、その手が宝物』という一節が肝心でした。日本の祭りとは土の匂いのするものではないかと言いたかったのです。この歌は北島さんの土の匂いのする歌声と相まって成功し、共感を呼ぶことができました。つまり今も皆さんが無意識のうちに日本的霊性を持っているということでしょう」と、なかにしさんご自身の考えを伝えられています。

「まつり」のモデルが何か、という事ではなく、私たちの心の中にある「祭り」の風景が歌によって呼び起こされていた。

今までの調査結果となかにしさんのインタビューを照らし合わせるとそう考えるのが自然でしょう。「まつり」のモデルとなるお祭りはない。こう結論づける事は勇気がいります。だけど、これから先、幾千ものお祭りに行った時にこう思う日が来るかもしれません。「さぶちゃんのまつりっぽい・・・」。

ちなみに、前述の北島三郎記念館では、「劇場公演の感動を再現、ロボットさぶちゃんがまつりを熱唱、圧巻、大迫力の舞台に大興奮」できるらしいです。

ねぶた感溢れるロボットさぶちゃん
ねぶた感溢れるロボットさぶちゃん http://www.kitajima-museum.jp/amenities.html より引用

くぅ〜、「さぶちゃんのまつり」だねぇ!