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那智の扇祭りとは?日本三大火祭りの一つ、那智の扇祭りの背景に迫る!

更新日:2022/4/25 (一社)那智勝浦観光機構
那智の扇祭りとは?日本三大火祭りの一つ、那智の扇祭りの背景に迫る!

世界遺産の熊野古道、日本一の落差を誇る那智の滝など、雄大な自然の中に古くからの伝承が多く伝わる和歌山県那智勝浦町。そんな那智勝浦では、日本三大火祭りの一つに数えられる祭り・那智の扇祭りが毎年開催されています。この記事では、その見どころや、重要なポイントについて紹介していきます。

那智の扇祭りとは?

那智の扇祭りとよばれる熊野那智大社の例大祭は、熊野那智大社から御滝前の飛滝神社への年に一度の里帰りの様子を表したものです。

12体の熊野の神々を、御滝(那智の滝)の姿を表した高さ6mの十二体の扇神輿に移し、御本社より御滝へ渡御をなし、御滝の参道にて重さ50㎏~60㎏の十二本の大松明でお迎えし、その炎で清める神事です。

当日は、那智大社境内にて午前11時から「大和舞」、午前11時30分から「那智田楽」が奉納されます。クライマックスとなる御滝本神事(大松明に点火)は午後2時から滝前の参道にて行われます。

十二本の大松明 「那智の扇祭り」の見どころ

那智の扇祭りは、日本三大火祭りにも数えられるほどの大迫力の祭り。勇壮な光景を目当てに、当日は多くの見物客で賑わいます。

今回は那智の扇祭りをより楽しむために、見どころとなるポイントを3つご紹介します。

那智田楽

「那智田楽」は、足利時代の応永10年に京都から、田楽法師・宗正、法輪を招いて習得したものであると伝えられています。

楽器は、笛、腰太鼓、編木の3種で、笛1人、腰太鼓1人、編木4人、番外の舞人シテテン)2人、の計11人。舞人の服装は、緞子でつくられた直垂(太鼓の者は赤、編木の者は黄)、袴は白二引の縹色のくくりばかまで、綾藺笠をかむります。

田楽舞を創成期の形をそのままに伝えている、全国的にも数少ない例として国の重要無形民俗文化財に指定されています。

また2012年12月には、ユネスコの無形文化遺産へも登録されました。

大松明

「大松明」は重さが約50kg程になり、桧の割板を桶のように輪じめにしたもので、那智山地元の人々の奉仕によります。この松明が燃え盛る様が、あまりに勇壮なため「那智の火祭り」という呼び名が広まっていきました。

扇神輿

「扇神輿」は幅1メートル、長さ6メートル程の細長い框に赤緞子を張り、金地に朱の日の丸を描いた扇を組み合わせ、9ヶ所に計32本、白銅鏡8面、それに「光」「蝶 の髭」「縁松」「桧扇の花」などを飾りつけ、その姿は「那智の滝」を表すといわれます。

那智の扇祭り2

祭りで重要な存在である熊野那智大社、那智の大滝とは?

地元のみならず、様々な人に愛される那智の扇祭り。もともとこのお祭りは、熊野大社に祀られている那智の大滝の神様が那智の大滝へ里帰りする様子を著したものなのです。

那智の滝、そして熊野那智大社とは一体どの様な存在なのでしょうか?

那智の滝とは

那智の滝は落差133m、滝壺の水深10mにも及ぶ大滝。神武天皇によって祀られたと古事記に記され、古来より熊野信仰の中心地のひとつとして参拝者を集めてきました。那智原始林に点在する「那智四十八滝」の一の滝として、約1300年前から滝行が行われてきた修業の現場でもあります。

道中には延命長寿の御利益があるとされる御神水が湧いており、滝壺の清水を味わうこともできます。

水が豊かに循環する熊野の森、そして深い自然に支えられた熊野信仰を象徴する那智の滝。コントラストが美しい晴れの日はもちろん、静けさに包まれる早朝や雨の日に訪れるのもおすすめです。

熊野那智大社とは

熊野那智大社の歴史は約1700年まで遡ることができます。

この神社は那智大滝で始まった信仰の新たな礼拝所として建立され、当時から変わらない自然を尊ぶ伝統を守り続けています。この場所が選ばれたのは、神武天皇を奈良に導いた「八咫烏」と呼ばれる三本足の大きなカラスがここに降り立ったためと伝えられています。

かつて日本で一般的だった神仏習合の例に漏れず、那智大社とその隣の青岸渡寺は、その歴史のほとんどの期間において一山の複合的な宗教施設でした。

1868年の明治維新後、新政府が神道と仏教の分離を命じたため、現在、寺院と神社は正式に区別されています。

おわりに

日本三大火祭りの一つ・那智の扇祭りは古来の人々が、那智の大滝、そしてその神様を祀った熊野那智大社を大切にしていた結果、現代まで伝わってきたお祭りでした。

那智の扇祭りが行われるのは毎年、7月14日。記事を読んで興味をもたれた方や、改めてお祭りの意味を知った方はぜひ、足を運んでみてくださいね!

この記事を書いた人
ブンカジャパン
熊野を詣でる、生まぐろに舌鼓をうつ。和歌山県那智勝浦町の魅力を発信します。

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